Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

jazz: 菊地雅章

菊地雅章:Love Song (1995) おしまいもはじまりもない

おしまいもはじまりもない語り、を聴いているような気分だ。時間すら、止まってしまいそうな、柔らかな空間のなかにある。他のソロ、特に最晩年の黒いオルフェと比べると、やや音が暖かい。包み込むような優しさがある、ように感じる。 確かに、モンクのよう…

Oliver Nelson, 原信夫&Sharps & Flats: – 3-2-1-0 (1969) 1960年代の思い出(菊地雅章関連アルバムだけど)

ボクの子供時代、1960年代は高度経済成長の時期と云われるが、同時に戦後の外貨統制が次第に緩くなっていく時期でもある。1960年代後半には、ほぼ貿易の自由化は行われ、海外旅行の自由化も行われた。都市近郊の農地が宅地化するとともに、富裕農家が出現し…

菊地雅章: M(1997) 端麗な音

ふっと思った。端麗な酒は軽く、水のように流れる。それは水に希釈されたようなものだろうか。ただ流れるだけのために、あるのだろうか。だけど、流れた後の匂いや、淡い感触がもたらす大袈裟でない愉悦は、日本酒とともに過ごす時間にある。 このアルバムも…

Gil Evans: Gil Evans Live At The Royal Festival Hall London 1978 (1978) 菊地雅章のパーカー

これも、お茶の水購入盤。最近になって持っていないことに気がついたもの。同じライヴの別テイクがMole jazzから出ていて、混乱していた。パブリック・シアターとあわせ、菊地雅章参加盤なのだ 公式盤としては、Now comes the time以来らしいが、続々出るこ…

菊地雅章: Aurora (1986-1988) ススト後の1980年代

1981年のSustoとOne way traveller のグルーヴ感に驚喜していた。アガルタで最高にアヴァンギャルドなグルーヴしていたマイルスバンドを、さらに洗練したような音だったからだ。1980年代に復活したマイルスのバンドには、そんな空気は微塵も残っていなかった…

Paul Motian Trio 2000 + One – On Broadway Vol.4 Or The Paradox Of Continuity (2005) ある夢想そして今のジャズ

昨夜、タイソン・ショーリーのアルバムを打たれたように聴いていた。柔らかな音響空間の素晴らしさ、とともに、ボクのなかではポール・モチアンと菊地雅章の姿が遠くに見えていた。 特に最晩年の菊地雅章の録音、ECMから出たモノ、が作り出す、少ない、選ば…

大野俊三: Something's Coming (1975) あの頃のファンク(裏マイルスというか)

菊地雅章蒐集で入手したCD。さすがにLPには固執しなかった。3曲目にのみ菊地が入っている。 事前に他のcreditを確認しなかったが、凄い。マイルスのアガルタ・パンゲアの年んのアルバムで、レジー・ルーカスやセドリック・ローソンが入っている。内容は、あ…

菊地雅章: All night,all right,off white boogie band (1989) 断片化したファンクのカケラの集積

何回も書いたが、菊地雅章のリアルタイム体験はSustoの米Columbiaからの発売で、あの「甘酸っぱい匂い」がする輸入盤、菊地雅章のSustoが店頭に山積みされた。それが最初で最後の、「景気の良い場面」ではなかろうか。 再確認と発展(1970)からの「電化ミニマ…

菊地雅章の客演アルバム: 渡辺貞夫、ギル・エヴァンスそしてポール・モチアン

今度は客演編。ボクにとって思い出深いのは、ギル・エヴァンスのパブリック・シアターでのライヴ。ギルの数多いアルバムの中でも名盤中の名盤に菊地雅章が出ている。またこの時期(1970年代後半)は、彼にとっての高揚期に違いなく、渡米後数年で、隠遁した…

菊地雅章のアルバム(CD時代編)リーダ作、準リーダ作のリスト、全部は揃っていないけど

昨日の記事の続編で菊地雅章(CD時代)のリーダ作、準リーダ作のリストを掲載する。 レコード時代と違って、全ては持っていないが、持つべきアルバムは持ったと思っている。どうでもいいかな、と思っているのは、元来レーザーディスクのBGMであったらしいシ…

