Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

(ECM 1040) Gary Burton: Seven Songs For Quartet And Chamber Orchestra(1973) バートンの味

 ECMのシリーズのなかで、はじめてのジャズ・コンボとオーケストラの共演。1970年代のこの手の演奏は案外苦手で、アレンジャーによっては受け付けない。その代表格はセベスキーで、CTIが臭く感じることが多いのは、そのためだ。クラウス・オーガマンは大丈夫で、クインシー・ジョーンズはいいなあ、と思う。

 さてマイケル・ギブス作曲の本盤(1曲目はスワロウとの共作)は、よし。ギブスの編曲とバートンの曲調がよく整合している、と思う。バートンは躍動的な(彼独特の)グルーヴ感が全面に出すときと、耽美的とも云える美音を探求しているときの間の「振れ幅」が大きい印象がある。そして、彼のグルーヴ感は黒人音楽のような身体性というよりは、何か気色の悪いウネリのような所謂ジャズロックのビートで、だめ。そんな曲調のときのギターもペケペケ云っている感じで、辛い。本盤はECMなので、美音側に重心を置いているので、安心して聴けるし、自己満足的嘆美の罠に落ちるほどクドクもないので、ギブスの編曲の良さ、だと思う。ジャズの枠のなかに室内楽的な要素を入れ込む、それが自然に溶け込んでいる。ときとして、はっとするくらい繊細で美しい音の重なり合いがカルテットのなかで生まれている。PMGの音の源流、って、このあたりなんだなあと、しみじみ堪能してしまった。

 ヘンなグルーヴ感は1曲だけ。だから、この時期のバートンのアルバムとしては、よし、だと思う。

 

参考記事:

 

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[] Gary Burton: Seven Songs For Quartet And Chamber Orchestra
A1. Nocturne Vulgaire / Arise, Her Eyes     9:27
A2. Throb     5:27
A3. By Way Of A Preface     4:33
B1. Phases     7:23
B2. The Rain Before It Falls     4:04
B3. Three     6:12
Gary Burton(vib), Michael Goodrick(g), Steve Swallow(b), Ted Seibs(ds)
Michael Gibbs(cond, composer), The NDR-Symphony Orchestra
Design [Cover Design] : Frieder Grindler
Engineer [Mixing]: Martin Wieland
Engineer [Recording]: Henning Ruete*
Producer: Manfred Eicher
Released:1974
Recorded December 1973 in Hamburg