Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

(ECM1006) Wolfgang Dauner: Output (1970) とにかくジャケット趣味が....

 昨夜は世話になった職場の若い衆へのお礼の一献。柿木畠の「いたる」で美味しく頂いた。そこで知人ご一行と鉢合わせ。そのなかに、このブログ読者がおられて驚いた。その後、帰り道のバーでゆっくり呑んでいたら、cowryでのイヴェント「ジャズ喫茶、のようなもの」にいらした方、と鉢合わせ。なんとも金沢は狭いなあ、と実感した、泥酔手前の夜だった。それはさておき、本題、本題。

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 つぎはECM1005なんだけど、まだ注文中。ディスクユニオンで2万円だったので、海外通販。値段は秘密だけど格安。そりゃねディレク・ベイリーやエヴァン・パーカーだから、聴く人は限られる。この頃のECMって、レーベルの色を作るため、大振幅で暴れているような感じ。まさに揺籃期。

 そんな訳で1つ飛ばしてECM1006。とにかくジャケット趣味が....悪すぎる。ヒドすぎる。表と裏をつなげると、意味は分かる。電気でinspireされた音楽、なんだよね。腹部の剛毛を見ただけで、聴く気なくすること満点。今もって、CDで再発されていないなりの理由、だよね。

 だけど録音については、Tonstudioということもあって、残響の感じを含めて、確かにECMサウンドに近づいている。ピアノが右端、クラヴィネットが左端という配置で、真ん中のドラムとベース。ドラムとベースは確かにECM的なしっかりした奥行きのある感じ。ただキーボードの定位が作り過ぎで、電子音が左右に飛び交う感じは、キツいのだけど。

 全体を通した曲調は、improvisation、ジャズ・ロック風、ジャズ風と統一感はなく、ただダウナーの電子音が作り出す音空間にドラムとベースが反応するような曲が並んでいる。特にヴェーバーのベースは、アコウスティックも電気もジャズ、あるいはジャズロック的な味がまずまずで、聴き所はそれかなあ。

 A面1曲目はピアノとクラヴィネットが緩い旋律を鳴らす中、アルコでベースがゆったり唸りながらはじまった。ドラム、打楽器も現代音楽的に添えられた感じ。ECMらしい録音空間になっていて、電子音楽風の味付けの時代感を相殺している感じ。2曲目はリング・モデュレータでのディストーションから。Free improvisation風になっているが、録音の良さ、曲の長さがほどほどである、などもあり、案外聴ける。3曲目は電子音の空間のなかで、打楽器のimprovisationが中心
 B面1曲目はドラムと電気ベースが強いビートを取る曲で驚いた。RCA時代のゲイリー・バートンをもう少し前衛的にした感じ。2曲目で中東風の曲。うねるクラヴィネットの旋律(これは背後)に、中東の打楽器や弦楽器の音が続く。ビートはない。3曲目はクラヴィネットが右左に飛び交い、誰かが何か語り、ベースとドラムがそれに反応する電子Free improvisationなのだけど、ベースとドラムからジャズ的なビート感が失われないので、これはこれで聴けるし、悪くない。

  これ、ディスク・ユニオンで2万円のディレク・ベイリーの隣にあった。ということで、「それに比べると」安価なのだけど、でも通常のECM盤のン倍。多分、聴きなおすことはないだろうなあ、と思いながら、単にコレクションのための買い物に溜息が出た。悪くないアルバムだけど、いいアルバムとは書けない、のだ。時代の劣化、が大きくてね。

 

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参考記事:

 

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[ECM1006] Wolfgang Dauner: Output (1970)
A1. Mudations
A2. Output
A3. Bruch
B1. Nothing To Declare
B2. Abraxas
B3. Brazing The High Sky Full
Wolfgang Dauner(p, ringmodulator, clavinet), Eberhard Weber(b, cello, g), Fred Braceful(ds, perc, voice)
Engineer: Kurt Rapp
Photography and design: F Grindler, R Grindler
Producer: Manfred Eicher
Recorded on September 15. and October 1. 1970 at the Tonstudio Bauer, Ludwigsburg
Release: 1970