Kanazawa Jazz Days

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(ECM2579) Tim Berne's Snakeoil: Incidentals (2014) ティム・バーンはワン・パターンか

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先日、ディスクユニオン新宿で買ってきたもの。価格が落ち着くのが待ちきれなかったので、普段の1.5倍くらいの価格で購入。このティム・バーンの新譜はECMから。バーンの音源は、何を聴いても同じように聴こえることは否めない。ティム・バーンはワン・パターンか、自問自答しながら聴いている。

彼の音は、決してワン・パターンではなく、アルバムごとに様々な音を稠密に詰め込んでおり、それらの音が造り出す心象・印象が似たようなものになっている、からだと思う。だから、それはライヒのアルバムが同じように聴こえる、と同じじゃないかなあ。

ミニマルの進化形のようなものを狙っているのかなあ、とも思うが。あるパターン(ライヒよりも周期が長いので、随分、印象は違う)を繰り返しながら、高揚感まで持ち上げ、落とす。そのような隙の無い作曲を行いながら、即興的な要素を入れている印象。即興的な部分よりも、九龍城(古っ!)のような音の迷路を惑う感覚のほうが楽しい。だから現代音楽的な印象を与える部分が、とてもECM的なようにも思えたりする。

マット・ミッチェル、チェス・スミスをはじめとする個々の奏者の音もキレがよく、素晴らしいのだけど、あくまでグループ表現。その上でのバーンのソロが冷たく・熱く、これが快感を誘う。

このようなアルバムがECMから出ることは好ましい。沈黙云々に耽溺するようなマンネリ化からの出口になり得るのではないか。プロデュースがディヴィッド・トーンであり、ジャケット・デザイン以外はおなじみのECM人士ではない。だから残響も過度でなく、それでいてECMらしい品位を保っていることが嬉しい(多分にドラムが若干オフ気味であることが奏功している)。

1970年代のアイヒャー自身のダイナミックレンジを彷彿させるところまで活気づいている、と思うのだけど、言い過ぎだろうか。

Incidentals

Incidentals

 
Incidentals

Incidentals

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(ECM2579) Tim Berne's Snakeoil: Incidentals (2014)
1. Hora Feliz (Tim Berne) 10:26
2. Stingray Shuffle (Tim Berne) 7:36
3. Sideshow (Tim Berne) 26:01
4. Incidentals Contact (Tim Berne) 10:47
5. Prelude One / Sequel Too (Matt Mitchell, Tim Berne) 9:17
Tim Berne (as), Oscar Noriega(cl, b-cl), Matt Mitchell (p, electronics), Ryan Ferreira(g), David Torn (tg on 1 and 3), Ches Smith(ds, vib, perc)
Design: Sascha Kleis
Photograph: Tim Berne
Recording Engineer: D. James Goodwin, Bella Blasko
Mastered by Christoph Stickel
Producer: David Torn
Released: 25 Aug 2017
Recorded December 2014, at "The Clubhouse" in Rhinebeck, NY
Mastering at MSM Studios, München