Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

George Adams: Sound Suggestions(1979) あのテナーマンがすなるECM

 ほぼ1週間にわたる出張から帰って、再び引越の片付け。ほぼお仕舞い。天候は不順なのだけど、南の方に白山に連なる山々が見えたり・消えたり。なかなか気持ちが良い。音響機器のセット・アップもお仕舞い。立ち上げる途中で片チャネルの音が出なくて焦ったのだけど、メイン・アンプ前段の真空管の接触不良と判明。タマの挿抜を繰り返したら解消。時として驚かされた衣擦れ音の正体も分かって、随分すっきりとした音になった。

 そんなこともあって、今日は一日自宅に引き籠もって、LPレコードをいろいろ聴いた。そのなかの一枚が「あの」ジョージ・アダムスがECMに一枚だけ残したSound Suggestions。この頃のアイヒャーって、少しこんな路線じゃなかったかな。代表作がデジョネットのSpecial Editionだし、Sam Riversなんかも吹き込んで驚かせた時期。とりわけ、フリー・ジャズを纏った演歌テナーのようなジョージ・アダムスのECMって、ちょっと考えられない。

 あのテナーマンがすなるECMって?

 ちょっと回りくどい感想なのだけど、アダムスが入っていないときの音は本当にECMバイラークのピアノも美しく鳴っているし、ホランド、デジョネットも間違いなく。それにホイラーも実に真っ直ぐと耽美的。アダムスの演奏は基本的に変わっていない。黒光りするようなテナーの咆吼。ECM世界ではない。しかし不思議なことに、水と油のような二つを足すと、それなりに聴こえる。しっかりECM世界に巻き込まれているのだ。本当に面白い。

 興味のあるヒトは、アダムスとピューレンの双頭バンドの吹き込みとか、ミンガスとアダムスの吹き込みをまず聴いてみてください。そして、アダムスの本領を触らずに、全体で何となくECM世界になっている本作を聴いてみると、何となくアイヒャーの凄みも分かるような気がする。

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George Adams: Sound Suggestions(1979, ECM)
   1. Baba
   2. Imani's Dance
   3. Stay Informed
   4. Got Somethin' Good For You
   5. A Spire
George Adams(ts,vo), Heinz Sauer(ts), Kenny Wheeler(tp, flh), Richard Beirach(p), Dave Holland(b), Jack DeJohnette(ds)