菊地雅章のアルバム(レコード時代編)とりあえずリーダ作、準リーダ作はレコードで揃えた。

レコード時代の菊地雅章のアルバムを並べてみた。1970-72に集中していて、凄まじい数。またレコードからCDに切り替わる時期は、アルバムをさほど作っていない。だから、切れ目は明確。要はスストの後の沈黙が長いのだ。 ここではリーダ作、リーダ作に準じた…

菊地雅章: 再確認と発展(1970) 何ものかのようで何ものでもない

何ものかのようで何ものでもない音楽、だと思う。いつだったか、youtubeの音源へのコメントを見ていると、菊地は電化マイルスのコピーだよ、と海外の聴者からの書き込みがあった。確かに、そのように感じる部分もある、しかし、具体的に何処がマイルスのコピ…

菊地雅章:All about dancing mist (1970-71) 日本のジャズの熱気の缶詰

先日、クルマのなかに流れる音楽(iPODでランダムにしている)を聴いて、誰だろう、って思った。1970年過ぎのマイルスだよな、って思った。でも、なんか空気感が違うので、画面を見ると菊地雅章のOne way Travelerだった。菊地雅章は1970年代マイルスの音楽…

先週末に届いていたCD/LPレコード

金沢に帰ったらポストのなかには不在時の配達票。仕方がないので深夜の郵便局まで。郵便はそのように受け取れるし、ヤマトのセンターは近所なので受け取りは容易。サガワはセンターは遠いし、やや配達に難があるので、受け取りに苦労する。 届いていたのは高…

銀巴里セッション(1963)そして日本のジャズ(最近、届いたレコード)

先週届いた3枚のレコードは全て、日本のジャズだった。 元来、日本のジャズは好きで、30年前、随分とレコードを買った。亡父からは、そんなの聴いて面白いか、と云われたけど。要は、本場を聴け、的な感覚だった。1970年代のお仕舞い。だけど日本のジャズは…

(ECM2459) 菊地雅章:Black Orpheus (2012) ある奏者のLast Date

誰もが知っている場所で、だけど誰も見たことがない場所へ行ってしまった、ある奏者のLast Dateを捉えた、ドキュメンタリーである。それだけで、価値はあり、またその内包するcontextは強すぎて、言葉でイイとかワルイとか、そんな戯言を跳ね返してしまう、…

菊地雅章のソロ

昨日、注文していた菊地雅章のソロのアルバムが届いた。メランコリー・ギル。富樫とのデュオアルバムConcerto、で驚いたのは極く最近。それまではスストとその源流、のようなダンシング・ミストのようなアルバムに眼が向いていたから。それから集めてみたの…

Victor Modern Jazz Sextet: Matrix (1969) 彼のラストアルバム(発売予定)との不思議な一致

菊地雅章の「幻の初リーダ作」と銘打ち、昨年、LPレコードで再発されたアルバム。だけど、これ初リーダ作かなあ。 ライナーノートをみると沢田駿吾(ギター)がプロデューサ的な役割で、菊地秀行(as),滝谷裕典(b),鈴木孝広(ds)が沢田駿吾のバンドのメンバー。…

菊地雅章: After Hours (1994)

何回も何回も聴いている。聴いたことがない 種類の音楽、のように思えて仕方がない。 とにかく遅い。そして隙間だらけの音だ。ただ、その隙間は、音と音の間の張り詰めた「気」のようなものが充満していて、次の音を探索する気迫のようなものが迫り来る。こ…

菊地雅章: Aftert hours 2 (1997) 僅かな音の引力、のようなもの、そしてLittle Abi

僅かな音の引力、のようなもの、を感じる。音の数が減れば減るほど、その引力が強まる。 その重力場のようなもののなかで、音が光彩を放つ。菊地雅章のピアノを聴いていると、そんな印象を受ける。 とにかく流れるようには音が出ない。音を確かめるように、…

