Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

吉田野乃子/ Cubic Zero(立方体・零): Flying Umishida(2018) 電化であることに意味があるのではなく

Cubic Zero / Cubic Zero ç«æ¹ä½ã»é¶ / Flying Umishida / FLYING UMISHIDA

吉田野乃子さんの新作が出た。 奏者直販なのでメールで注文(野乃屋レコーズ: nonoko_yoshida@yahoo.co.jp)。

奏者自身のレーベルでの3作目であるが、内容、物品としての仕上がり含め、地方での自主制作とは全く思えない質。twitterか何かで、地方でも出来ることはいくらでもある、のようなことをご本人が云っていた記憶がある。相当の力を注いでいるに違いない。

プロモーション用のyoutubeを聴いて欲しい。

前作「目ヲ閉ジテ見ル映画」がアコウスティックなバンドであったのに対し、今回は電化バンドなのだけど、音の印象はまったく延長線上にある。前衛系奏者らしい多様な音遣いがあり、それが曲のなかで上手く浮かびあがる。

面白いのは70年代っぽい電気ピアノの音響。前作のアコウスティックピアノより、懐古的な味を出していて実に美味しい。それを素材として使いながら、全体では21世紀のジャズである、そんな曲作りの巧みさに惹かれた。

1970年代末にジャズを聴きはじめた頃、電化楽器を使うのはジャズでない云々の議論があったのは、今となっては可笑しい。初期のRTFやWRなんか、直球のジャズ以外の何者、でもなかった訳だから。このアルバムでも電化であることに意味があるのではなく、前作とはまた違った音響を用意し、巧みにサックスの音色を嵌め込んだ、その音や曲の様々な切り口の面白さに意味があるのだ。ああ美味しい。

同時期にクリス・ピッツィオコスのclean feedからの新作も聴いていたのだけど、サックスの面白さはともかく、曲が一本調子でプライムタイムの傘の下だなあ、の印象だった。このアルバムでの曲の作り込みの面白さや、前作から一貫したサックスの振幅の大きさに、より惹かれた、ということも付け加えたい。何よりも、フリージャズであらねばならない、ということからも自由な感じが気持ち良い。

 

今回も、前作でのJOE氏のコトバを引用する: これは大変な傑作なのである。みんな聴くように!!

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吉田野乃子/ Cubic Zero(立方体・零): Flying Umishida(2018, NONOYA RECORDS)
1. Iwai
2. もぐった先 Moguttasaki
3. Block of Noise
4. 永遠の苺~椅子とポルタが~ Towa no Ichigo ~Isu to Porta ga~
5. Moldy Coffee Lighter
6. Seaslug Interlude #1 ~Trapania Naeva~
7. Spice 389 (Sabaku)
8. Walking Head
9. Seaslug Interlude #2 ~Hypselodoris Festiva~
10. Flying Umishida
11. Seaslug Interlude #3 ~Hypselodoris Kanga~
12. Critical
13. Setakamui
14. Seaslug Interlude #4 ~Thecacera Pacifica~
15. 15 Lunatics
Cubic Zero/立方体・零
吉田野乃子(sax), 本山禎朗(key) , 佐々木伸彦(g), 大久保太郎(b), 渋谷徹(ds)