Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

jazz (tp)

Louis Hayes, Woody Shaw: Lausanne 1977 (1977) 問答無用 !

ここ数年の新譜やフリーばかり聴いていると、何か「もやっと」脳内がネジれる感覚があって、またそれが愉しいのだが、はっと疲れるときもある。 そうだ、って思い出してウッディ・ショウを聴いてみたら、モヤモヤを吹き飛ばす内容。1970年代の後半、ショウの…

Ambrose Akinmusire: A Rift In Decorum- Live At The Village Vanguard (2017) なり難しいことをスムーズに行っているような

最近の通勤のクルマのなかでは、コレを聴き続けている。典型的なジャズの魅力に溢れたアルバムのようで、そうでないように思えたり、昂奮に満ちているようで、そうでもないように思えたり、何回聴いても全体像がうまく結像しないから。ただ、ドコで切り出し…

Miles DavisのMaiyshaを幾つか

youtube上でエリカ・バドゥのマイシャ、music videoがアップされていた。 もともとエリカ・バドゥは好みだし、グラスパのアルバムのなかで、一番良かったのはコレだったかな。 ボクはGet up with itのマイシャよりも、1975年の大阪公演、Aghartaのほうが好み…

Peter Evans: Ghosts (2011) 惰性のもとにある意識を振り落とす

このアルバムがbandcampにアップされた。非圧縮の美しい音で楽しむことができる。改めて聴いているが、実に素晴らしいアルバム。伝統的なジャズのビートで聴き手を油断させるが、はっと気がつくと、そのような惰性のもとにある意識を振り落とすような逸脱、…

沖至, 井野信義, 崔善培: Kami Fusen (1996) 豊かに響くベース、豊かに響くトランペット

台湾に行く前にリトアニアのNoBusiness Recordsから届いたレコード。送料を考慮しても、販売店から購入するより安価。楽器の音響的な豊かさを楽しむ、という観点で、レコードが欲しい自分がいる。 20年前のライヴが今になってレコード化されている。トランペ…

Peter Evans: Beyond Civilized And Primitive (2010) アヴァンギャルドの音を聴く醍醐味

今日届いたレコード。以前聴いたLifebloodと同じく、ピーター・エヴァンスのトランペット・ソロ。 やはり凄まじい。まさにエヴァン・パーカーのトランペット版で、息継ぎなく延々吹き続け、そのなかで幾つかの音が並行に流れていく。そのような極北を指向す…

Woody Shaw: Live Volume One (1977) Stepping Stonesでモノ足りない向きには

先日のブレイキーのアルバムを聴いていて、薄幸の印象が強い(そんなのばっかりか)ショウを思い出した。やっぱり、いいよね。1979年に聴いて、ジャズが好きになる後押しをしてくれた奏者。 だから、今でもStepping Stonesが大好きなのだけど、もう少し聴き…

Miles Davis: The Man With The Horn (1981) 良く編曲された音 

ジャズを聴きはじめた1979年、ガイドブック片手に1950年代から1960年代の名盤を買い始めた。マイルス・デイヴィスも何枚か。Kind of Blue, Milestone, ingシリーズを手始めに、でESPあたりで面白くなくなってきた、ように感じた。 ガイドブックでカヴァーさ…

Peter Evans: Destination : Void (2013) SF的な廃墟、のような空間に響く

今年は春先にEvan Parkerを聴いてから、Free Musicへの脳内回廊が開き、思わぬ年になった。今年になって、はじめて聴いた奏者も実に多いのだけど、そのなかでピーター・エヴァンスは「スタイル」的にはFree JazzとかImprovised musicよりも、伝統的なジャズ…

(ECM 2482) Avishai Cohen: Into The Silence (2015) レコードで聴くとビミューな

[2016-11-21追記] レコードで聴いてみる。当然の如く重厚になるのだけど、音がもっさりした印象。MP3のスカスカした音でクルマで聴いたときのような「スムース感」を失っている。残響がしっかり再生され、それがしっかり作用している、ように思える。レコー…