渡辺貞夫: Songbook (1969) 70年代の熱気に向けて

随分前に名古屋・大須の中古レコード屋で格安で購入して、放置していたもの。菊地さんが入っているなあ、と聴いてみた。 B面のお仕舞い方のパストラル以外は2分前後未満の短いトラックが多数。テレビ番組で使った音、だそうだ。聴いていて、短さや曲調(多く…

菊地雅章: 2012年10月26日 東京文化会館小ホール

これが最後の公演なのだろうか。ネットでアルバムを調べているときに、黒いオルフェ、というタイトルでのECMからのアルバム発売予告を多数みかけた。結局、発売中止となったようだけど、これが2012年10月26日 東京文化会館小ホールの演奏らしい。 youtu.be …

Paul Motian: On Broadway Vol. 5 (2009) 浮遊するジャズ

菊地雅章ディスク蒐集の一環で入手した中古盤。最近になって気がついたが、このレーベルWinter & Winterは、昔のECMみたいな感じで、いいなあ、と思う。 それはともかく、このアルバムでは菊地さんのピアノを十分楽しむことができた。モチアンの音楽って、浮…

菊地雅章: Kikuchi/Street/Morgan/Osgood (2008) 彼が生きていた時間を

彼が生きていた時間を、そのまま届けてくれたアルバム。最期の時間、に違いない。 ECMのアルバムで感じた、些細とは決して云えない苛立ちに近い感覚、はない。 彼の時間がとても忠実に、美しく記録されている。 2008年のニューヨークの録音、デンマークの音…

日野皓正、菊地雅章:HINO-KIKUCHI QUINTET (1968) 僅か数年のことだけど

全てが若かった、と思うのだ。世界が戦後・冷戦というスキームのなかにあった時代。音楽もヒトも。 1968年の録音。濃厚に1960年代の音であり、音よりもむしろアルバムの在り方が1960年代である、と思う。 僅か数年のことだけど、その後の音を考えると驚くべ…

山本邦山: 銀界 (1970) 音の少なさ

2年近く前に書いたときには、彼らの音がまさにECM的だなあ、と感嘆していた訳だけど、それは、音の少なさ、からきている。 今改めて聴くと、ECMより淡い残響感は、むしろ沈黙を際立たせる効果を感じさせる。とても良い録音だなあ、と思う。 それにしても、…

(ECM2096) 菊地雅章: Sunrise (2009) ECMとのこと、そして冥界からの便り

改めて、このアルバムを聴いている。EastwardやVoicesと変わらぬピアノ。この人がアコウスティック・ピアノに向かっている時の音はあまり変わっていない。ピアノの音を聴かせているのではなく、沈黙を聴かせている。だからECMは向かない、と思った。残響の処…

Gary Peacock: Eastward (1970) 耳から入る瞬間

1980年頃、たぶんSJ誌の記事で、このアルバムを知った。とうに店頭にはなくて、当時、なかなか見つけることが出来なかった。中古レコードの情報を持っていなかった、ためでもあるが。再発を待っていたが、熱心に聴いている時分にはなかった。 そんな記憶がい…

Gary Peacock: Voices (1971) 電気・ピアノとアコウスティック・ピアノでの彼の音の流れの違い

当時、CBSソニーから出た日本滞在中のGary Peacockのアルバム2枚のうち1枚。もう一枚はEastward。より、Peacockのベースに焦点をしっかり合わせたアルバム。滞日中、6枚(だったかな)の日本制作のアルバムにcreditされているそうだけど、あとの4枚は日…

菊地雅章: ススト(1980) ボクのリアル・タイムの菊地雅章体験

寡作家の彼が久々にリリースしたのがこのススト。米Columbiaからの発売。国内盤より先に輸入盤屋に入荷して驚いた。1975年頃のマイルスのファンクを洗練した音楽。昂奮も耽美もなく、浮遊するグルーヴ感がオリジナリティを強く主張している。

Miles Davis: STUDIO SESSION 1978(1978) 存在で主張するのでなく、存在を消して主張する

ここ1年くらい、菊地雅章の音が気になって仕方が無い。あの個性に掴まれた、のだ。ECMのレコード聴きと並行して、ゆっくり菊地雅章と向き合っていきたい。 ボクにとっても菊地雅章は彼の音と同じで、音と音の間の無音そのもの、じゃないかと思う。存在で主…

