Kanazawa Jazz Days

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Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Tyshawn Sorey: Koan (2009) 柔らかな音響空間

2009 jazz (ds) apple music jazz: avantgarde

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  NY在住のピアニスト、蓮見令麻さんのtwitterで取り上げられていたので、早速apple musicで聴いてみた。

 

 Agingの問題もあって、なかなか新しい奏者の名前が覚えられない。過去、聴いたことがあるかどうか、覚えていない、多分はじめて聴く。

 演奏もさることながら、まず、柔らかな音響空間に驚いた。通常、パンチが強く、ひずむ直前のような録音が多い米国のアルバム、とは思えないほど、透明で柔らかい。apple musicのような圧縮音源でもそうなのだから、もとの音源はさぞかし、と思わせる。それでいて、ECMのような残響を重視した録音になっている訳ではない。そこに不思議な独自性を感じさせる。

 まず録音に触れるのはオカシイ、かもしれない。だけど、このアルバムの主眼がよく考えられた音響空間であり、それを実現するために、水墨画の如く、淡い音が点在するような印象。音と音の間が無であり、しかし無が存在を主張するが如く、空間ができあがっている。まさにECM的なレトリックなのだけど、ECMとは異なる、楽器そのものの音響を克明に捉えることで実現している、ように感じた。

 やはり、トーマス・モーガンの存在は大きい。一音・一音の打ち込みが、そのような音響空間を見えない梁で支えるような存在。そしてギタートリオでの、そのような空間空間を設計・施工したタイショーン・ソーリーの力量は確かに素晴らしい、と思った。少し聴くと「浮遊系ね」、って聴こえるのだけど、決して多めの音で浮遊させている訳ではなくて、肉を削ぎ落とした過小な音で、慎重に空間の座標軸を打ち込むような作業をやっているのだ。だから、とても遅い。が、一音一音の重さが、音から沸き上がる空間を想起させ、ある種の快感を喚起する。

 蓮見令麻さんのアルバムUtazataの音響空間にも近いものを感じたが、調べると違う録音技師だった。 ニューヨークでの方向なのか、どうかは分からない、ボクには勿論。それくらい好奇心が沸いた。ああ原盤を聴きたい。

 

追記:結局、アナログ盤を注文。やれやれ。

 

apple music:

Koan

Koan

 

 

参考記事(これから読まなきゃ):

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Tyshawn Sorey: Koan (2009, 482 Music)
1. Awakening 12:45
2. Only One Sky 2:31
3. Correct Truth 7:58
4. Nocturnal 15:15
5. Two Guitars 9:20
6. Embed 12:56
Tyshawn Sorey(ds), Todd Neufeld (g), Thomas Morgan (b, g)