Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Opium String Quartet: Back to Melody (2011) 中央ヨーロッパ、そして現代の音


   オラシオさん(ポーランド・ジャズ・ライター)の記事で紹介されたアルバム。

 オラシオさんの記事:https://note.mu/horacio/n/n2838c189f1fd

 ジャズ・ライターで「ポーランド専門」って細分化は凄いのだけど、それを支える厚みのある中央ヨーロッパの奏者達も凄いと思う。気が付くと、随分と多くの中欧奏者を聴いているような気がする。オラシオさんの「中央ヨーロッパ現在進行形ミュージックシーン・ディスクガイド」も早々には買ったのだけど、ECMのレコードを聴くことで精一杯で、まだ読めていない。字が大きくて、読みやすいのだけど。上のリンクは、この本の追加ガイドで、youtubeのリンク付き。おすすめ。

 中央ヨーロッパ、そして現代の音、には興味津々。中欧ヨーロッパという「ハプスブルグ領」を中心とする地域概念が冷戦集結とともに復活し、まだ30年弱。ワイマール体制の終焉とともに中欧は失われ、東欧というワルシャワ条約機構のなかに繰り込まれた時代が長かった。だから、冷戦終結とともに修復されはじめた「中欧」というものが、あたりまえに存在している時代になったのだなあ、と、この本を眺めたときに思った。信じられないかもしれないけど、ジャズって東欧では「好ましくない音楽」だったと思うので。ヴィトウスの渡米時期をみると、微妙にプラハの春に近いなあ、とか思う。

 さて本アルバムは弦楽カルテットによる現代音楽なのだけど、とても聴きやすく、また美しい。現代の作曲家(なのかな?)4名バルトークコダーイのような民族の芳香を放ち、日本の吉松さんの作品と似たようなエリア、と云おうか。なんとなく雪が舞いつつも春がしっかり見えはじめた昨今、気分にとても合う。 あまり難しいことを考えないで、気楽に聴ける現代音楽。ジャケットのイメエジとかなり重なる。

 ボクにはWojciech Kilarの一曲目がすごくいい。ライヒのミニマル風の旋律の中で民族音楽的な香りが漂う。クロノス・カルテット的な味に、民族の香りが加えられた、といおうか。次はSlawomir Czarneckiの曲。これも民族音楽の芳香が強い小品。

 今はECM蒐集に全力をあげているので、中欧方面は抑えなきゃ、って感じ。中欧って、ドイツの後背地であり、ドイツの文化的・民族的な力に拮抗する形で自らのアイデンティティを確立、維持させてきている、という意味で、きっとECMを裏返しに見るような音世界だと思うのだ。

オラシオさんの記事に感謝!

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Opium String Quartet: Back to Melody (2011, CD Accord)
1. Wojciech Kilar: Orawa (arr. Krzysztof Urbanski) 8:58
2. Maciej Malecki : Polish Suite
I. Capriccio 5:54
II. Scherzo 3:02
III. Melodia 5:29
IV. Krakowiak 00:05:41
3. Slawomir Czarnecki: String Quartet No. 2, Op. 33, "Spis"
I. Lento 3:44
II. Allegro 4:16
4. Maciej Malecki: Andante and Allegro
I. Andante sostenuto 9:47
II. Allegro molto 9:52