(ECM2486) Vijay Iyer, Wadada Leo Smith: A Cosmic Rhythm With Each Stroke (2015) 単なる静謐さを超える何か

先月末の給料日に、気になっていたCDをまとめ注文。続々、て云っても4枚だけど届いた。レコード蒐集も一息(ウソ付け)と思ったので。まとまって来たアルバムの音の「均質化」と「角が取れる」残響・イコライズ処理にイラッときたので、昨日の記事。 このア…

Peter Evans: Genesis (2015-16) Amazing white "Pangea" in 21st Century

信じがたい音楽体験をしている、ような気がする。だけど、過去にもこんな体験をしたような気もする。静かな昂奮とともに音を聴き続けた。 1時間半を越える音源を聴き続け3回目だろうか。これが、昔、1975年のマイルス・デイヴィス日本公演「アガルタ・パン…

Peter Evans: Lifeblood (2014-16 ) 音響的な凄み、秘めたる韻律

バンコクから帰ってきて、早速ダウンロード。$15である。 先日、yorosz氏のツイートで気がつき、bandcampで試聴して、驚いた。 Peter Evansの待望のトランペットソロでのアルバムくっっっそヤバい……!トランペットソロ数えるほどしか聴いたことない自分が言…

Peter Evans: Zebulon (2012) 断絶と連続の接続点

実はバンコクで仕事をしている。ときおり温い大気を泳ぐように楽しみ、あとは何処にも行かずに音楽を聴きながら仕事をしている。こんなときapple musicは重宝している。 ピーター・エヴァンスははじめて聴く。名前は聴いていたのだが、機会はなかった。tweet…

大野俊三: Something's Coming (1975) あの頃のファンク(裏マイルスというか)

菊地雅章蒐集で入手したCD。さすがにLPには固執しなかった。3曲目にのみ菊地が入っている。 事前に他のcreditを確認しなかったが、凄い。マイルスのアガルタ・パンゲアの年んのアルバムで、レジー・ルーカスやセドリック・ローソンが入っている。内容は、あ…

近藤等則, Eraldo Bernocchi & Bill Laswell: Charged (1999) 2000年前後ではこのアルバムがいいなあ

昨日に続いて近藤等則。1980年頃から聴いているから長い。最近のソロ路線には付き合っていないから、実質は21世紀に入ってからは、そんなに聴いていない、ように思う。 improvised music、IMAのようなbeat music、そしてElectronicsを多用した2000年前後のも…

近藤等則, DJ Krush: 記憶 Ki-Oku (1996) もの哀しい

もの哀しい、夕暮れの記憶、のような淡い演奏。自己主張の固まりのような近藤も、DJ Krushのビートも、全て淡色で、気がつくとセピア色に染まっている。もう20年になるのか、と思って驚いた。割と最近のアルバムのように思っていたから。 記憶 アーティスト:…

(ECM1078) Enrico Rava: The Plot (1976) 管の響きが与える陰翳

前作「The pilgrim and the stars」の1年後の吹き込み。またメンバーも同じ。続編、と云って良い。 だから、アルバムの印象も実に似通っている。続編。ラヴァの魅力は、管の響きが与える陰翳、だと思う。前作は、その暗い響きがクロンビー達が奏でる1970年…

Dave Douglas: Dark Territory (2014) なんだか既視(聴)感のようなものがあるが

先日、BandcampからDLしたデイヴ・ダグラスのアルバム。トランペットとElectronicsって組み合わせは、案外好きな感じ。このアルバムのドラムは、マーク・ジュリアナでこれも期待。

Miles Davis: Cookin' With The Miles Davis Quintet (1956) Prestigeでは残響音は抑え気味に(まだまだRVG)

