Kanazawa Jazz Days

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(ECM1018/19) Circle : Paris - Concert (1971) 交わらない線

[聴いたのは少し前なのだけど、忙しくてアップできなかった!]

 僅か1年位の時間を隔てて録音された2つのアルバム、ボクが好きな音がある。1つはECMのA.R.C.。勿論、チック・コリア。そして、それから1年後のブラックストンのtown hall concert.ともに共演者は重なるが(ホランドとアルトシュル)、コリアとブラックストンは共演していない。そして両方のアルバムも隅々まで音が行き渡るような、広大なimprovisationのfieldを構築している、ように思う。濃密であり、絶えざる緊張感のなかにある。ベース、ドラムが共通なのだから、案外、似たような印象を持っている。破綻の手前まで音を解体しながら、ついぞ破壊せず、崩れ落ちそうな音の連鎖が疾走感のある総体といて、耳に飛び込んでくる。ジャズを聴く快感、そのものだ。

 だからこそ、これらのアルバムの間に、このアルバムが存在するのだろう。だけど、ここでボクたちが眼にする(耳にする?)のは、交わらない線。二人の間に越えられない何か、を感じる。だから、同じリズム・セクションを使った、比較的近い音楽のようにも思えるアルバムをつくった二人が共演すると、1+1>2ではなく、1+1<2を感じてしまった。

 マイルスのKind of Blueはマイルスとエヴァンスの絶妙な交わり、のうえで成り立っている、といつも思う。Boot音源の編集前マスターの未収録テイクを聴くと、水と油のような二人、が見えてくる。だから共演期間が短いのだと思う。しかし、あのアルバムでほんの一瞬、交わり、綺麗に溶け込んでいる、故の名盤だろうと思う。

  サークルでのコリアとブラックストンには残念ながら交わり、のようなものは感じられない。A.R.C.とtown hall concertのほうが随分よい。A.R.C.的なノリになっているのは3人でプレイしているとき。何でだろうか。結局、最初のNefertiti と最後のNo Greater Love、つまり従来形ジャズのスキームを纏っているときのほうが聴ける、というのは、そういうことだと思う。

 もうひとつ。これはラジオ音源の買い取り(じゃないかな)。音質が良くない。それをイコライズして「ECMっぽく」しているが、不自然に高音を持ち上げている感があり疲れる。それが印象を悪くしている、というのもある。

 少し前のリピダルでECM的なものが固まったと思えるのだけど、まだまだ創業期、なのだ。

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関連記事:

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[ECM1018/19] Circle : Paris - Concert (1971)
A1. Nefertiti (Wayne Shorter) 18:26
A2. Song For The Newborn (David Holland) 7:09
B1. Duet (Anthony Braxton, Chick Corea) 10:55
B2. Lookout Farm(Barry Altschul) / 73° Kalvin (Variation - 3)(Anthony Braxton) 16:25
C. Toy Room - Q & A (David Holland) 24:44
D. No Greater Love (Isham Jones, Marty Synes) 17:40
Anthony Braxton(reeds, perc), Chick Corea(p), David Holland(b, cello), Barry Altschul(perc)
Cover: B & B Wojirsch
Photography: Jean-Pierre Leloir
Engineer: Jean Deloron
Producer: Manfred Eicher
Recorded on February 21, 1971 at the Maison de l'O.R.T.F., Paris.
Realisation by Andre Francis' "Jazz Sur Scene".

これはオリジナル・プレスのようだ。(Made in の表示がない)