Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Miles Davis: Four & More (1964) コールマンはねえ、っていうけれど

 3枚のレコード。上は1980年頃の米盤(PC)、左下は当時の日本盤、右下はオリジナル・ステレオ盤(CS)。

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 あまりブログにはアップしていないのだけど、実は年期の入ったマイルス・ファン。一時期は中山本を見てbootlegにも手を出した。Columbia移籍後のアルバムは大体持っているような気がする。ハービーと同じように、LPできちんと揃えようと思っている。

 マイルスは時期によって随分と違うが、それぞれが良い。バップ期はMilestoneかCookin'とかの4部作、モード期はKind of blueかこのFour & More、ファンク期はAgartha、復帰後はWe want Milesかなあ。1960年代はFour & Moreが一番。ハービー・ハンコックトニー・ウィリアムスが叩きだすドライヴ感が堪らなくいい。緩急自在。早いだけでなく、時折入る「一服感」、その直後から再び疾走するリズム。ピアノとシンバルの時速を計りながら聴いているような感じ。マイルスのブロウも攻撃的で突き抜けている。沸騰点まで熱いA面に疲れたら、少し温度が下がったB面が待っていて、これもまたアッという間に終わってしまう。

 よく云われることだけど、コールマンのソロがだるい、ことは全く気にならない。その前のモブレイよりはモーダルな感じだし、そもそもピアノとシンバルに神経が集中しているので邪魔にならない、という美点すら感じる。何故そう思うのか。それは、その後彼の代わりに加入したウェイン・ショーターの在り方とかかわる。ボクはショーターのファンでもあるが、彼が入ったマイルス・クインテットは殆ど聴かない。1969年の欧州ツアーだけかな、聴くのは。曲の組み立てが抽象的になって、音の温度が下がる。高名なライヴ、プラッグド・ニッケルなんかも、ハービー、トニー、ウェインの3人で作り出す音空間はドライヴ感に乏しく、高みを目指すインプロヴィゼーション大会に陥っているから。なんかねえ、という感じ。だから、ウェインが入る前の、あの高揚感がみなぎったFour & Mourがいいのだ。

 村上春樹のportrait in jazzをみていて、彼がこのレコードを取り上げていたのには驚いた。本の中で醸し出される、ゆったりとした米エンターテイメントの香気とは異質なレコードが紛れ込んだ感じ。概ねボクの趣味とは異なるレコードが並ぶ本なのだけどね。

 さて、最近再びこのレコードを聴くことになったのは竪町のExile Recordsで。ここにオリジナル盤があって、音を聴き比べると明らかに鮮度が違う。今まで聴いていた音が、薄い膜を通した音のように思える。音質は確かにCDのほうが良いのだが、鮮度が違う感じ。冷凍・解凍した魚と鮮魚の違い、のような。かなり麻薬的な音で、この数週間、何回ターン・テーブルに載せたのだろうか。Exile Recordsの村田さんが云うように、確かにメジャー・レーベルのオリジナル盤は(Blue NoteやRiversideより)安価だし、オーディオ機器の交換くらいの効果があるので、うーん深みにはまりそうだなあ。やれやれ

 3枚のレコード。上は1980年頃の米盤(PC)、左下は当時の日本盤、右下はオリジナル・ステレオ盤(CS)。

オリジナル盤は2EYEと呼ばれるレーベル。

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Miles Davis: Four & Mour (1964, Columbia)
A1. So What (Miles Davis) - 9:10
A2. Walkin (Richard Henry Carpenter) - 8:06
A3. Joshua/Go-Go (Victor Feldman) - 11:14
B1. Four (Eddie Vinson) - 6:18
B2. Seven Steps to Heaven (Feldman, Davis) - 7:51
B3. There Is No Greater Love/Go-Go (Isham Jones, Marty Symes) - 11:23
Miles Davis(tp), George Coleman(ts), Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)