Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Evan Parker, George Lewis: From Saxophone & Trombone (1980) 抽象的な音空間

 先日、ナマEvan Parkerを聴いてから、Free JazzどころかImprovised musicのような焼け野原のような音楽(失礼!)に飛びつかれた。憑かれた、とでも書こうか。南米音楽だったり、ソウルだったり、関心事は移ろう。その移ろいのローテーションのなかに入った、訳だ。

 30年前、さすがにこの盤に至っては、全く楽しめなかった。Free Jazzの熱い衝動のようなものが好みだった時期だけど、これは冷ややか、というほど冷たくも、熱くもないのだ。ただ、抽象的な音空間が構築されている現場をみているような、不思議な感覚。

 パーカーもソロのような稠密な音ではなくて、小さな塊のような音を、ポツポツと並べる風情。ただ平面的とも思える2者の音を重ねると、円筒座標系のような3次元的な奥行きを感じることもあって、そんなことをぼんやり感じながら聴く、ことが面白い。

 はっ、としたのは、多分、modern artと呼ばれる現代絵画の更に後、の抽象的な絵画を,見る行為とかなり重畳しているのだろうな、と思う。先日のParkerの音は、音だけでなく、管楽器の操作音が視覚的な効果を生んでいるように思えたし、視覚や聴覚を止揚したような感覚への扉、を叩いているのでないのかな、とコレを聴きながら、二日酔いの頭で考える朝だった。

 これでルイスへの苦手感が消えたので、ECMでのサム・リヴァースとのアルバムを聴いてみようかな。

 

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Evan Parker, George Lewis: From Saxophone & Trombone (1980, Incus)
A1. From Saxophone & Trombone 1 11:00
A2. From Saxophone & Trombone 2 2:03
A3. From Saxophone & Trombone 3 9:49
B1. From Saxophone & Trombone 4 5:00
B2. From Saxophone & Trombone 5 11:53
Evan Parker(ts,ss), George Lewis(tb)
Engineer: Adam Skeaping
Cover Painting: Margaret Parker
Photograph: Roberto Masotti
Producer: Dave Holland
Recorded at the Art Worker's Guild, London, 18 May 1980.