Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Sylvain Luc & Bireli Lagrene "Duet" (2000) ラグレーンから小川国夫までの脳内連鎖


Sylvain Luc & Bireli Lagrene "Duet" (Dreyfus)
1. Time After Time 2. Douce Ambiance 3. Estat 4. Made in France 5. Ballade Irlandaise
6. Isn't She Lovely 7. Road Song 8. Zurezat 9. Stompin' at the Savoy 10. Amoureux des Bancs Publics
11. Blackbird 12. Syracuse 13. Looking Up
Sylvain Luc(g), Bireli Lagrene(g)
2000年録音  米Amazonで試聴可能

今日は久々によく晴れて気持ちの良い一日だった.こんな日には,何となくヨーロッパのジャズがよくて,Sylvain Luc & Bireli Lagrene "Duet" が気持ちに引っかかった.

前の仕事の仲間(日本人です)がフランス ブルターニュに住んでいた.ブルタニューはフランスだが,ブルトン人の土地のような意味で,"フランス 人"の土地ではないケルトの地.人々は日本人より小柄.クレープも蕎麦で真っ黒.Irishウイスキーのような結構美味しい地ウィスキーまである土地柄. 意外と高緯度で,夏至の頃に出掛けたときの夕暮れはとても遅く,弾けるように楽しそうなケルトの民に混じって呑むのは,本当に楽しかった.その頃 (2000年頃)に,その友人から貰ったのが"Duet" .Sylvain Luc とBireli Lagreneのギターデュオ.暖かいインタープレイが続いている.Bireli LagreneはDjango Reinhardtと同じロマ(ジプシー)のギタリストだそうで,そのような”香”を期待して聴くと,何となくそのような気になってくるから不思議.

Bireli Lagreneを知ったのはJaco Pastoriusの没後リリースのなかの,"Live in Italy".酔っぱらってベトナム人の警備員に撲殺されるちょっと前の欧州ツアーでの演奏.期待していなかったが,案外いい.Jacoはこんな感じで復活して 欲しかった.このなかのBireli Lagreneは切れのいいプレイで,Jacoより巧くのせている.ボクはJacoのBoot紛いの音源についてはあえて買う必要はなくて,正式リリースされたものだけで十分だと思う.この録音もギタートリオという点で面白いが,Jacoが本領を発揮,という訳にはいっていない.


Jaco Pastorious: Live in Italy (Jimco)
1.Improvisation, No. 1/Teen Town 2.I Shot the Sheriff 3.Continuum
4.Fannie Mae 5.Black Market 6.Satin Doll
Jaco Pastorius(b), Bireli Lagrene(g), Thomas Borbicz(ds)
1986年録音,米Amazonで試聴可能

話が全く飛んでしまうが,ボクの頭のなかでこのあたりの音楽と小川国夫の”アポロンの島”の場面が不可分に結びついている.先般読んだ福田和也の通知表のなかで小川国夫の点は辛いが,アポロンの島のなかの,乾いた,少し埃っぽい欧州の光景は忘れがたい.そのなかで,酒場でのアルコール中毒のボクサーの場面がある.子供をなくし,妻を安南人(ベトナム人)に寝取られた男.舞台回しのパーツが,ベトナム,ボクシング(撲殺),家庭喪失,酒など.ミルコウスキーの”ジャコ・パストリアスの肖像”に書かれたジャコの最期と共通なのだ. だから脳内連鎖でラグレーンから小川国夫までつながってしまうのだ.

そんなことをつらつら考えながら,一日の終わりを過ごしている.