Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Joni Mitchell: Shadows & Light (1980) ジャコを聴き、そして観るためのアルバムだったのだけど

Joni Mitchell: Shadows & Light (1979,Asylum)

1. In France They Kiss On Main Street, 2. Edith And The Kingpin, 3. Coyote, 4. Goodbye Pork Pie Hat

5. The Dry Cleaner From Des Moines, 6. Amelia, 7. Hejira, 8. Black Crow, 9. Dreamland

10. Free Man In Paris, 11. Furry Sings The Blues, 12. Why Do Fools Fall In Love, 13. Shadows And Light,

14. God Must Be A Boogie Man, 15. Woodstock

Joni Mitchell (vo,g), Don Alias (ds), Pat Metheny (g), Jaco Pastorius (b), Lyle Mays (p,key) ,Michael Brecker (ts) etc

ボクはあまり柔らかい音楽ファンでもなくて,あれこれ聴くのではなくて殆どジャズの殻に籠って聴いてきた。凝り性というか好きモノなので広げると果てがない。破綻の抑止本能でもある。最近のジャズからの浮気の激しさを思うと,迂闊に手を出すモノでもないなあ、とつくづく思う。机の上にCDが溢れかえっている。ボクにとってのJoni Mitchellはジャズの殻からはみ出したものではなくて、ジャズのなかで聴き始めたもの。

ジャズからはみ出ているようで、はみ出ていないような不思議な音楽がJoni MitchellのShadows & Light。1979年の全米ツアーのライヴ。ジョニ・ミッチェル以外は豪華ジャズミュージシャンが揃っている。ヴィデオも古くからリリースされていて、麻薬渦の果てにガードマンに撲殺したジャコパストリアスの数少ない「動く」音源だった。書きながら思い出した。ジャズファンのボクがその映像の存在を知ったのは1984年の夏休み。当時買いたてのVT250Fにまたがって、神奈川から大阪に帰省する途中、酷暑の京都の母校に立ち寄った。ヘルメットからしたたり落ちる汗が今さらながら思い出される。大学の構内でたまたま大学院に進学した同級生と出会ったので話をした。当時、発売されたばかりの高価なレーザディスクプレイヤー(当時で20万円くらいだった!)を買って、Shadows & Lightを「観ていて」、LPには入っていないジャコのソロが素晴らしい云々....ちょいとばかり悔しい思いをしたものだ。事情あって大学院進学が出来なかったこともあって。そのジャコのソロはVHSのヴィデオでも割愛されていたこともあって、実際にみたのはいつ頃だろうか。1995年頃だったかなあ。見てしまえば、まああんなものかなあ、ということなのだけど。

Joni Mitchell: Shadows and Light (DVD)

 

Jazzファンがジョニミッチェルの存在をジャズのコンテクストのなかでの位置づけを気にしだしたのは1980年の頃だろう。アルバム「ミンガス」で、その頃に亡くなったミンガスへの追悼盤を出して、ジャコパストリアスとかウエィンショーターと共演したから。ジョニとミンガスの取り合わせの意外さが話題になった。ミンガスといえば、音楽上の政治主張で公民権運動との関係で語られることが多かったから。ボクはその手のジャズ(ローチのWe insistsとか)は胡散臭い感じがして、聴かなかったけれど。だから白人のジョニとの関係が話題になったのだ(もっともミンガス夫人は白人だったと記憶しているが)。その頃のSJ誌のなかで、ベーシスト金井英人さんが力瘤を込めて否定していたことが印象深い。要は,ジャズとして扱うか否か、の論争。今にしてみれば馬鹿馬鹿しい。ラベルの張り方の話だから。

今にしてミンガスやシャドウズ アンド ライト(青春の光と影)を聴いていると、はっきり分かることがある。あたりまえなのだけど、これらはジョニ・ミッチェルのアルバムであり、共演者は共演者に過ぎない。だけど素晴らしい共演者を得て、新たなジョニの世界が広がっているということ。ジャズの世界で偉大なあれらの演奏家を率いて、自らの作品の色を創りだす能力のすばらしさ。ボクも今ではジョニのアルバムとして楽しみ、コラージュされたパットの軽やかなギターの音、胎動するジャコの低音、破錠前まで駆け上るブレッカーを密やかな気持ちで待っている。

最近聴くジョニは近くのバーで。コート・アンド・スパークとか古いLPレコードをかけてくれる。ジャコやパットが入っていなくても、その音世界にすっかり魅了されていることに気がついた。一旦アルバムがかかってしまうと帰ることができない。少しだけ、かのバーの売上プラスになっているんじゃないかなあ。

ちょっとクラシックに浮気中なので、なかなか力が入らないのだけど、ジョニの初期のLPアルバムも集めてみたいなあ、と思うこの頃。いろいろな意味でタガが外れたような日々を送っているので危ない危ない、なのだけど。音楽を聴くことは、これだから止められない。

youtubeで少しだけ:

http://www.youtube.com/watch?v=z7MCf7Ga3wc&feature=related