Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Joao Gilberto: Live In Montreux (1985) 春も秋も聴いているのだけど

Joao Gilberto: Live In Montreux (1985, Nonesuch)
   1. Sem Compromisso
   2. Meni Do Rio
   3. Retrato Em Branco E Preto
   4. Pra Que Discutir Com Madame
   5. Garota De Ipanema
   6. Adeus America
   7. Estate
   8. Morena Boca De Ouro
   9. A Felicidade
  10. Preconceito
  11. Sandalia De Prata
  12. Rosa Morena
  13. Aquarela Do Brasil
1985年のモントルージャズフェスティバルでのライヴ

春暁  孟浩然
春眠不覺曉
處處聞啼鳥
夜来風雨聲
花落知多少

この数日の金澤はたくさんの雪の見返りのような蒼空のボーナスを貰っている。気温は必ずしも高くはないのだけど、気持ちは春眠不覺曉。寝床でもぞもぞしながら本を開いたりして、遊んでいる。なんだか忙しい時期から弾みがついたように呑んでいるから、なのだけど。

そんな北陸とは思えない暖かで緩やかな空気のなか、ジョアン・ジルベルトが運んでくる気だるい空気がなんとなく上手く溶け込んでいる。やはり寝床の中で聴くと少し嬉しい気持ちになれる。なかなか覚醒しなくて済むからね。もっとも、そんなヘリクツと関係なく、春も秋も聴いているのだけどね。

ジルベルトはStan GetzとのGetz/Gilbert(1963,Verve)で聴いてから、すっかり取り込まれていて、レコード屋で見かけたら手にしている。ガツガツとコレクター的な蒐集すること自体、ジルベルトの音楽と合わないような気がして、出会った持って帰る。そんな感じで、ここ20年ほど付き合っている。

ボクは初期のアルバムJoao Gilberto(1961)が好きで、繰り返し・繰り返し聴いている。なんだか無限連鎖のような音のなかに浸っているときもある。ギターと唄、そして本当にささやかなパーカッションが添えられている。もう50年も前の録音なのだけど、近年の東京でのライヴと何も変わっていない。ある種の普遍性に満ち溢れた音楽、ジャンルを問わず、に共通な味を持っている。ご時勢とあまり関係がないのだ。素晴らしい。

これは1975年のモントルーでのライヴ。マイルスはハービーのファンクが過激化していた時代なのだけど、このライヴ録音からは時間や時代と関係なく、ジルベルトの極めて個人的な、私的な音楽が紡がれている。観客もそれを望んでいることが、音の隙間から伝わってくる。

仕事場の窓から見える真っ白な医王山があかね色に染まるこの時間、独り部屋で聴いていると、とても気持ちに合う一枚なのだ。ボクはあの時のモントルーの観客と一緒にいるのだ。