Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

笠井紀美子: Tokyo Special (1977)スペシャルであって欲しいとおもうのだけど

笠井紀美子: Tokyo Special (1977, CBS Sony)
 作詞:安井かずみ
   A1.Vibration ( Love Celebration ) 作曲:山下達郎
   A2.やりかけの人生 作曲:鈴木勲
   A3.夏の初めのイメージ 作曲:筒美京平
   A4.Very Special Moment 作曲:横倉裕
   A5.人はそれぞれ(Just Another Love Song) 作曲:横倉裕
   B1.Tokyo Special ( Manhattan Special ) 作曲:森士
   B2.木もれ陽( Sequoia Forest ) 作曲:森士
   B3.Take Me 作曲:鈴木宏昌
   B4.待ってて( Laid Back Mad Or Mellow ) 作曲:矢野顕子
笠井紀美子(vo)
コルゲンバンド:鈴木宏昌(key), 松木恒秀(g), 岡沢章(b), 市原康(ds), 山口真文(ts), 穴井忠臣(per)
村岡建(ts),羽鳥幸次(tp,flh),数原晋(tp),新井英治(tb),福井惠子(harp)
大野忠明グループ (strings),伊集加代子(back vo),尾形道子(back vo),和田夏代子(back vo)
A4,B1:日野皓正(tp),A2.鈴木勲(cello)

TVを消して暮らしている。知りたいことは分からなくて,知らなくて良いこと,あるいは「知る」というコトバで括られる知覚に分類されない「コト」が垂れ流されている。末法的世界の空気だけが流れてくるから。

ボクたちが、もはや今までと違う世界に意図せず漂流しはじめた感覚があって、その気持ち悪さに,呑まなくても酔ったような面持ち,あういは呑まなくても酔ったような面持ち,になっている。TVを消したって逃げることができる訳じゃない。何か膜のようなものに覆われて,モノゴトがよく見えないし聴こえないような。2001年宇宙の旅、のような空間かもしれない。2001年はとうに過ぎて、そんな21世紀の第二Decadeのはじまり。HALではない何かが、くるいはじめているような。

深夜そんな気分になってしまったのだけど、ターン・テーブルに載せたLPレコードは、笠井紀美子のTokyo Special。昨秋に買ってから放置していたもの。今になって、ジャズを聴きはじめた30年くらい前の日本のジャズが再び気になっているのだ。特にFusion(当時はCross over)系の音楽はあまり聴いていなかったから。しかもヴォーカルは駄目だったので、ボクからは遠くの音楽。

笠井紀美子は当時から何となく気になっていて、というのは油井正一のFM番組(だったか?)で、ハービー・ハンコックとの共演盤:バタフライが流れて、それがとても粘っこくて、コクがあって、油っぽいのだけど、一度食べてみたいような美味しさを感じたから。まだそれを覚えていて、ディスクユニオンのLPレコードの棚で探し続けているのだけど。代わりに買ってきたのはコレ。

全曲が亡き安井かずみの作曲(と書いて加藤和彦自裁を思い出した)、作曲はいろいろ。ボクには鈴木勲の曲がとても格好良くて、矢野顕子(デビュー当時!)の曲がどう聴いても矢野顕子なのに驚いた。面白い。当時、日本のジャズは米国の借り物から日本独自の音へと飛翔中だったのだけど、このアルバムではそれが綺麗に結晶と化しているように思う。日本語の歌詞と緩い電気音の甘い結晶。

どこかで何かが起きている...逃げるかつかむか捨てるか...すべてをのみ込むTOKYO...それでも明日は続く  (安井かずみ詞:Tokyo Special)

今や日本のすべてがTokyoと化して、すべてを呑み込んだ。そして弾け飛びつつある。それでも明日は続くのだけど、そのあり方の見えない様に目眩を感じるような日々がはじまっているのだ。もっとも、嘆いたって、すねたって、仕方がないから、一生懸命働いて生きているのだけどね。それしかできないから。せめて、これから起こることが、われわれにとってSpecialであって欲しいとおもうのだけどね。

Vibration(曲:山下達郎

 

やりかけの人生(リンクのみ,曲:鈴木勲)

http://www.youtube.com/watch?v=JZoUHuMTQos

待ってて(曲:矢野顕子