Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

石橋英子: The Dream My Bones Dream (2018) 耳を惹くような「奇妙さ」は薄いのだけど

 - The Dream My Bones Dream

40年くらい前から暫く(10年弱)、一所懸命にジャズを聴いていた。聴きすすめるうちに、日本の奏者の良さを強く感じた。和ジャズと云われると、コトバに違和感があるが、中央線ジャズというとまだ違和感があるが、含意が瞬間で伝わる何か、がある。

そんな1970年代末から1980年代にジャズの端っこで見え隠れする女性奏者・歌い手がとても面白く感じた時期がある。渡辺香津美KYLYNバンドでの矢野顕子坂田明のバンドでの橋本一子本多俊之のRadio Clubでの小川美潮。今では随分と溶けてしまったが、当時は強固だった「ジャズ・ファンの境界意識」を無力化するパワーが強かった、と思う。先日出版された本で云う「アヴァンミュージック」への誘いは、まさに彼女達からの(だけではないが)招待であったと思っている。(下記本で矢野顕子を取り上げていないのは、何となく不思議)

そして、今、やはりジャズを聴いていると、端っこで見え隠れする女性奏者・歌い手がとても面白く感じている。本アルバムの石橋英子小田朋美、角銅真実。石橋英子はオルークとのアルバムで聴いているのだけど、あのような漂う音が、どうなっているのか興味があった。(上記本でも石橋英子に言及)

「あのような音」あり、もっとノイズのような音もあり、なのだけど、一番惹かれたのは中国語の歌曲。浮遊するような、そんな心許なく儚い印象。カフカ鼾で聴かせる音世界をさほど変えずに、ポップな(に聴こえなくもない)切り口を実に上手く接合したような感じ。最近の通勤途上の定番。まさに様々な音を畳み込んでいて、ジャンルを議論する必要のない音楽。実に好み。1980年の彼女達と比べると、耳を惹くような「奇妙さ」(褒め言葉)は薄いのだけど。頭の引き出しにはアート・リンゼイの隣に入った。

The Dream My Bones Dream

The Dream My Bones Dream

 

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石橋英子: The Dream My Bones Dream (2018, felicity)
1. Prologue: Hands on the mouth
2. Agloe
3. Iron Veil
4. Silent Scrapbook
5. A Ghost In a Train,Thinking
6. The Dream My Bones Dream
7. Tunnels to Nowhere
8. To the East
9. Epilogue: Innisfree
石橋英子, アイヴィン・ロンニング, 須藤俊明, ジム・オルークジョー・タリア, 波多野敦子, 山本達久, 李犁
共同作詞(M-2):程璧(チェン・ビー)