Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Art Farmer: Sing Me Softly of the Blues(1965) Carlaの曲が気になって

 最近になってカーラ・ブレイの曲が気になっている。今に至る半世紀以上、モンクやドルフィーといった奏者達が醸し出す「奇妙な味」と、同じではないのだけど「不思議な味」のようなものを提供し続けている。

 勿論、美しい旋律の作曲者という側面と、大編成のバンドでの作・編曲家という2つの側面がある。昔から前者は好みだったのだけど、後者は苦手だった(ビッグ・バンドは苦手)。これは「作曲し尽くされたジャズ」が何だか面白くなくて苦手なんだと思う。このあたりが即興重視の感覚なんだと思う。 

 最近になって、この感覚が変わってきていて、即興なくとも「奇妙な味」や「不思議な味」、何でもいいのだけど「何か味」があると、面白いと思うようになってきた。だからカーラのWATTでのアルバムも面白い、と思えるようになってきた。これは彼女のMusique Mecaniqueを久しぶりに聴いて、そう感じた。出た当初は受付なかったのだけど。 

 カーラはいつごろから楽曲を提供しているのだろうか。有名なところでは、このアルバムの冒頭の2曲。ちょいと気になったので聴き直した。カーラの曲だけECM風にきこえて面白かった。

 

[2014-01-03記事] Basraから管を変えると

 Pete LaRoca のBasraから管を変えると(ジョー・ヘンダーソンからアート・ファーマー)、面白いほど雰囲気が変わる。ヘンダーソンの熱さ、から、ファーマーが奏でるフリューゲル・ホーンの透明感。キューンのピアノとの整合性がとてもよく、1960年代のジャズとしては音の温度が低め。少し空気がピンっと張ったような冬の朝に聴くと丁度良さそうなアルバム。その数年後に誕生するECMの音、の前哨戦のような感じ。

kanazawajazzdays.hatenablog.com

 先日届いた「ジャズ批評」でジミー・ジェフリーのライヴ盤(1960年代)がECMのオトの源流であると、紹介されていた。確かにECMのリストにも1961年のジミー・ジェフリーのディスクが登録されている(聴きたい)。メンバーはポール・ブレイとスワロウ。このアルバムと似たような空気感じゃないかな、って思う。

  この数年、クラシックやら現代音楽も聴くのだけど、ECM室内楽のフォーマットで、ジャズに現代音楽の味わいを与えたモノ、と理解している。そのようなアイデアの源流の一つにポール・ブレイカーラ・ブレイ、スティーブ・キューン、スティーブ・スワロウ、ジム・ホール達が居るんだろうね。ジミー・ジェフリーを含め、1960年代のそのあたりの音を聴いてみたくなった(まずはジェフリーのECMのアルバムを注文しようと思う)。

youtu.be

 

追記:toshiya氏のブログでEWのアルバムが紹介されている。何だか嬉しくなった。彼が紹介しているアルバムの他、To Duke with loveなんかもいい。透明感溢れるフリューゲルホーンが美しい。日本ビクターのEast Windレーベルは録音が良く、また海外奏者の素晴らしい独自録音も多い。見かけるようにしていたら手にするようにしている。

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Art Farmer: Sing Me Softly of the Blues(1965, Atlantic)
    A1. Sing Me Softly of the Blues (Carla Bley)
    A2. Ad Infinitum (Carla Bley)
    A3. Petite Belle (Traditional)
    B1. Tears (Pete LaRoca)
    B2. I Waited for You (Walter Fuller)
    B3. One for Majid (Pete LaRoca)
Art Farmer (flh), Steve Kuhn (p), Steve Swallow (b), Pete LaRoca (ds)
Engineer: Phil Iehle, Tom Dowd
Recorded March 12, 16 & 30, 1965 in New York City

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