Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Andre Mehmari: Tokyo Solo(2013) コトバを撥ねつける強靱な音のチカラ


 この数週間で一番聴いている。家の中、クルマの中、仕事場。今、体が欲している音に一番近いのだと思う。

 コトバを撥ねつける強靱な音のチカラ、があると思う。

 この演奏の良さを語ろう、という気持ちすら無力化される。音を流しはじめると、はじまりも終わりのないような、川が流れているように音が流れ続ける。端々に弾けるような音の乱流があって、そこが川面でのきらめきのように、気を引いて離さない。意識を離すと聴こえていないような静粛さがやってくるのだけど、意識を戻すと確かに鳴っている、そんな不思議な錯覚を与える。川沿いに散歩しているような感じ。

 だから、この音楽にジャンルを与えたり、コトバを与えたとしても、川のような存在感があって、コトバを撥ねつける強靱な音のチカラ、があるのだ。

 2013年の東京でのライヴ。録音もライヴとは思えないほど素晴らしい。間近に、音の移ろいを感じることができる。クラシック、現代音楽、ジャズ、MPB、あらゆる音のカケラを止揚したような不思議な音楽。ジスモンチの音のような得体のしれない狂気はないのだけど、ブラジルから流れ出る最上級の音の薫りを楽しむことができる。ナシメントやジスモンチへの敬意が美しく昇華したピアノ・ソロをいつまでも聴いていたい、と思って秋のお仕舞いを過ごしている。

 最近意識するようになったNRTレーベル(成田さんのレーベルだからNRTなんですね)の、仕上がりも美しいこのアルバムを手にできて良かった。

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Andre Mehmari: Tokyo Solo(2013, NRT)
1. Um Anjo Nasce (Andre Mehmari)
2. Beatriz (Chico Buarque/Edu Lobo)
3. Nazareth Suite (Ernesto Nazareth)
4. Lagoa Da Conceicao (Andre Mehmari)
5. Clube Da Esquina Medley(Milton Nascimento, others)
6. Que Falta Faz Tua Ternura (Andre Mehmari)
7. Choro Da Continua Amizade (Andre Mehmari)
8. Kojo No Tsuki (Bansui Doi/Rentaro Taki)/ Assum Branco (Jose Miguel Soares Wisnik)
9. Sehr Langsam, From The Youth Album (Robert Schumann)
10. Um Anjo Nasce (Andre Mehmari)
11. Baiao Malandro (Egberto Gismonti)
【Bonus Tracks from studio recordings】
12. Modular Paixoes (Andre Mehmari)
13. Proezas De Alexandre (Andre Mehmari)
14. Lullaby Zuzu (Andre Mehmari)
15. Valsa-Variacao Sobre Tico Tico No Fuba (Andre Mehmari)
Andre Mehmari(p)