Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

蓮見令麻: Abiding Dawn (2018-19) 超ジャンル的で浮遊する音の芯

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寝ていると、身体的には疲れることはないので、眠りが不確かな感覚になる。3時間ほど眠って、2時間ほど覚めて、また3時間くらい寝る。覚めている時間は本を読んでいる。そして眠気が蘇るまで低い音で音楽を聴く。ゆっくりとフェードアウトしていく意識との戯れ、のような感触が愉しい。 

 昨夜は蓮見令麻のAbiding Dawn。少し前にCDを購入してiPADに入れておいて良かった。まさに、そんな気怠い夜半に合わせたような、「個人と向き合うような印象」が強いアルバム。

 ソロなのだけど、ピアノだけでなく、アナログ・シンセイザ、voiceが織りなす親密な空間。以前、彼女のRuwehレーベルについて、以下のように書いてみた:

蓮見が主宰する、このRuwehレーベルのアルバムの魅力は、アコウスティックな音響空間の柔らかさ、だと思っている。最近、多くの(全てでないが)ECMのアルバムに「作られた」アコウスティックな空間、のような感覚があって、多分に過剰な残響付加による、残念な気持ちがある。それに対する応え、のようなものがRuwehにあって、メタECM的な音響空間が気持ちよい。同じ感覚はノルウェイのNakama recordsにもあって、こちらはもっと硬質だけど。

蓮見令麻: Billows of Blue (2016) 在ったこともない記憶を辿るような - Kanazawa Jazz Days

 2年を経て出されたこのアルバムでは、その印象に加え、聴き手との距離の近さ、息遣いのようなものが伝わる。voiceの魅力が全面に出ている。そして以前のアルバムのような微かなオリエンタリズムは影を潜め、汎世界的な印象が強い。

しかし、魅力はそれだけでない。確かにジョン・ヒックスに師事したというジャズピアノの匂いがする響きや、オーネットの影響を感じる旋律、そのようなジャズの歴史のaccumulationのようなものがあって、超ジャンル的で浮遊する音の芯、のようなことになっている。そこが特に美味しい、と思えている。

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蓮見令麻: Abiding Dawn (2018-19, Ruweh Records)
1. X-1 04:31
2. Colors Last Seen 04:29
3. Monument Eternal 07:01
4. Wonder Through 04:17
5. Emerge 04:01
6. Blink 05:26
7. Spiral 04:05
8. X-2 04:18
蓮見令麻(p, vo, analog synth)
Recorded December 2018 and January 2019 at Home
Engineered, Mixed and Mastered by Todd Neufeld