Kanazawa Jazz Days

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ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Eric Dolphy :Last Date (1964) 僕が10枚を選ぶなら,の意味


Eric Dolphy "Last Date" (Fontana)
    1. Epistrophy 
    2. South Street Exit
    3. The Madrig Speaks, The Panther Walks 
    4. Hypochristmutreefuzz 
    5. You Don't Know What Love Is 
    6. Miss Ann
Eric Dolphy(bcl,fl,as), Misja Megelberg(p), Jacques Schols(b), Han Bennink(ds)
1964年6月 オランダにて録音

誰もが認める60年代ジャズの名盤. 僕が10枚を選ぶなら,必ず入れる1枚.演奏の良さだけでなく,Last datesを過ごすDolphyの最後の1枚(本当はICPから海賊版紛いが出ているが)ということも,演奏の裏側の物語となり,聴く側の気持ちを昂進させていく.

だから一曲一曲ドルフィーが命の階梯を駆け上がるのを見るような気持ちで聴いている.行き着く先は虚空であり,音も人も気がつけば雲散霧消し ているのだ.演奏の後のDolphy自身のナレーションWhen you hear music, after it's over, it's gone in the air. You never capture it again. そうnever captureということは,振り返っても人生の瞬間は戻ってこないという”頭でしか分かっていないこと”を改めて思い起こさせる.Last Dateを聴きながら,そんなことを考えている.

だけど「 僕が10枚を選ぶなら,必ず入れる1枚」であるのは,そんなことではなく,ジャズを聴くときの快感指数から選ぶ1枚だから.Misja MegelbergやHan Benninkの微妙に所謂ジャズから逸脱した,変態的なドライブ感がとても気持ちよい.伝統フォーマットを借りながら,美しく咆哮するDolphyの音(僕はいつも,鳥のさえずりのように思える)を軽やかに包んで全く違う次元のジャズ世界に連れ出している.表向きの方法論としての前衛性よりも,遥かに彼方の音世界の扉を叩いているように思えるのだ.

だから,時としてDolphyを聴き,時としてMisja MegelbergとHan Benninkとを聴くような聴き方をしている.Misja MegelbergやHan Benninkの音世界は未だ生きていて,このセッションが決してLast Dateでないことを,僕に知らしめているのだ.

(Misja MegelbergとHan Benninkについて,引き続きアップします)

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