Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

山下洋輔:Chiasma (1975) フリージャズと呼ばれた音楽をなぜかもうひとつ

山下洋輔:Chiasma (1975, MPS)
   A1.Double Helix
   A2.Nita
   A3.Chiasma
   B1.Horse Trip
   B2.Introhachi
   B3.Hachi
山下洋輔(p),坂田明(as),森山威男(ds)

 フリージャズと呼ばれた音楽をなぜかもうひとつ。

 日曜の朝、アンソニー・ブラックストンを聴いた後に聴きたくなった。山下洋輔の1975年のライヴ。ベルリンだったかな。最初から最後まで熱狂するドイツ人(ペーター・ブレッツマンみたいなオヤジだったら怖いな)のなかで、汗飛び散らし脈動する音楽。

 最初に聴いてから30年経ったのだけど、ビートという概念ではなくて、パルスというようなリズムが際だって面白いことに気がついた。そう森山威男が叩きだす正確無比なパルスが圧巻。しかも熱くならない。冷徹に緊迫している。豪快にブロウする(ように聞こえる)坂田明のプレイも、森山のパルスにあわせたパルス状の音で応酬している。面白い。

 山下洋輔のピアノもまあ快調。疾走しながら積み上げていく音を最後まで詰め切っていないような気持ち悪さが所々あるのだけど、まあ森山のパルスのあおりの中だから仕方がないか。時として煌めくような音が出るのだから、持続性が欲しいよなあ。

 それにしても曲の配列も楽しい。ダブル・ヘリックスでは山下・森山のデュオ。その緊迫感は「プロレスのように毎夜のように興業している勝負」であることを忘れさせる程。ピアノというオーケストラ並の表現力があるピアノと互角の音を出すドラム。ニタは山下のソロ。きちんと冷たい音で自己完結的な音世界を表現しているのだから、やっぱりいいなあと思う。そしてキアズマへ向かう森山のパルスの高まりが、もう堪らない。

 そんな訳でフリー・ジャズではじまった爽やかでない日曜が終わったのだけど、良い一日だったのか、駄目な一日だったのか、は内緒。