Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Lionel Loueke: Gilfema (2005) 少し疲れたような夏のはじまりのような


 日々、夜明けが早くなっている。静かな丘の上に住んでいるのだけど、空が白みはじめると、なにか賑やかなような気配が流れているような気がする。だから浅い眠りは簡単に阻まれて、漂うような夢から放り出されてしまう。あまり眠る時間が長くとれないために、疲れが静かに蓄積していくことが作り出す、少し昂ったような、遠心力が効いたような気分のなかにある。どうも何か変な感じ。


 そんな少し疲れたような夏のはじまりのような、気怠い日々を過ごしている。春の気怠さは、十分過ぎる眠りから目覚めたときのそれ、なのだけど、今時分の気怠さは目覚めた時でさえ眠りの中にあるような違和感。


 そんな時に聴いてみたくなるのはエスニック的な味わいの音楽。始原的な音は、より感情の根に近い部分に降り注ぐ。そして言葉にできないような複雑な反響が微かに返ってくる。そんな感覚が赤ん坊のときに聴いた音への反応、に近いのではないだろうか。とりわけ、ジャズというオトのプラットフォームに乗せて、汎世界的な高みを見せるものが心地よく、麗しい。

 ここで取り上げるのは、西アフリカのLionel Louekeのバンド。アフリカのギター奏者に欧州のドラムとベース。同じアフリカのリチャード・ボナと同じく、アフリカの色がジャズのプラット・フォームを染めている。ボナのような強いグルーヴ感はなくて、緩いグルーヴ。そして音の温度はさほど高くない。ボナよりむしろ、ドラムのマヌ・カッチェと同じような温み。カッチェの音楽と同じように、なんか疲れたときに聴くには、いい塩梅なのだ。

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Lionel Loueke: Gilfema (2005,ObliqSound)
1. Dream
2. Lost Magic
3. Akwe
4. Gbede Temin
5. Vera
6. Tinmin
7. New Song
8. Okagbe
9. Allgon
10. Six And Three
11. At The Tree
12. Manding
13. Hormonix
Lionel Loueke(g,vo), Massimo Biolcati(b), Ferenc Nemeth(ds)