Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

富樫雅彦: かなたからの声 (1976) 音空間の伸び縮み

 一昨日に引き続き、ECMを聴こうと思ったが、どうもArild Andersonのアルバムがピンとこなくて、最近入手したレコードを聴くことに。富樫雅彦の1976年のアルバム。

 ボクは1970年代末に街のレコード屋で富樫のアルバム、コロンビア盤とかキング盤を入手した。人口50万足らずの街にレコード屋が何件かあって、そこに富樫雅彦のレコードが置いてあった、って、今からは想像できない。その当時、見かけなかった盤。最近になって存在を知った。

 当時、富樫の打楽器が作る空間の広がり、強いノスタルジックな曲調、それらがフリー・ジャズのフォーマットのうえに展開されていくのが面白く、よく聴いていた。そのうち、どれも似たような曲調のようなものに飽きてきたことと、ジャズ的な昂奮が足りないような感覚があって、聴かなくなったのだけど。

 改めて、40年近く経って聴き直すと、打楽器の音色の多様さ、だけでも十分楽しむことができる。というか、富樫の一打一打に気持ちが集中することに、驚いてしまう。だから、他の奏者の存在が希薄のように感じてしまう。翠川の弦は心得ていて、富樫の音空間に上手く沿うように美味しい音を繰り出していき、その音空間の広がりを感じる。藤川の管もそうかな。面白いことに、ジャズに対する距離感が最もある加古のピアノのとき、伝統的なフリー・ジャズに近いフォルムに戻って、音空間が縮退するような気分に襲われる。それはそれで好きなのだけど。

 このレコード、多分、何十年ぶりにか溝をトレースしたのではないか。スクラッチ音が酷かった。盛大なスクラッチ音の彼方から、それでも富樫の存在感は強く響いたのだけど(苦笑)。久々に「レコクリーン」で拭きまくった。案の定、2回目のトレースでは大分減ったので良かったが。

 ネットで検索していたら、ブログに書いている方が、と思ったら、この方でした:

かなたからの声

かなたからの声

 

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富樫雅彦: かなたからの声 (1976, Denon)
A1. Voice from Yonder (富樫雅彦) 13:40
A2. Silence (富樫雅彦) 2:20
A3. Welcome (富樫雅彦) 3:01
B1. Travelers (富樫雅彦) 12:13
B2.It's Time (富樫雅彦) 3:34
B3. Farewell (富樫雅彦) 2:35
富樫雅彦 (perc), 藤川義明 (reed, perc), 加古隆 (p, perc), 翠川敬基 (b, cello, perc)