Opus de Jazzと同じ時期のPrestigeを聴いてみる。基本的には同じような音圧が高い録音ではあるが、残響音の付加が消えている。それだけ、すっきりとした「リアル」な音に聴こえる。モノラル録音の時代。残響音がなくとも、絶妙のセッティングで眼前にクイン…

(BST84127) Kenny Dorham: Una Mas (1963) 躍動するドラムを捉えた

もう少しRudy Van Gelderの音を聴いていきたい。 Blue Noteの4000番台で、録音がいいなあ(というより好きだなあ)、と思うのはケニー・ドーハムのUna Mas。ボクが持っているのはステレオ盤。だからBST84127。網羅的には聴いていないから、タマタマ持ってい…

(BLP1595) Cannonball Adderley: Somethin' Else (1958) Blue NoteのRudy Van Gelder

何となく前の記事でRudy Van Gelderについて、Negativeな印象が残るような書き方をしたので、もう一つ書く。 このレコードはあまりにも「名盤」で有名な1枚。ボクも何枚持っているだろうか。学生の時に買ったキング盤、亡父の東芝盤など。演奏はあまりも有…

Art Farmer: Sing Me Softly of the Blues(1965) Carlaの曲が気になって

ファーマーが奏でるフリューゲル・ホーンの透明感。キューンのピアノとの整合性がとてもよく、1960年代のジャズとしては音の温度が低め。少し空気がピンっと張ったような冬の朝に聴くと丁度良さそうなアルバム。

Miles Davis: In Person Friday And Saturday Nights At The Blackhawk, San Francisco (1961) 奏者との距離が近い、が

このアルバムもモンゴメリー兄弟バンドの記事と同じく、いつも参考にしているブログに記載されたアルバム: この時期のマイルスバンドは緊迫感が「かなり」足りなくて、殆ど聴かない。録音と選曲の良さで「いつか王子様が」くらいかなあ、聴くのは。確かに、…

Don Cherry: Home Boy Sister out (1985) ジャンルを軽々超えた軽やかなトランペッター

Home Boy Sister outはCherryが亡くなる10年前、晩年に残したアルバム。

Miles Davis: Someday my prince will come(1961)古いLPレコードの音を再び

Miles Davis: Someday my prince will come(いつか王子様が)が4枚。左上:ステレオ盤(6eyeと称されるオリジナル,60年代初期) 右上:モノラル盤(6eyeと称されるオリジナル,60年代初期)。 左下:1979年頃に買った再発盤 右下:オヤジの遺品で80年代後半の…

沖 至: 幻想ノート(1975) リアルなフリー・ジャズと詩の朗読だけど

登山中に届いていたLPレコード。リアルなフリー・ジャズと詩の朗読のアルバム。実は、詩の朗読についてはECMのSPシリーズで独語の朗読は聴いたが、日本語の詩の朗読ははじめて。ちょっとイワモノ感があるので、手を出してこなかった。白石和子とか。そんな訳…

五十嵐一生, 辛島文雄: Wish I knew (2016) 予定調和を超える何か

つい先日、その存在を知って注文。届いてから、随分長い時間、何回も何回も聴いている。 五十嵐一生の演奏は2年くらい前のもっきりやで聴いたが、ベース、ギターという編成で、それがまた彼のトランペットの良さ(響きの柔らかさ、美しさ、だと思う)が映え…

(ECM1071) Tomasz Stanko: Balladyna (1975) 何とも生彩を欠いた

何とも生彩を欠いた、Free Jazz。躍動がある訳でも、音空間が構築される訳でも、ない。 ホランドのベースを核に、点描のように管の音が加えられるが、印象が薄い。 このアルバムはそんなに珍しいものでもない、と思うが、存外にDU店頭で高価だった記憶がある…

Dave Douglas: High Risk (2014) 昼休みにゆったり聴くには最適

何となくトランペットって、(聴き手として)付き合うのがシンドイ場合が多い。力が入るとウルさいし、力はヌケるとスカスカだし。 いつだったか、金沢に来たアンヴィシャイ・コーエンはしんどかったし、ニューヨークで聴いたロイ・ハーグローヴはなんか一本…

