Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

大船から二宮へ:1年ぶりに湘南から西湘へ走った朝


お昼より随分前に走り終えて、鵠沼の友人宅で昼食を頂いていた。

窓は開け放たれているのだけど、風は吹き込まず、ただゆっくりとした空気の流れ、のようなものを感じた。大気は乾いているのだけど、その肌触りは優しい。そして温かみを感じるほどではないのだけど、皮膚の奥に熱気を隠したような人肌のような感触。なんだか懐かしい。もうすっかり過去の記憶のなかに仕舞ってあった、初夏の湘南の地の肌触り。そんなことに思い出し笑いをするような気持ちでずっと過ごしていたかった。走ることも、こんな気持ちで過ごすための仕掛けの一つだった。

朝5時前、薄暗いなか目覚めた。始発のモノレールが江ノ島に向けて走り出す音を聴きながら、これからの時間のことを考えていた。大体は大磯まで走るのだけど、モノ足りない。小田原まで走るには時間がない。だからせめて二宮まで走りたいと思った。出発は5時45分。すっかり明るくなっていた。

長い距離を走り出すときの気持ちがとても好きで、不安な気持ちを纏いながら、走っている途中で少しずつ振り落としていく。あまり速く走らないで、5分半/kmくらいで,ゆっくり体を暖めていく。江ノ島が近づくあたり,大船から8km近くではすっかり気持ちが晴れていた。

人がまだ少ない江ノ島あたりの路を、長い影を引きながら走る。6時半には江ノ島の水族館裏で鵠沼の友人と落ち合い、海岸沿いを西に向かう。このあたりは初夏の雰囲気。海の家の建設がはじまろうとしていた。

ボクは山好きなのだけど、走るときは海岸沿いが楽しい。遠くにみえるランドマークがゆっくり近づき、並び、そして背後に消えていく。そして、ふと思い出して振り返ると、指指した向こうに陽炎のようにゆらいでいる。また湾から湾へ抜けていく度に、流れ込む流れが違うのか、磯の香りの濃淡をはっきりと感じる。そんなことを考えながら走っている。茅ヶ崎で大船から15kmくらい。やはり6分弱/kmくらいで走り続けていた。

もっともツーリング感覚の楽しい走りを狙っているので、景色の良いところでは休んで景色をみる。正面に烏帽子岩をみるあたりでは、江ノ島は随分小さくなっていて、海の上で漂っているのが面白い。そして海越しに見えていた湘南平がいよいよ目の前に近づいてきた。

湘南大橋を過ぎると平塚。海岸沿いの道路の整備が悪くて休憩所(箱根駅伝の平塚休憩所)まで134号線沿いを走る。この平塚あたりから小田原の標識が出始めて、なんだか西湘に近づく感じがとても楽しい。休憩所で22km。水分を摂って、バナナを食べて休憩。何も考えないで海をみていた。

休憩所を抜けると、もう西湘バイパスの入口。暫くは高架下を走る。高架越しにみる海はどんどん大きくなっていて、相模湾というより太平洋そのものという光景。空も高く大きい。よくわからないのだけど、大磯あたりから感じる開放感って面白いね。

高架下から西湘バイパス脇のサイクリング道、といってもランナーばっかりだけど、に入っていく。駆け上がるときの昂揚感っていいなあ。

僅か数kmのサイクリング道なのだけど、伊豆まで見渡せ、風が吹き抜ける中を走り続ける。西湘をゆっくりと味わう。

この道の端が大磯プリンス。なんだか眠ったような昭和のモニュメント。その辺りから旧東海道にはいり、ところどころの松並木をみながら走りがもうすぐ終わる寂しさと、もう走らなくてよい安堵感、だんだん意識にあがってきた疲れを感じながら二宮駅に駆け込む。二宮の標識には静岡の文字がみえていた。

10時前には二宮から東海道線の上りに乗って大船へ。大体4時間で大船から二宮の30km。走ったのは3時間。休憩1時間。実に気持ち良く湘南から西湘への海岸線を走ることができた。