Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

内田修ジャズコレクション 人物VOL.1 高柳昌行(1981-91) ジャズ奏者「高柳昌行」の全貌を集めた素晴らしいCD

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 今回の岡崎訪問で入手したなかで、やはり白眉は高柳昌行のアンソロジー。さすがにオープンリールでの録音、多分、オンボード(だよね)だけあって、音が良い。正式な録音が少ない彼のアルバムへの、ある種の飢餓感を十分埋めるのだ。

TBMで高柳昌行を何枚か吹き込んだのも、彼のアルバムの少なさ、を気にした藤井社長の意思だったようだし、その意味でTBMでの吹き込みと同じくらい意義のあるものではなかろうか(第二弾を期待したい)。

内容的には富樫とのデュオではじまる。富樫の打楽器が作る音の空間のなかで、鋭くそして浮遊する。一音一音を研ぎ澄まして繰り出す2人、の空間の濃密さに驚く。富樫・高柳のデュオは2枚出ているが、これは未収録のコンサートでのもの。

2曲目は井野信義とのデュオ。富樫とのデュオから地続きと勘違いするような濃密な空間。距離の近い、寄り添うようなデュオ。高柳の死の直前の録音。気迫、は衰えていない。正式録音では2人のデュオはなかったのではないか。JINYAから出ているカセット音源のみと思うが。

 スタンダード曲を取り上げた、渡辺貞夫とのデュオもまた素晴らしい。ボクは高柳のボッサ・ノヴァやクール・ジャズも好きなのだが、これもいい。彼のギターのキレの良さ、のようなものを存分に味わえる。公式録音では(ほとんど)残っていない渡辺貞夫との演奏。このCDの解説で渡辺貞夫の思い出が収録されているが、戦後すぐの2人の親密さ、が伝わる。それが濃く演奏に反映されている。

 その後の渋谷毅を含めた大きな編成の演奏を含め、晩年の代表作的な演奏。ジャズ奏者「高柳昌行」の全貌を集めた素晴らしいCD。

 

参考記事:

#1125 『内田修ジャズコレクション /人物VOL.1 高柳昌行』 – JazzTokyo


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内田修ジャズコレクション 人物VOL.1 高柳昌行(1981-91)

1. PORTRAIT
作曲:高柳昌行/富樫雅彦
演奏:高柳昌行[g],富樫雅彦[ds]
1984.4.28 ヤマハ・ジャズ・クラブ第110回20周年記念コンサート

2. IMPROVISATION
作曲:高柳昌行
演奏:高柳昌行[g],井野信義[b]
1991.4.7 ヤマハ・ジャズ・クラブ第129回“For Jo-Jo”

3. ALL THE THINGS YOU ARE
作曲:JEROME KERN
演奏:高柳昌行[g],渡辺貞夫[as]
1981.10.18 ヤマハ・ジャズ・クラブ第100回記念コンサート

4. PEACE
作曲:HORACE SILVER
演奏:高柳昌行[g],渡辺貞夫[as]
1981.10.18 ヤマハ・ジャズ・クラブ第100回記念コンサート

5. ISRAEL
作曲:JOHNNY CARISI
演奏:高柳昌行[g],渡辺貞夫[as]
1981.10.18 ヤマハ・ジャズ・クラブ第100回記念コンサート

6. TOKYO DATING
作曲:渡辺貞夫
演奏:高柳昌行[g],渡辺貞夫[as],渋谷毅[p],井野信義[b],富樫雅彦[ds]
1991.4.7 ヤマハ・ジャズ・クラブ第129回“For Jo-Jo”

7. ONE FOR Jo-Jo
作曲:渡辺貞夫
演奏:高柳昌行[g],渡辺貞夫[as],渋谷毅[p],井野信義[b],富樫雅彦[ds]
1991.4.7 ヤマハ・ジャズ・クラブ第129 回“For Jo-Jo”