(ECM1069) Kenny Wheeler: Gnu High (1975) ECMの芯のような

ボクが感じる、ECMの芯のような、そんなアルバムではなかろうか。それも1970年代の。そして次第に希薄になっていくように感じる米国のジャズの匂い。キースのトリオや、モチアン、ブレイ、キューン、そんな米国の奏者達がECMに活躍の場を得て、ある種の「抑…

(ECM1063) Enrico Rava: The Pilgrim And The Stars (1975) ECMの頂点にたどり着いたような

ボクはECMの頂点にたどり着いたような感覚のなかにある。ECM1060あたりから後のアルバムには、迷いなく惹き寄せられる力が漲っている。素晴らしい。たぶん、また上がったり、下がったりしながら、進んでいくのだろうが、大きな稜線に飛び出したような感覚の…

日野皓正、菊地雅章:HINO-KIKUCHI QUINTET (1968) 僅か数年のことだけど

全てが若かった、と思うのだ。世界が戦後・冷戦というスキームのなかにあった時代。音楽もヒトも。 1968年の録音。濃厚に1960年代の音であり、音よりもむしろアルバムの在り方が1960年代である、と思う。 僅か数年のことだけど、その後の音を考えると驚くべ…

Woody Shaw: Imagination (1987) さようならショウ

これも仙台で入手したレコード。ボクはショウのトランペット、鋭い響きをドライヴさせる様、が大好きだ。特に1980年頃のコロンビア盤はいいと思う。未だにヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ、stteping stone、は素晴らしいと思う。河原町今出川のジャズ喫…

Miles Davis - Jazz Tracks, side-B (1958) エヴァンスが入ったマイルスの録音

昨日、お茶の水で買ったレコード。1958年のセッションが納められている当時のプレスと知り、欲しくなっていた。 エヴァンスが入ったマイルスの録音はそんなに多くなくて、Kind of Blueのほかは正式なスタディオ録音はなくて、ニューポートのライヴや死刑台の…

近藤等則:Toshinori Kondo plays Standards(2015) 過ぎ去ってしまった21世紀への挽歌

昨日、オトトイでDLし、入手。196kHz、24bitのHigh resolution音源。なんとなく安っぽい打ち込みで、それだけHigh resolutionの価値があるのか、いささか疑問ではあるが。 20世紀の最後のあたり、improvised musicやelectlical musicで暴れていて、近未来,21…

Woody Shaw: In The Beginning (1965) 年末最後のLPレコード

オークションで見たことがないウッディ・ショウのレコードを見かけた。安価だったので、応札。他の誰も応札はなかった。あまり人気がある人ではなくて、寂しく人生を終えた奏者なのだけど、ボクはその真っ直ぐな音色が好きだ。 以前も書いたけど、ジャズの聴…

Miles Davis: Four & More (1964) モノラル盤入手の顛末 (ボクが好きなアルバム3)

すごく忙しくて、イヴェントが一杯なので、ブログを書いていない。最近は気張らず、記憶補助という最初の目的意識に戻って、無理をしないようにしている。 ボクが好きなアルバムについて時々書いている。ドルフィーのLast Date、シェップのMonterux、つぎは…

Don Cherry: Art Deco (1988) 一枚のアルバムから広がること

随分と前からCDは持っていたのだけど、先日の音盤祭でLPレコードを入手した。そんな訳で何年か振りに聴き直した。それが存外に良かった。演奏は勿論、レコードで聴いたときの音の良さ、には驚いた。 ドン・チェリーのトランペットは飄々と軽く、フリー・ジャ…

