Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

(ECM1609) Paul Bley, Evan Parker, Barre Phillips: Sankt Gerold Variations (1996) 音の一撃に

 音の一撃に、やられた。ポルトガルから帰ってきたら、ポストに入っていたCD。不用意に聴きはじめたら、暫く、何も手につかなかった。

 エヴァン・パーカーの螺旋状に上昇するブロウと、美麗なブレイの音が絡まった瞬間、美しい不可思議な構造物のような音世界が広がった。

 最近、ECMのアルバムを聴くと、どれも似たような残響処理と静謐感でイラっとくることが多い。彼らが作る音のダイナミックレンジが案外狭まっている、ように思えてならない。だけど、これもその世界に違いないのだけど、手管の奏者が構築する、パラレル・ワールドでの美しさ、それは我々の世界の美しさとは直交しているかもしれないが、にすっかり魅了されてしまった。

 何よりも、エヴァン・パーカーがみせる音の相互作用のようなものが案外古典的なジャズの香りを出しながら、情感的な臭いを見事にスポイルし、無機的すら見える美しさを得ていることに、驚いてしまった。ブレイやフィリップスの音は、ある意味で馴染みではあるのだけど、柔軟でソリッドなパーカーとの化学反応で、その美しさは尋常ではない。

 ECMのアルバムで、こんなに驚いたのは久しぶり。早速、同じメンバーでの前作を手配してしまった。やれやれ。

 

参考記事:

Sankt Gerold/Paul Bley, Evan Parker, Barre Phillips: ジャズCDの個人ページBlog

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[ECM1609] Paul Bley, Evan Parker, Barre Phillips: Sankt Gerold Variations (1996)
1. Variation 1 (Phillips, Parker, Bley) 10:18
2. Variation 2 (Phillips, Parker, Bley) 7:12
3. Variation 3 (Phillips) 2:56
4. Variation 4 (Parker) 1:59
5. Variation 5 (Phillips, Parker, Bley) 6:20
6. Variation 6 (Bley) 3:56
7. Variation 7 (Phillips) 7:13
8. Variation 8 (Phillips, Parker, Bley) 8:14
9. Variation 9 (Bley) 7:03
10. Variation 10 (Parker) 5:22
11. Variation 11 (Phillips, Parker, Bley) 4:49
12. Variation 12 (Parker) 1:29
Paul Bley(p), Evan Parker(ss,ts), Barre Phillips(b),
Design: Max Franosch
Photograph: Dieter Rehm
Engineer : Jan Erik Kongshaug
Producer: Manfred Eicher, Steve Lake
Recorded live, April 1996 at the Monastery of Sankt Gerold.