Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Charlie Haden & John Taylo: Nightfall (2003) 録音について(追記あり)

[追記]

昨日、客人を連れてcowry coffeeへ。あのアコウスティックな空間で聴き直してみたかったのである。あきらめきれなくて。

やはりオーディオセットとか、空間とかじゃなくて、録音が良くないよなあ、と門脇君とため息。ダメなものはダメって、昔のどっかの党首みたいだけど、ダメだった、ということなのです。

 

[9月15日記事]
 ボクは難聴の気配があって、人の話し声が良く聞こえないときがある。母音がはっきりしないしゃべり方の人の声を聞くのは苦手。だから、録音に関しては本当に正しい音を聴いているのかは分からない。これを前置きしておく。

 録音の善し悪し、って、装置や媒体の差異に関わらず、youtubeレベルでもはっきり分かることがある。楽器が持つ音がその装置や媒体なりに伝わるとき、まずはいい録音だなあ、と思う。その上で、より良い装置や媒体でしか分からない差異も、勿論ある。近年はともかく、2000年代のある時期までのCDは音が伸びきらない印象があって、レコードだと溝の追跡音を底とする物理的なダイナミックレンジは低いのだけど、音の伸びやかさを不思議なほど感じる。薄い膜を被ったようなCDの音、あるいは奏者との距離感があるCDの音、のような感じ方をする。最近、バーブラウン(現TI)のAD/DA変換器の設計者(だった人)と話をしたら、コンソール機器で扱える量子化ビット数が32bitまで拡張されたのが2000年代入って随分経ってかららしく、CDの音の改善と関係するのかな、って感じた。最近のCDは音がいいからね。

 さて、このアルバムはヘイデンが亡くなったときに入手した何枚かのアルバムの一つ。テイラーとヘイデンのデュオだから、そこに何らかの美を感じたい、との思いは当然ある。思いの外、抑制的な演奏には驚いたが、実にケレン味のない滋養のある演奏だと思う。ヘイデンがイヤだなと思うときはケレン味過剰のときで、なんとも頭の表面で音を出しているように感じるときもあるのだけど、これはどっしりとした演奏。だけど、何かが足りないアルバム。テイラーのピアノがあまり美しく響いてないように思う。軽度のECM病なので、残響への過剰な期待があるのかもしれない、でも、この録音はピアノの音がとても魅力的でなくて、それはテイラーの演奏の問題ではなくて、録音がよくない、そのように感じた。カスれたような印象。演奏の渋い良さを帳消しにしているような印象。残響のなさ、というよりピアノの直接音だけ拾ったような雑な印象。

 勿論、最初買ったのはCD。そんな訳でテイラーの音の録音に不満が残っていた。先日のディスクユニオンでレコードを見つけたので(存在を知らなかった、実はアマゾンでも買えるって知った)、決して安価ではなかったが、購入。ひょっとするとレコードだと、感動的な音じゃないかな、って期待。録音時期の2003年はまだディジタル録音が一皮むける前。

 結論から言うと、「薄い膜を被ったようなCDの音」あるいは「奏者との距離感があるCDの音」は改善されたが、元来の録音の悪さ、つまりピアノの音が捉えられていない、という点は変わらず。かなり残念な買い物になった。勿論、装置の問題はあるのだろうけど。一昨日にアップしたエリントンの録音とyoutubeレベルで比較しても分かるよ。その違い。ホール録音が信じられないくらい奥行きがない。本当に残念だ、ECMあるいは欧州録音でないことが。

 

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Charlie Haden & John Taylo: Nightfall (Naim, 2003)
A1. Chairman Mao (Charlie Haden) 4:26
A2. Nightfall (Charlie Haden) 6:08
A3. My Love And I (David Raksin, Johnny Mercer) 7:33
A4. Au Contraire (John Taylor) 4:23
B1. Windfall (John Taylor) 6:07
B2. Touch Her Soft Lips (William Walton) 6:15
B3. Song For The Whales (Charlie Haden) 9:13
Charlie Haden(b), John Taylor(p)
Engineer: Ken Christianson
Photograph: Ken Christianson
Producer : Charlie Haden, Ken Christianson
Recorded at Roy O Disney Music Hall, California Institute for the Arts, Valencia, CA 8th and 9th October 2003