Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Hamilton de Holanda & Andre Mehmari:Gismontipascoal(2011) 微温のラテンはアルゼンチンだけでなく

Hamilton de Holanda & Andre Mehmari:Gismontipascoal(2011)
   1: gismontipascoal [andré, hamilton]
   2: são jorge [hermeto]
   3: intocável [hermeto]
   4: frevo [egberto]
   5: sete anéis [egberto]
   6: palhaço [egberto]
   7: bebê [hermeto]
   8: memória e fado [egberto]
   9: a fala da paixão [egberto]
  10: chorinho pra eles [andré]
  11: menino hermeto [hamilton]
  12: santo antonio [hermeto]
  13: lôro [egberto]
  14: o farol que nos guia [hermeto]
  15: gismontipascoal - festa [andré, hamilton]
  16: música das nuvens e do chão [hermeto]
Hamilton de Holanda(bandolim), Andre Mehmari(p) 

 弦楽器とピアノのデュオ。ブラジルの音楽。最近、SNS上でメーマリを教えて頂いたのだけど、とても今の季節に合う比較的若い世代の奏者。ここのところカルロス・アギューレをはじめとするアルゼンチンの音に惹かれていて、温帯のラテンだから微温なのか、と思っていた。このメーマリもアギューレと同じ音の世界。だから地勢的なものでなく、世代的なものかなとも、あまり意味のないことを考えている。

 このアルバムはもっと上の世代の奏者であるジスモンチとパスコアールの曲を取り上げており、更に1づつ彼らが加わっているという素敵な企画のアルバム。熱心にジスモンチやパスコアールをフォローしてきた訳ではない。だけど、ジスモンチのギターの音と音の間にある深い闇や沈黙、パスコアールから感じるradicalなfreeへの訴求にはとても惹かれる。その演奏に惜しげもなく散りばめている煌めく音の断片を再構成して、このアルバムはできている。やや小振りな世界観が気になるが、それ以上に彼らの美しい音世界にしっかりと移すことができていると思う。小振りという意味は、ジスモンチやパスコアールの音の持つ野生が洗練されているということ。

 この数日、仕事場とか家に籠って最近のブラジルとかアルゼンチンの音楽を聴き続けて、汎世界的な音楽にとても惹かれた。ジャズと良質の南米音楽の底流には同じ水が流れている。古のゲッツ・ジルベルトがそうだし、気がつくと古になってしまったショーター・ナシメント(ネイティブ・ダンサー)は言うに及ばず。パット・メセニー・グループ(PMG)にもブラジルのヴァスコンセロスとかアルゼンチンのアスナールが加わり、PMGの音に色彩を与える係であったように思える。メセニーやメイズの音は透明感が強いが、グループとしての演奏としては色彩が淡すぎるきらいがあるので。

 だからジャズの延長線のうえにメーマリの音楽もあるし、ヴィラ・ロボスの世界を通じたクラシックの世界との交差も感じる訳で、なんとも豊饒な音を聴いているなあと思う年の瀬なのです。

 それにしても南米系音楽に熱が入って、年の瀬にamazon.comやらamazon.co.jpやらhmvを随分クリックしてしまったなあ。やれやれ。