Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Federico Arreseygor : Detràs De La Medianera (2014) 21世紀に生まれる音

 確かに21世紀に生まれる音、なんだろうと思う。1970年代のジャズが示した可能性、様々な音楽を移植し、遺伝子操作を行うプラットフォームとしてのジャズ、が21世紀に入って存在感を増しているように感じる。かつて、クロスオーバーとかフュージョンとか呼ばれ、「主流」のジャズからは何かと区別され、異端扱いだったように思えるのだけど、その具体的な音の在り方ではなく、様々な来歴の音を移植し、接合し、新しい音を創るプラットフォームとして、違う形で蘇生しているように感じる。多分、その音の遺伝子操作の工程で「ジャズ的な何か」、多分、貪欲な音の進化への希求、が振り掛けられる、のだろう。だから、ロウレイロの音楽を聴いていると強く「ジャズ性の側面」を感じ、そこに惹かれている自分、がいる。

 最近、聴き続けている南米音楽からは、そのような新しさ、と同時に健全なポピュラー音楽としての気安さ、そしてジャズの血脈のような味わいを感じる。そして伝統的なジャズ以上に楽しめている自分がいる。ブラジルのメーマリやロウレイロは真中心だし、アルゼンチンのアギューレやイリオンド、サルモリアもそうだ。

 ボサ・ノヴァがジャズ、それも西海岸ジャズと縁戚関係が云々されるが、今となってはMPBやその後の音楽含め、ジャズと強い血縁を感じさせる。そして21世紀に入って、その音の進化・深化に驚かされ続けているのだけど、それがジャズなのかどうか、ということなんか、どうでも良くなってきた感もあるのだけど。

 ネットの情報で、フェデリコ・アレセイゴルの新作が良い、と各所から流れた。だけど、実際に聴いてみると、期待を膨らませすぎて聴く音楽、ではないように思った。ごく自然に傍らにあって欲しい音。アギューレもそうなのだけど、意識の高揚よりも、弛緩を誘うような、温帯のラテン音楽なのだ。ふっと聴いていることすら忘れ、再び、意識にあがってきたときの爽やかさ、が素晴らしい。アギューレ好き、であれば文句なく楽しめるアルバム。

 

 

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Federico Arreseygor : Detrás de la medianera(2014, CUCHÁ! DISCOS)
   1. Resonancias
   2. Soldespués
   3. I.K.I. (un día en la vida)
   4. Tierra arrasada
   5. Rey mendigo
   6. Dieciocho
   7. Mário
   8. Devenir
   9. Al cantor
 10. aMores (bonus track)
Federico Arreseygor(p, g, vo), Mariano Cantero (ds, per, vib, vo), Omar Gómez (vo), Cintia Coria, Ana Archetti(vo), Joaquín Pérez(fl), Ezequiel Ortiz(g)