Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

奥三方山(1601m):里から遠き犀奥の山・ぶなの森で感じた怖れ


梅雨の頃、ぶなの木は水を抱え込んでいるのに違いない。ぶなの森に入ると、木々から沸き上がる湯気に驚き、そしてオーラのような気配を感じた。

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これは6/19の登山のメモ。ボクは体がとても元気だと思っているのだけど、どうもイロイロと疲れたフシがあって、その後しばらくは元気があまりなかったような気がする。何故だろうか。

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  ボクは怖れてしまった。踏み跡程度の小径がぶなの森の中を延々続く。この微かな径を帰途も拾えるのだろうか。深い森に吸い込まれるような怖れ、で一杯になった。はっきりとした登山道を歩いているときは考えもしなかったのだけど、「出来合いの軌道たる登山道」を眼をつぶって歩いている自分を改めて知ってしまった。

 このあいだセントラルパークを走っていて、「Wild Forever (いつまでを自然を)」という標識をみて吹き出した。都会の箱庭で云われてもねえ、って。だけど自分も街から伸びている路のうえをシタリ顔で歩いているだけ、を知ってしまった気分。まあ仕方がないことだけど、自然大好きのような顔をすることは止めようと思った。なんとなく、ミットモナイ。  

 前置きが長くなった。今回は友人のK君との月例山行。前回は雨で流会だったので、雪の医王山から2ヶ月ぶり。ボクも4月以来、山に登っていないので年甲斐もなく、前の晩にはワクワクしてしまった。目的地は奥三方山。犀川の源流域。一度行ってみたかった犀奥の山。なんとなく深そうな感じだから。だから深い山の中を歩きたい気持ちは十分満たされた訳だ。
  
 朝の8時から歩きはじめて、歩き終えたのは19時頃。クルマを口三方山登山口の先の車止めゲートに止めたこともあって、随分長い歩きになった(本当はゲートを開けることができて、数km先のガイドブック記載の場所までクルマが入れる)。とても長い林道、途中から自然に還りつつある廃道を歩いた。

 

一見、通行止めなのだけど、簡単にチェーンは外せます、ってことが分かったのは帰途だけど。

 

ゲートから1時間半ほど歩くと、林道が野生に還っている。 時折、残雪が見える。

 

林道はもはや草木に埋もれ、いつのまにか踏み跡を辿っていた。渓谷はいよいよ深く、残雪があちこち顔を出していた。その残雪の隙から雪解けの水が勢い良く吹き出している。そんな場所では、歩いているボクたちにも冷気が吹き付けてくる。すでに十分登山気分なのだけど、2時間以上の林道歩きの後、ようやく「登山口」についた。頂上までのあいだ、標識は、ここと奈良岳への分岐だけ。

 

 登山道にはいると暫くは急登で、高度を稼ぐ感じがすこぶる気持ちよい。一帯はブナの森。梅雨の頃、ぶなの木は水を抱え込んでいるのに違いない。ぶなの森に入ると、木々から沸き上がる湯気に驚き、そしてオーラのような気配を感じた。木の肌が微かに光っているような感じがあって、一つ一つの木の輪郭が浮かび上がるようで美しいものだった。

 早々に急登を終えて尾根伝いに右手・右手へと歩いて行く。このあたりの踏み跡がとても薄くなってきて、緊張して路を確かめながら歩くことに、気持ちが疲れてしまった。白山あたりでは考えられないくらい、人の気配が薄い。

これが森のなかの様子。

時折、残雪を越えていく。

 

奥三方山に連なる尾根に飛び出して、正直ほっとした。随分、迂回するような尾根を伝って奥三方山まで届くルートがしっかり見えたから。また犀川の源流域を挟んだ向こう側には奈良岳に連なる県境の山が連なっている。尾根の上にある鏡池のあたりは残雪の下で、あたり一面は雪田となっていた。そんな見通しの悪い尾根を伝っていくと、奈良岳の分岐をすぎ山頂に。梅雨の晴れ間だと思うと、まずまずの天気だったのだけど、奈良岳あたりの山嶺しか見えないのは少々寂しい感じだった。残雪が多いのだけど、ブヨもうるさくて、早々に山頂を後にした。

 

鏡池のあたりと、奈良岳への分岐の標識

 

 奥三方山の山頂と県境の山。ガスがあって、なんだか暗い感じ。帰りの路が正しく辿れるか、何だか不安な気持ちになっていた。

 面白いもので、下りのときは登りのときと比べて踏み跡が随分はっきりしたトレースに見えたこと。ただ随分長い道のりを辿っているような感覚は最後まで残った。多分、本当に距離があったのだと思う。登山口に戻った後も、延々続く登山道にいい加減飽きてきたし、なんだかとても長い1日となった登山だった。帰途の林道も終盤になって振り返ると奥三方山が信じられないほど遠くに霞んで見えた。山頂に立ったときより、不思議な充足感を感じた。

 歩いているあいだに遭遇したのは、単独行者1名、高年登山者のパーティ1つ。あと山菜採りの方2名。随分、静かな山だった。この山域は、深い割には標高が低いので、これからは暑くなる。来年は高三郎山に行きたいなあ、と思った。

 あと印象的だったのは、ところどころの花。

 

 

 

    行程(割とゆっくりです)
     8:10  ゲート
   10:20 登山口
   12:30 鏡池
   13:30 口三方山
   14:00 口三方山出発
   16:30 登山口
   19:00 ゲート

途中の要注意箇所は2カ所。両方とも林道の崩落箇所。左は土砂崩れの後を高巻いているところ(帰途)。渓谷の断崖まで滑り台状態で少々緊張。右(これも帰途)は昔からの崩落箇所で岩にステップが切ってあり、またロープもあり高度感はあまりない。