Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Oliver Nelson, 原信夫&Sharps & Flats: – 3-2-1-0 (1969) 1960年代の思い出(菊地雅章関連アルバムだけど)

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 ボクの子供時代、1960年代は高度経済成長の時期と云われるが、同時に戦後の外貨統制が次第に緩くなっていく時期でもある。1960年代後半には、ほぼ貿易の自由化は行われ、海外旅行の自由化も行われた。都市近郊の農地が宅地化するとともに、富裕農家が出現し、農協ツアーと揶揄された海外ツアーが出てきたのも、この頃。子供の頃のボクは、テレビの「アップダウンクイズ」を見て、よくわからないが「ハワイ」は夢の土地なんだなあ、と思っていた。その20年くらい前に真珠湾零戦が突入したことなんか、知る由もない幼児だった訳だ。

 親父がセパレート形の音響装置を買ったのも、その頃。たまに「直輸入盤」とのタスキがかかったレコードを持って帰ってきたが、自由化にともない、「高級品」だった輸入レコードが大手レコード会社を通じて、流通するようになったのだ。まだ国内はペラ・ジャケの時代。

 そんな懐かしい1960年代末の録音。「世界のオリバー・ネルソン」を、メンバー総出で羽田で迎えた、という。そんな時代だ。オリバー・ネルソンとリハーサルを繰り返した彼らの心境は如何ばかりか。大半は戦前・戦中派の奏者じゃなかろうか。

 ボクはビッグ・バンドを聴かないので、良し悪しはどうも分からないのだけど、ホーンのソリ、のようなものは素晴らしい。直球の力強さ、は聴いていて楽しい。モダン・ジャズの名曲を素直に編曲した感じで、アンサンブル主体。ソロが足りないことは、本人も気になったようで、ソロが重要視されるフリージャズの時代だから「次は」と言及している。勿論、次はないのだけど。

 このような1969年という瞬間、全く音の空間が異なる1960年代と1970年代の汽水域のようなタイミングで、1950年代から1960年代側の空気で録音されたレコード。それが商業的な要望だったのだろう。同時期、ビッチェス・ブリューが準備されていた、なんて想像がつかない極東の島に縮退した日本だったのだ。

 さて購入した理由は、菊地雅章の参加。アンサンブル主体で、実にもの足りないのだけど、モンクやエリントンの曲を弾く彼の音が「ちら見」できる。後年と同じように、一音一音に思念を込めたような濃い、疎な音である。タッチは柔らかい、そこがモンクと響きが全く違う。

 何故、彼がシャープス&フラッツと、と不思議になったが、渡辺貞夫バンドに加入する前は、このビッグ・バンドのメンバーで相応に吹き込みがあることを初めて知った。1964年から、銀巴里の頃である。以下のサイトに詳しい(勝手にリンク貼ります。スミマセン)

原信夫とシャープスアンドフラッツ

3-2-1-0

3-2-1-0

 

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Oliver Nelson, 原信夫&Sharps & Flats: – 3-2-1-0 (1969, Nippon Columbia)
A1. Straight No Chaser (T. Monk) 菊地雅章
A2. Good Bait (W. C Basie, T. Dameron)
A3. So What (M. Davis) 菊地雅章
A4. C Jam Blues (D. Ellington) 菊地雅章
A5. Blue Monk (T. Monk) 菊地雅章
B1. 3-2-1-0 (O. Nelson)
B2. Yearnin' (O. Nelson) 菊地雅章
B3. 12 Tone Blues (O. Nelson)
B4. 5x5x5 (O. Nelson)
B5. Mission Accomplished
原信夫,加藤久鎮,谷口和典(ts),前川元,鈴木孝二(as),森川信幸(bs), 森川周三,福島照之,佐波博,篠原国利(tp),谷山忠男,鈴木弘,橋爪智明,中島正弘(tb), 小川俊彦(p),竹内弘(b),中村吉夫(ds),直居隆雄(g)
ゲスト:菊地雅章(p)

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