今年最後のディスクユニオン@御茶ノ水 (CD編)

今回もCDを少々。 左上は、ちょっと気になる菊地雅晃がはいったアルバム。飛頭って、あやしい。右上は菊地雅章とグレッグ・オズビーのKOプロジェクト(って何だ?)。左下はアギューレのレーベルから出たAgueda Garay。何となくのジャケ買い。右下はケイ赤城…

11月末のお茶の水・ディスクユニオンJazz Tokyo・クラシック館

昨日は横浜に出張。途中でごく短時間、お茶の水に寄った。本当に久しぶりなのだけど、前は何月だったのだろうか。 まずJazz Tokyoに行ったが、店頭にECMコーナーがない。全般的にレコードが少なくがっかり。年末のセール向けなんだろうが、タマにしか行けな…

富樫雅彦,菊地雅章:Concerto (1991) 恐ろしく、素晴らしく、美しい

ボクが日本のジャズを熱心に聴いていたのは大学生の頃。随分、レコードも入手した。30年以上前のこと。 当時は街中にレコード屋が何軒もあって(大阪の中都市だけど)、そこで日本のジャズも結構売っていた。今からじゃ考えられない昭和の頃。気に入っていた…

菊地雅章: Poesy (1971) 吸い込まれるような音の奥行き・そして音だけ残った

昨日遅く、訃報を知った。彼は生きているときから、遠くにいる人であった、ように思う。 後ろ姿すら見えない、遠くにいる人から、まれに贈られる音を享受してきた。 今、そして音だけ残った。 ボクは改めてスストとポエジーを聴いた。強いビート音楽と静謐な…

渡辺貞夫: Paysages(1971)つい連鎖で書いた1970年頃の音

toshiya氏やmonaka氏が渡辺貞男のSwiss airを取り上げていた、ので連鎖。この時代、CBSソニーの頃にはモーダルな感じ、更にはフリーに近づくような、やや混沌とし、かつ高い志を感じさせる録音が多いと思う。1970年代前半。ヴィトウスの頃の初期WRやマイルス…

Steve Grossman: Perspective (1979) フュージョンという名のジャズ

今日届いたLP。グロスマンが吹くフュージョン、につい手が出てしまった。本家・本流(?)のジャズ奏者が出来心(?)で出した、ようなフュージョンには面白いものが多い、と思う。リーブマンなんかもそうだし、ジョー・パスのも面白い。要は、後ろのリズムが…

Gil Evans: Live At The Public Theater Vol. 2 (1980) 解体された音の断片のコラージュ

引き続き忙しい。仕事場で低くオトを流しながら文章の編集画面を眺めている。 今日、聴いているのは引き続き漂うな音のようなもの。久々にギル・エヴァンスを聴いている。このアルバムは1980年のニューヨークでのライヴ。メンバーをみると分かるのだけど、最…

菊地雅章: End For The Beginning (1973) 再び聴きはじめた彼のことについて書きたいと思っていたが

今年になって、再び聴きはじめた彼のことについて書きたいと思っていたが、ずっと書きたいと思っていたが、上手くコトバにすることができなかった。契機は勿論、ECMから出たあのアルバムなのだけど、なんとなく空虚な感じがして、コトバにできなかった。嫌い…

この数ヶ月入手したLPレコード(1) 日本のジャズ

7月からLPレコードを随分と買っているのだけど、記憶が怪しくなってきたので備忘のメモをアップ。今日の御茶ノ水で、矢野顕子の長月・神無月を入手したことが嬉しかったので、筆頭にあげる。アレがジャズかあ、なんて無粋なこと云わないで欲しい。立派なジャ…

全日本レコードCDサマーカーニバル・金沢篇:あの頃に戻ってしまった夏

7月13日(金)〜16日(月・祝)に全日本レコードCDサマーカーニバル・金沢篇というイヴェントが金沢駅地下であった。