Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

富樫雅彦、佐藤允彦: 双晶(1973) 空間を隈取る、そしてKairos

 久しぶりに双晶をターン・テーブルに載せる。無音が長いように感じる。微かなレコード針の追跡音の中なら、奏者達の音群が静かに湧き出す。

 角突き合わせるようなインタープレイではなく、佐藤のピアノを真ん中に据え、広く空間を隈取るような富樫の打楽器。そしてその空間の形状は、時々刻々と変化していて、聴き手にその形を悟られないように変容を続けている。その変容の微係数は大きく、むしろ微係数を聴かせているような印象もある。

 1973年のフリー・ジャズのイヴェント「インスピレーション アンド パワー」でのライヴ。副島氏の本を読んでいて、急に聴きたくなった。

 富樫雅彦のアルバムを調べてみると、この「双晶」(30分くらい)の完全版が「Kairos」という1時間くらいのCDが出ていたことを知って、入手。聴いてみると印象が随分と違う。双晶は比較的清澄な音の流れを切り出しているが、kairosでは強い音の流れも多い。何よりも収録された録音の質が随分と劣化していて、レコードとの違いが大きい。何故だろう。驚いた。

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富樫雅彦佐藤允彦: 双晶(Trio, 1973)
A. 輝き [Radiance] 15:24
B1. 再び活発に [Renovation] 11:06
B2. 往時を回想して [Reminisce] 3:48
富樫雅彦(perc)、佐藤允彦(p(
Layout: Masahiko Togashi, Yoshio Watanabe
Photograph: 石井隆, 渡部吉雄
Engineer: Kunio Arai, Shigehisa Nagao
Producer – Kazuo Harada
Recorded live at Art Theater Shinjuku Bunka Gekijo, Tokyo on July 7th, 1973 as part of Free Jazz Festival 1 - Inspiration & Power 14.