Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

(ECM 1050) Jan Garbarek, Keith Jarrett: Belonging (1974) beyond freeの形

  ECMのLPレコードの蒐集に意識が向いてから1年半くらいだろうか。その聴いた記録を残そうと思って、もうすぐ1年。ようやく50枚をアップ。ボクにしては根気が続いている。

 このアルバムはキース・ジャレットのアルバムとして長く意識していたのだけど、改めてジャケットを見るとヤンからはじまり併記。レーベルはヤンとキース。そう、多分これはヤン・ガルバレクキース・ジャレットの双頭、あるいはヤンのアルバムと云っても良い、のではないか。その意味では、ひとつ前にアップしたLuminessenceと同じ位置付け、キース・ジャレットの作曲によるヤン・ガルバレクのアルバム、とみても良いように思う。ちなみに有名なmy song(1978年)は明らかにキース・ジャレットのアルバム。クレジットが全く違っている。その後のケルンコンサート(1975年1月)のヒットにより、商業的な位置付けが変わった、のだろう。

 だから、このアルバムもLuminessenceと同じく、キースの役割が「やや抑制気味」でヤン・ガルバレクのサックスの美しさを引き出す内容になっている。だから素晴らしいと思う。my songであったような「あれっ」というようなフリー的な逸脱はないからね。何回も何回も聴いたのだけど、本当に素晴らしいアルバム。beyond freeの形、を作っていることがハッキリ分かる。bopの跡継ぎでも、freeの次世代ではない、ナニモノでもなくてただ音がある感覚。曲を作った、というより、そのような新しいジャズの在り方の「うつわ」のようなものを作ったキース・ジャレットは凄い、と感じた。

 1974年のこの時点で、ファンク・クロスオーヴァー的なものとは別に、beyond freeの白人的なジャズ、これらの形がはっきりしたのだなあ、と理解した。ECMの音に時間を超えた普遍性を与えているのは、このような感覚であるだろうし、それは即ち、stream的なジャズ史観を壊す「蟻の一穴」のようなものではなかったか。まだまだstream的な音の進化のなかにあったのだけど、ヴェクターが進化(stream)から深化に向かう、その流れをECMは確かに作ったのだと思う。

 このアルバムはLuminessenceとほぼ同時期の録音で、Luminessenceが少し先に西ドイツで録音され、これはノルウェイでの録音。二人以外のメンバー(ストリングスは西ドイツ、とベース・ドラムはノルウェイ)の場所によるのだろう。4月末の相応の期間、キースとヤンは一緒だったようである。

参考記事:

 

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[ECM 1050] Jan Garbarek, Keith Jarrett, Palle Danielsson, Jon Christensen: Belonging (1974)
A1. Spiral Dance(Keith Jarrett) 4:08
A2. Blossom(Keith Jarrett) 12:18
A3. 'Long As You Know You're Living Yours(Keith Jarrett) 6:11
B1. Belonging(Keith Jarrett) 2:12
B2. The Windup(Keith Jarrett) 8:26
B3. Solstice(Keith Jarrett) 13:15
Jan Garbarek(ts,ss), Keith Jarrett(p), Palle Danielsson(b), Jon Christensen(ds)
Design [Cover Design]: Tadayuki Naito
Layout: B/B Wojirsch
Engineer: Jan Erik Kongshaug
Producer: Manfred Eicher
Release: 1974
Recorded April 24 and 25, 1974 at Arne Bendiksen Studio, Oslo