Jukka Eskola: Hub Up (2006) 具合のいいフィンランド・ファンク

忙しい。朝、釣りに行って、午後から仕事。まだ働いている。土曜なのにね。出張が多く、仕事が滞っている。 そんなときの内向的な音楽は毒。軽いファンクっぽいフュージョンが気持ち良い。随分前に買った「よくわからない」奏者のCDを聴いている。ユッカ・エ…

日野皓正: Hip Seagull (1977)‎ まっすぐな感じのトランペット

昨日はフレディ・ハバードだったので、今夜は日野皓正。ボクの頭のなかで二人は同じ部屋に入っていて、あまり難しい音楽をやっていなくて、割とまっすぐに吹き抜けるような感じが魅力、という奏者。だからRed Clayのあと、聴きたくなった。 そんな「まっすぐ…

Freddie Hubbard: Red Clay (1970) スカっと抜けていくジャズをタマには

この2年くらい、昔のLPレコードの音に惹かれて、最近の録音はあまり聴いていなかった。最近、中川ワニ氏のCrazy(褒め言葉)な蒐集話やグラスパ本とかの刺激もあって、戦線復帰を模索中。10枚くらいは最近のものを手にしたけど、なかなかアタリはとれない。…

Henry Kaiser & Wadada Leo Smith: Yo Miles! (1998) マイルスの玉手箱の標本(サンプラー)

35年前、ボクたちは待っていた。1975年の大阪公演を収録したアガルタ・パンゲア以来、杳として音楽的消息が見えないマイルスを。1973年から1975年のマイルスの過激な音楽、ファンクでありフリーであり、そしてジャズであった激しいリズムの混沌の「その次」…

ジャズの黄金時代(Jazz会#27) − Miles Davis in late 50s and early 60s

ボクは居酒屋でジャズがかかっている、のには違和感がある。なんかオシャレ音楽のような扱いで、有線放送垂れ流し。だけど、「和食にも合う」くらい音楽の完成度が高いのも事実で、BGMとして使えるレベル。殆どが1950年代後半のハード・バップ期のもの。その…

Miles Davis: Kind of Blueのオリジナル盤(MONO)を聴いてみた

とにかく、どんな音がするか聴いてみたかった。入手したのはモノラル盤。レーベルはいわゆる6EYE。

Miles Davis: Four & More (1964) コールマンはねえ、っていうけれど

3枚のレコード。上は1980年頃の米盤(PC)、左下は当時の日本盤、右下はオリジナル・ステレオ盤(CS)。

Miles Davis: Kind of Blueの演奏のことじゃなくて

亡父のレコード箱のなかにマイルス・デイヴィスのKind of Blueが2枚ある。勿論ボクも1枚持っている。彼の1枚とボクの1枚は同じ米盤で1980年頃のもの。PCでレコード番号がはじまる。彼のもう1枚はCBSソニーの初期盤(だと思う)でジャケ裏は日本語。ビル…

Woody Shaw: The iron man (1977) 強固なピアノとベースのうえで

仕事場を引越した。ボクと同じ位の年齢の建屋だったので、耐震強度が足りない。取り壊しになることになって、職場のなかの別の建屋に移った。そんなこともあって、とても疲れた3月になった。古い建屋はそれなりの味わいあって、歪んだ窓硝子が入った鉄サッ…

Donald Byrd: Fancy Free (1969) もうひとつの主流(メイン・ストリーム)

いつだったか、近所のS君のレコード棚を漁っていたら、ドナルド・バードのアルバムを数枚見つけた。昔から意識には留まっていたけど、バップ期の演奏しかしらなかった。聴きはじめた30年前はポップ路線に転じてジャズの聴き手には見えない存在のようになって…

近藤等則:Club new light(1993) あの時間の缶詰

音が、時間と、そのときの空間の肌触りと、そして裏側から皮膚に貼りついたような内面の焦げ具合の栞となることがある。 あれは20年近く前。仕事に熱中している時分。涌き上がる力に自惚れていた頃のこと。 明け方に何かを書いていた。多分、論文か何か。集…