Kanazawa Jazz Days

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(ECM 1033/34) Keith Jarrett: In The Light (1973) なかなか評価が難しいアルバムだと思うが

  今回はじめて聴いたアルバム。ECMではじめての2枚組、かつクラシック・現代音楽の作品で、「作曲者」がキース・ジャレット。1973年の録音で、キースがマイルスのバンドで電化オルガンを弾いていた時期からさほど遠くない。レーベルができてから4年め、カタログが僅か30枚を超えたところで、このような取り組みを行うアイヒャーの意欲、は凄い。実質的にnew series第一作。この時点でECMというレーベルの基本的な要素の過半が揃った、ということだ。

 キース・ジャレットが弾くクラシックはケレン味のない実直なもの、と最近の投稿で書いたのだけど、このアルバムでの曲作りもそう。ただ、ピアノ・ソロからストリング、ブラスまでの様々な試みを「ケレン味のない曲」で埋めているので、やや退屈。ボク自身、キースの作曲はやや?なので、このアルバムでも曲の印象はすこぶる薄い。ただ、キースの非ジャズ演奏でのピアノの美しさは格別で、その点においてのみ聴く価値があるアルバムだと思う。だから、キースのピアノが入っていないA、B2、C2、D2あたりは印象がうすい。D1はタウナーのソロが入っている点で救いが。あとの曲でのキースのピアノは、いいものだと思う。

 録音は少ない楽器の場合はECMの音そのものだけど、多楽器になると個々の楽器の音像がはっきりしない印象がある。浅めの残響の中に溶けたよう。後年のような広がりのある音にはなっていないように感じた。その意味で、録音的には過渡期じゃないかな。

 なかなか評価が難しいアルバムだと思うが、1973年でこのような取り組みをしたアイヒャーには、改めて驚きを感じるのも事実なのだ。


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[ECM 1033/34] Keith Jarrett: In The Light (1973)
A. Metamorphosis (Keith Jarrett) 19:14
Mladen Gutesha(cond), Willi Freivogel(fl)
Sudfunk Symphony Orchestra, Stuttgart
B1. Fughata For Harpsichord (Keith Jarrett) 5:26
Keith Jarrett(p)
B2. Brass Quintet (Keith Jarrett) 20:57
American Brass Quintet
C1. A Pagan Hymn (Keith Jarrett)7:15
Keith Jarrett(p)
C2. String Quartet (Keith Jarrett) 16:33
Fritz Kiskalt(Cello),Siegfried Meinecke(viola),Fritz Sonnleitner, Gunter Klein(vln) Fritz Sonnleitner Quartet
D1. Short Piece For Guitar And Strings (Keith Jarrett) 3:52
Keith Jarrett(cond), Ralph Towner(g)
Sudfunk Symphony Orchestra, Stuttgart
D2. Crystal Moment (Piece For Four Celli And Two Trombones) (Keith Jarrett) 4:52
D3. In The Cave, In The Light (Keith Jarrett)12:14
Keith Jarrett(Cond.,p, Gong, Perc.)
Sudfunk Symphony Orchestra, Stuttgart

tDesign [Cover Design], Layout: B & B Wojirsch
Engineer: M. Scheuermann, K. Rapp, M. Wieland
Photograph: Georgyves Braunschweig
Photograph[Cover]: R. Truckenmuller
Recording Supervisor, Producer: Keith Jarrett, Manfred Eicher
Recorded: 1973
Released: 1974

 

見開きの内側はキースの文章と写真。如何に頑張った取り組みか、と熱を込めて書いている。

この頃のキースはアフロ