Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Red Mitchell :Bass club(1979) 鈴木勲のピッコロベースがうたう


Red Mitchell "Bass Club" (Paddle Wheel)
    1. Opening Of Bass Club
    2. Perdido
    3. Polka Dots And Moonbeams
    4. Embraceable You
    5. Yesterdays
    6. Alone Together
    7. Blues In The Closet
    8. Closing Of Bass Club
Red Mitchell(b),鈴木勲(なんとピッコロベースというチェロとベースの中間,とても楽しい),山本剛(p).
1979年録音,キングレコード
日本アマゾンで試聴できます

来日したRed Mitchellがベース,鈴木勲がピッコロベースを引き,バックに徹した山本剛がピアノを弾いている日本制作盤.僕はリアルタイムにLPレコードで聴いて気に入って,以来30年,ターンテーブルに高頻度で乗っかっている.とにかく理屈無用に楽しい一枚.アルバムタイトルは当時存在したジャズのベース奏者クラブだそうで(ライナーノート読んでふーんと思ったが,ホンマかいな).当時のキングレコードの国内制作盤は素敵な録音が多くて愛聴盤が多い.あのジョージ川口のただひとつの一枚もPaddle Wheel.よくうたっているベースが堪能できる.また山本 剛のピアノもコロコロと小気味良く楽しい.

70年代に何となく日本ジャズという,米ジャズから程よい距離をとったジャンルができたような感覚がある.山下洋輔菊地雅章,日野皓正とともに,鈴木勲や山本剛もほんとうに気持ちに染みるような日本ジャズだなあ,という聴こえ方がする.僕は鈴木勲では,有名なBlue cityやBlow upも勿論好きだが,少人数の録音もとても好きだ.富樫雅彦との”陽光”,菅野邦彦との”Sincerely yours”とか,全てキングレコードのPaddle Wheelレーベル.当時,East Windレーベルは終息,TBMレーベルは一服していたから,一番楽しいレーベルじゃなかったかな.

レコード屋(と云わないかな?)で鈴木勲の盤を久方ぶりに手にしたのは,やっぱりデュオ.相方は,かつて梅津和時と生活向上委員会(略して”せいこうい”,僕の学校にもきました)を演ってた原田依幸(ピアノ).村上春樹はあまり悪口を本に書かないヒトなんだけど,原稿流出の安原顕よりトーンは1万倍くらい低いが,「六本木で原田依幸に絡まれた」と書いてあるのを読んで,笑った.僕は原田依幸のピアノの切れ味が好きで梅津とのドイツでのライブは大名演と思っている.だから手にしたのだ.


鈴木勲,原田依幸 ”6日のあやめ”
off note record 1995年のライブ録音

モノクロームのジャケットが何となく日本,それも中央線沿線.一見(一聴?),静かなピアノとベースの応酬は期待を裏切らず,深いインプロビゼーションの世界に入っていくプロトコルにぞくぞくしたのだった.

最後に鈴木勲の「怪盤」として知る人ぞ知る「自画像」.これもPaddle Wheel.ベースで淡々とソロ,なんて枯れた演奏ではない.20種類以上の楽器を繰って多重録音.歌までうたう.入手して聴いて唖然としてお蔵入り,だったのは所謂ジャズの範疇を大きく逸脱していたから.あれあれ,おやまあ,という感じだった.最近,再び聴いてみたら違和感はあまりなくて,Eberhard Weberとかベーシストの方々が紡ぐ夢の音の形だったのだなあ,と30年経て気がついたのだった.

鈴木勲 ”自画像”
,1981年録音,Paddle Wheel
日本のアマゾンで試聴できます