Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

須川崇志: Outgrowing (2017) ガツンとくる日本のジャズの新譜

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昨年のはじめ、本田珠也のIctusを聴いて以来、一年ぶりにガツンとくる日本のジャズの新譜。

Ictusと印象は近く、やはり初期ECMの空気感、そうコリアのA.R.C.から更に進化したような、鋭角状の音が次々刺さってくる。最初の5曲が即興曲

Ictusではドラムが叩き出すビートのモードの遷移、のようなものが快感を生み出している。このアルバムでは、弦が胴を震わせる共鳴音の強さ、のようなものが場を作っていて、次々打ち込まれる衝撃音のようなもの耳を離さない。

近年の日本の若手?中堅?の奏者達が作り出すジャズの完成度の高さ、特にグループ表現の素晴らしさ、には驚く。しかしbeyond-metheny的な在り方(オーネット的な要素も含め)が、音の差異を小さくしているようにも思えている。ちょっと雑な受け止め方なのは、承知なのだけど、そんな印象。だからIctusとか本盤の音の切れ味が嬉しい。

5曲目までが即興。その後が八木美知依須川崇志の曲。そちらの方が、Free Jazz的な味わいを持ちながらも、より現代的で美しい。どちらも好きだけど。

共演のレオ・ジェノ ベーゼのピアノの響き、トム・レイニーの打楽器的な音も実に美しい。録音のバランスも実に良く、聴き手にストレスや不満を与えない。余分な残響付加もなく、奏者の技量を直接受け取っているような感覚。アイヒャーのような「個性的」な仲介者を感じさせない透明感。とても好み。

だからyoutubeで弦が弾ける音が聴こえた瞬間に注文。高価な日本盤は中古が出るまで待つのだけど、やれやれ。よく考えたら、IctusもこれもSong X Jazz。もう少し気をつけておかないと。

 

Outgrowing(アウトク?ロウインク?)

Outgrowing(アウトク?ロウインク?)

 

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須川崇志: Outgrowing (2017, Song X Jazz)
1. First Meeting (須川 / Genovese / Rainey) 1:49
2. Outgrowing (須川) 11:15
3. Violoncello (須川 / Genovese / Rainey) 1:35
4. Short Story Long (須川/ Genovese / Rainey) 5:01
5. Motion (須川/ Genovese / Rainey) 5:43
6. Izayoi 「十六夜」 (八木美知依) 11:21
7. Ancient Blue (須川/) 6:22
8. Uncompleted Waltz (須川) 2:57
須川崇志(contrabass on 2, 5, 7, cello on 1, 3, 4, 6, 8), Leo Genovese(p), Tom Rainey(ds)
Producer: 須川崇志
The Bunker Studio, Brooklyn NY Engineer: Akihiro Nishimura
Assistant: Todd Carter
Mixed and mastered at Dedé AIR Mastering Studio, Tokyo
Mixing engineer: Shunroku Hitani
Mastering engineer: Akihito Yoshikawa
Recorded September 2017