Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

jazz (piano)

(ECM2385) Glauco Venier: Miniatures (2013) 打楽器が醸し出す空気感

このような強くmanageされたような「沈黙の次に...」には随分飽きがきていて、ECMはもういいかな、の感覚が強くなっていた筈だ。だから1970年代を思い出させるような最近の意欲作に驚いているのだ。 しかし、このアルバムはあざとい程のECMイメージの中に…

Fred Hersch: Open Book (2016, 17) 硬質の美音(レコード)

レコードが届いた。CDを聴いて、すぐに注文した。CDでも十分音質は良いのだけど、つい手が出た。聴いてみると、硬めの響きが実に美しい。無音時に気になるレコード固有のトレース音を差し引いても、聴く価値はあると思う。 深い奥行きに引き込まれるようだ。…

Enrico Pieranunzi, Paul Motian: Flux And Change (1992) 前に出たときのモチアン

モチアンのsoul note box setの1枚。これが実に良い。ボクは所謂「現代ジャズ」って、今ひとつピンとこないから、それが何を指して、その輪郭がどんな印象なのか、それが分からないので、ぼんやりしている。 だからエンリコ・ピエラヌンツィのピアノも悪く…

大口純一郎トリオ@もっきりや、それと少しだけあの話

10月15日の夜、もっきりやでのライヴ。昨年に続き、大口純一郎(p)、米木康志(b)、 本田珠也(ds)のメンバー。行かない訳にはいかない。濃密なジャズ空間に浸ることができる。 先月に続く米木康志、 本田珠也。ビートを叩き出す、その強度の強さには、毎度…

山下洋輔:Chiasma (1975) 西独盤を入手してみた

山下洋輔の1975年のライヴ。ベルリンだったかな。最初から最後まで熱狂するドイツ人のなかで、汗飛び散らし脈動する音楽。

Horace Tapscott Conducting The Pan-Afrikan Peoples Arkestra: The Call (1978) もっと早く聴けば良かった

ホレス・タプスコットは何となく気になり続けて30年以上経ているが、やっと初めて聴いた。このThe callのアルバムも何回か店頭で見かけたが、結局、手を出せていない。何とbandcampに関連のアルバムが一挙にアップされていて、目眩がしてしまった。試聴する…

橋本一子, 藤本敦夫: Colored Music (1981) レコードは生きている

信じられないことだけど、このColored Musicのレコード盤が入手難。タマ数が少ないのか、Discogsでも驚愕の価格。やっと、それよりは随分安価だけど、ブルーノートのオリジナル、モノ盤と同等価格で入手した。(我慢できなかった) で、早速聴くと、音が冴え…

John Butcher, Thomas Lehn, Matthew Shipp: Tangle (2014) 空間の断層を貫く音

空間の断層を貫く音、を聴いたような気分だ。マシュー・シップの音源をbandcampで探していて見つけ、試聴すると即座に引っ張られた。 John Butcherという即興音楽系の奏者と、 Matthew Shippというジャズの巨人に連なる奏者の組み合わせに興味を持った。そし…

高田みどり, 佐藤允彦: Lunar Cruise (1990) バブル絶頂の頃

思い起こすと、バブル絶頂の頃のアルバムじゃないか。その少し前に、近藤等則IMAのライヴを六本木ピットインで見た記憶があって、その数年前におもちゃのトランペットを持って、学祭会場のホールで寝っ転がっていた頃からの様変わり、に驚いたものだ。ジャズ…

The Ray Bryant: Little Susie (1960) 米コロンビア盤の良さ

以下の記事を読んで、すぐ欲しくなった。米コロンビアの古レコードは概して音は良好、マイルスとかの人気盤を除くと安価。メジャー・レーベルなりの良さ、がある。だから、ルネ氏の記事を読んで、すぐ探したのだ。やはり、昔の新譜のレコードくらいの値段で…

