Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

剱岳(2999m):憧れの「岩と雪の王国」に登った後は台風に追われた


実に久し振りに北アルプスへ行った.15年前の3月に雪倉岳(白馬岳の北)に山スキーで登って滑降して以来.その前が18年前の唐松岳から朝日岳への縦走だから,本当に久し振りなのである.今年,登山を再開してから徐々に難易度を上げて,憧れの剱岳に登ることができた.久方振りの岩稜地帯の踏破は思った以上に手強く,というより体や気持ちがすっかり忘れている状態での岩場での取り付きは怖かった.しっかり剱岳の胸を借りて,修行させて頂いた感覚だった.だから山頂からの帰途は,岩場での肢体の伸びも良く,恐怖心も和らいで,適度な緊張感のもとに快調な足取りを得た.体力的には15年前の200%以上の感覚なので,本当に快適な登山となった.ただ,3日目に台風が日本海通過したため,強風圏に入る午前6時までに,剣山荘から室堂まで駆けるというハプニングまでついて,大いに緊張感と体力を要する山行となったが,楽しかったなあ.

(1)初日
関東から来る仲間の到着が早くないので,この日は立山・室堂まで.2400mまでバスで上がる,典型的な「いんちき登山」なので体を持てあますが,午後からは雷雨だったので適切な計画.宿泊は雷鳥荘.窓からは剣御前が一望.それに久しぶりの白濁した温泉.最近の地下1000mから汲み出した「暖かい地下水」とはお湯の力が違う.この眺望と檜風呂だけで宿泊価値はあった.観光地の旅館と考えると,部屋は綺麗じゃないし,食事は品数は多いが,ちょっとまあ,といった内容だけど,立地と温泉で許せる感じ.これで星が見えたら完璧だったのだけど,雷雨の後も雲が多く,残念だった.
ボクが持参した酒一升,友人の泡盛で,運動量僅少の酒盛りで何とも締まりのない初日だった.


雷鳥荘外観                雷鳥荘の裏は地獄谷.硫黄の匂いぷんぷん

(2)二日目
この日の行程は立山・室堂から剣山荘まで行き,そこから剱岳往復.案外の長丁場.
5時過ぎ 雷鳥荘(2400mくらい)から雷鳥平(2277m)まで下り,
6時半 別山乗越(2790mくらい)まで登る.快適な登りで,ぐいぐい高度を稼いだ.
雷鳥荘から雷鳥平のテント場を見下ろし,正面に別山乗越を臨む

8時頃 ゆっくりと下って,幾つもの雪渓を渡って剣山荘着.

天気は案外良く,雲が流れる.     別山乗越から地獄谷の方向をみる


別山乗越を越えると幾つもの雪渓が現れ,久しぶりにヴィブラムの底に固まった夏の雪の感触を得た

別山乗越あたりから時々,富山湾能登半島が見える.嬉しい高度感の演出.尾根から少し下った剣山荘

8時半 剣山荘を出発し,一服剱(2618m)に.一服剱から見る前剣は高度差と上部の岩稜の切れで,圧倒的な存在感を誇示していた.気持ちが負けそうな山をみたことはそうそう無い.実際に登ると,案外大丈夫だったのだけど,やっぱり久方振りの北アルプスだったから,弱っていた感じ.


一服剣から見る前剣

9時半に前剱(2813m)に至り10分ほど休憩.ここから先の別山尾根は岩稜地帯を縫い,岩場,鎖場の連続.慣れていないので喉がからからになる緊張感を強いられた.


岩稜地帯を縫う. 足元はすぱっと切れているところも多い


こんなトコをぐいぐい登る.ほぼ垂直に感じた.

11時過ぎ 剱岳山頂(2999m)着.地図でみる高度差よりもアップダウンが激しく,存外に時間がかかった.終始,山頂近辺は雲がかかってすっきりしなかったが,雲は薄く,明るい感じで良かった.


別山尾根の様子.山稜が折り重なる. 山頂は雲の中だったが,明るく,気持ちが良かった.

12時前 山頂を出発.途中の下り用鎖場は高度感たっぷり.切れ落ちた箇所で,足をおろして足場を探す処では喉が再びからからになってしまった.折しも,小雨が降り始め,鎖がツルツルだったので慎重なムーヴを要した.その後は天候も回復し,登りの緊張感もウソみたいな快適な下りとなった.途中でのんびりコーヒーを呑んだり,とても楽しい気持ちになった.
14時過ぎ 剣山荘に下りた.


剣山荘ではお決まりの一杯. 呑んでいるテーブルからは鹿島槍(?)が綺麗に見えていた.

(2)三日目
二日目の夕刻から剣山荘の窓は板を取り付け,台風準備となった.停滞すると,外も見えない山荘で終始過ごすことになる.台風のルートは日本海北アルプスに影響を及ぼすのは午前6時頃からのようだ.そのような判断から,3時に起床し,
3時30分に出発し,6時までに室堂に戻ることにした.5時過ぎの剣山荘あたりは,やや風が強いが,雲は高く,想定通りの様子.剣山荘から別山乗越までは,暗闇のなかで雪渓の徒渉点を見つけることに往生した.あとは小走りで雷鳥平を目指した.6時前から雨が降り出したが,室堂手前.無事,台風来襲前に北アルプスから脱出できた.バスに乗る7時過ぎには,強い雨だったので,ほっと胸をなで下ろした.