Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

浅川マキ:Nothing at all to lose (1988) あの頃の東京の片隅のような擦れたAOR(のようなもの)

 9月のお仕舞ごろから忙しい。仕事して、レコード聴いて、タマに呑んで。

 それはさておき、植松孝夫のアルバムをまとめて入手したとき、同じく植松孝夫の映像が観れるので、浅川マキのDVD(浅川マキがいた頃 東京アンダーグラウンド)も入手。そこで1990年前後の彼女のオトを聴いて、気になったアルバム。

 1980年代のはじめから、かなり強いビートを利かせたアルバムが多く、あまり好みに合わなかった。だから1980年過ぎまでのアルバムを中心に集めている。そして、1990年頃のアルバムは聴いていなかった。

 このNothing at all to loseはとても面白いし、好みに合う。勿論、1970年代の音からはかけ離れている。歌ってすらいない。漂う音のなかで、呟いているだけ、なのだけど、いい。

 軽いファンクタッチの漂うような音。あの頃の東京の片隅のような擦れたAOR(のようなもの)、が聴こえる。1988年というと、長く続いた円高不況から抜け出そうとする頃で、やや疲弊感が漂っていた世間に光が射し出そうという頃。まだバブルの狂奔の手前。古い街が最期に息づいていた頃じゃなかろうか。

 そんな街に、十分な距離感を持って暮らしている「もう若くない田舎出の女」の姿が浮かび上がっている。その毅然とした、とも云える音の姿がヤケに格好よく思えるのも、面白いなあと思う。まあ「若くない」と云っても、今のボクよりは若い浅川マキなのだけど。やれやれ。

 

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浅川マキ:Nothing at all to lose (1988)
   1. 見えないカメラ(作詩:浅川マキ、作曲:Bobby Watson、英語詩:太田恵子)
   2. TOKYOアパートメント(作詩:浅川マキ、作曲:本多俊之)
   3. KALEIDOSCOPE (作詩:John Solt、作曲:Bobby Watson)
   4. 明日、大丈夫 (作詩:浅川マキ、作曲:Tony Maiden)
   5. アメリカの夜 (作詩・作曲:浅川マキ)
   6. NOTHING AT ALL TO LOSE(作詩:John Solt、作曲:Bobby Watson、日本語詩:浅川マキ)
   7. LOVE TIME (作詩:浅川マキ、作曲:Bobby Watson、英語詩:太田恵子)
   8. 向こう側の憂鬱 (II)(作詩:浅川マキ、作曲:本多俊之)
   9. トレモロ (作詩:浅川マキ、作曲:Tony Maiden)
浅川マキ(vo), Bobby Watson(b, key), Tony Maiden(g,vo), 本多俊之(as,ss,key), Andre Fisher(ds,vo), 植松孝夫(ts), 横山達嗣(perc), 鳥山敬治(synth),John Solt(vo)