Milcho Leviev, Charlie Haden: First Meeting (1986) 演奏よし、録音よし

富山で入手したアルバム。 ミルチョ・レヴィエフとチャーリー・ヘイデンのデュオ。1986年の録音なので、レコード最晩期。多分、そんなに沢山プレスされていないのでは、と思う。日本のアルファ・レコードの制作で、プロデュース・録音はカルフォルニアの知ら…

渋谷毅, 松本治: 帰る方法3 (2007) 3って何だろう

渋谷毅のアルバムは、何となくガツガツ集めるものではない、という感覚があって、店とかオークションで、目の前にふっと出てきた時に手にするようにしている。理由はないけど、何となく分かるでしょ? これも、そんな感じでふっと入手。 で、仕事場でかけて…

Thelonious Monk: Piano Solo (1954) 10インチ盤のLPレコード

昨夜、cowry coffeeにて、大音量で鳴らしてみた。やはり良い。深い打鍵の音が深い満足を与える。明らかに、昔に買った日本盤(徳間音工)と音の質が違いすぎる。確かにモンクのピアノの音がリアルに記録されているのだ。 古レコードに固執する必要はないよな…

原田依幸, Tristan Honsinger: Margin (2006) 粒状に音が立ち

間違いなく、ボクの好みの中心、の音だ。原田のピアノは粒状に音が立ち、スピードをあげても濁らない。そしてホンジンガーのチェロと作用・反作用を繰り返しながら、様々な速さの音を溢れさせる。そして音の速さの変曲点のようなところで、音が弾けて、美し…

Paul Bley (1954) 聴いていて愛着がわいてきた

先日のディスクユニオンでの買い物。 1954年発売のオリジナル。モノラルカートリッジで鳴らすと、素直な、音圧の高いピアノが鳴る。とても楽しめる。解体的交感の1/3程度の価格。多分、CPは遙かに良い。帰ってから、何回も聴いている。 未だコールマンも登場…

Thelonious Monk: Criss-Cross (1963) 矛盾に満ちた

モンクの音楽は矛盾に満ちている。ゴツゴツとふらつくようなスムーズでない運指から、とてもなくスムーズなビートのようなものが溢れ出る。ミクロにみると調性を外したような変な音から、マクロには弾むような旋律が紡ぎ出される。その奇妙な感覚、が彼の味…

Thelonious Monk: It's Monk's Time (1964) モンクのピアノが最大限映えるように

連休中にコロンビア時代のモンクを聴こうと、棚から取り出した。 結局、多事ににかまけ、聴いたのはコレ一枚。 ジャズを聴きはじめたとき、ディスクガイドを幾つか読んだが、モンクで紹介されるのは1960年頃まで。Riversideが中心じゃなかろうか。どのアルバ…

Columbia時代のThelonious Monk(1962–1968) ちょっと整理

Columbia盤は、ヴァン・ゲルダー録音のBlue NoteやPrestige、あるいはロイ・デュナン録音のContemporaryのようなある種の「ジャズレコードとしての神話」はないが、総じて録音は良く、はっとするようなモノが多い。マイルスのアルバムを並べて聴くと、Blue N…

Misha Mengelberg, 豊住芳三郎: 逍遥遊 (1994) 距離の伸縮

最近、このアルバムの存在を知って、入手。ミシャがこの世から去って、遅すぎる個人的なブーム。 ピアノとドラムとのデュオというと、真っ先にハンとのデュオを想起する訳なのだけど、その違いが面白いアルバム。 ICPの2人はとてもリラックスした雰囲気のな…

山中千尋: Monk Studies (2017) 一曲目が一番美味しい

時々はアルバムを買っていて(最初の澤野のアルバムから)、ポツポツ聴いている。 近作での電気楽器を入れた作りが、軽めではあるが好み。 という訳で、更にその路線を進めつつ、モンクを取り上げるとのことで、手を出した。 早速聴くと、一曲目でFlying Lot…

