Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Jim Hall: It's nice to be with you(1969)ボクにとって素敵なジャズとは

Jim Hall: It's nice to be with you(1969,MPS)
   A1.Up, Up and Away
   A2.My Funny Valentine
   A3.Young One, for Debra
   A4.Blue Joe
   B1.It's Nice to be With You
   B2.In a Sentimental Mood
   B3.Body and Soul
   B4.Romaine
Jim Hall(g),  Jimmy Woode(b), Daniel Humair (ds)

少しだけ忙しい用事、頼まれ仕事で1時間ばかり話をする、の準備で自宅仕事。といっても、LPレコードを取っ換え引っ換えだから、仕事の進みは遅い。狭い部屋の真中に置いた胡桃のテーブルに座って、ストーブをかけて、LPをかけて、コヒーをのみながらPower Pointのファイルを眺めるのもわるくない。なんとなく気持よく時間が過ぎている。

そんなときには感性を大きく振り回したり、遠くに連れて行くのではなくて、時間が少しでもゆっくりと流れるような音がいい。そんなボクにとって素敵なジャズとは,と考えると,真っ先にこのLPを思い浮かべる。ジム・ホールがドイツのMPSに吹き込んだ一枚。ベルリンでの録音。

音数は決して少なくない。技巧もない訳でない。そんな余計なコトを全く感じさせずに、そっと寄り添うような静かな音が静かに揺れる感じ、ときにふっと連れていかれるのだけど,頭を降ればまたモトに何もなかったように戻る。味付けは京風の薄味、のようなジャズ。といっても淡泊なのは見かけだけで、何とも内面的には案外強烈だったりする。そんなジャズがいいなあ。

ジャケットを見ると既に1969年のジム・ホール笠智衆じゃないけど老け役の感じ。でも39才なんだよね。2006年だったか,フィラデルフィアに仕事で行く途中、さぼって行き帰りにニューヨークで泊まった。そのときにVillage VanguardJim Hallを聴くことができた。このジャケットより「少し」老けた感じの彼、76才、が、同じように淡々と弾いていた。40年近い時間がそのまま変わらず音になって流れてきた。とても嬉しい思い出。やはり素敵な音で、JET LAGに誘われるままに楽しく微睡んでしまった。

ベースの Jimmy Woodeはよく知らない人なのだけど、山下洋輔が欧州ツアーのときに出会った話があって記憶に残っている。早くに亡くなったハンプトン・ホーズのことを語り合った、ような話だったかな。どうでも良いことだけど、古いLPレコードをかけていると海馬体も同じようにレコード針でトレースされるようだ。

追記:大船に住んでいた頃、観音様の近くに笠美容院というのがあって、笠智衆をときどきみかけた、という話があった。寅さんを見るたびに思い出す。それにしても、記憶のなかが死者だらけになっていくなあ、としみじみ。ジム・ホールは健在だろうけど。