Misha Mengelberg: Four In One (2000) モンクやドルフィーの「奇妙な味」の継承者

ミシャとハンの組み合わせの面白さ、は、伝統的なジャズというよりは、(多分)欧州の路上芸とか大衆芸能に根ざしたような非米的なタイム感覚が起こすジャズとの「摩擦熱」のような感覚だと思う。だから4ビートを叩いても、そこには「奇妙な感覚」が付きま…

寺下誠: The Great Harvest (1978) 美味しいディスクユニオンの再発シリーズ

寺下誠の名前はグロスマンの凄まじいライヴ、で知った。グロスマンも凄いのだけど、ピアノも凄い。マッコイのドライヴ感そのもので走り抜ける。 それから気になっている奏者。リーダ・アルバムが出ていると知った。レコードが出てくるのをじっと待っていたが…

渋谷毅オーケストラ: 酔った猫が低い塀を高い塀と間違えて歩いているの図(1993) 曲の幅や自在さ

渋谷毅を聴きだしたのは、蝶々在中から。浅川マキファンだったEちゃんにCDをもらってから。6年になる。爾来、ゆるりとCDやレコードを求めている。血道をあげて蒐集する感じは似合わないしね。これは昨日届いたCD。 金沢のもっきりやで聴いたときにも感じた…

Akmee: Neptun (2016) ピアノとドラムが現代的な匂い、を流し込むような瞬間

田中鮎美のレコードと一緒に届いた。クリスチャンからのギフト。 メタ・フリーミュージック的な、現代音楽との融解した境界線を狙うが如きNakama recordsの作品のなかで、異色なほどジャズ的。これが実に美味しい。先日、ジェイソン・モランのアルバムで書い…

田中鮎美, Johan Lindvall, Christian Wallumrød: 3 pianos (2016) レコードで聴く

Nakama recordsに注文していたレコードが届いた。注文は半年以上前だったのだけど、本作の仕上がりが満足しなかった、とクリスチャンから連絡があり、それから随分かかった。クリスチャンはお詫び、に新しい1枚を足してくれた。 届いたレコードを聴いて、レ…

高瀬アキ, Silke Eberhard: Ornette Coleman Anthology (2006) 実に楽しいオーネット・コールマン・アンソロジー

昨日は高橋アキで、今日は高瀬アキ。ややこしい。どちらも好きなピアニスト。時々、ディスクユニオンのジャズ・コーナーで高橋アキを救出することがあるので、ボクだけややこしい、訳ではなさそうだけど。 それはともかく、このオーネット・コールマン・アン…

Jason Moran: Bangs (2016) アヴァンギャルド系の奏者が担っている音響的な深みを

JOE氏の記事で気がついたが、彼とは逆にDLで$20に引っかかって、手が出なかったアルバム。ジェイソン・モラン、メアリー・ハルヴァーソン、ロン・マイルズという、不思議な組み合わせ。 2ヶ月近くたって、はっと思い出して、試聴したらイケるではないか。イ…

Nana Vasconcelos, Antonello Salis: Lester (1985) イタリアの奏者とブラジルの奏者の相性

ブラジルのヴァスコンセロスとイタリアのサリス(知らない奏者)のデュオ。 期待は淡い狂気、のようなものが醸し出す空間の歪み。 見事に、そんな空気を作っている。昔のイタリア映画の翳り、のような味が美味しい。はっと気がついたのは、イタリアの奏者と…

Andrew Hill: Invitation (1974) 矛盾を内包したような不思議な印象

ソファーで居眠りしていた。夜中に眼が覚めて、思い出したようにヒルのアルバムを聴いていた。フリー・ジャズとも云えるような、云えないようなピアノ。 一音一音の打音の力強さ・明確さと、音総体の輪郭が溶け・揺らぎ、それが浮遊感を醸し出す。また音数は…

Hampton Hawes: Playin' In The Yard (1973) 美味しいローズ、B級の味

フェンダーローズの音が好きだ。美味しいグルーヴ感がある。初期のRTFやWRのような高踏的な演奏もいいが、ハザウェイの身体的な音、あんな感じがいい。このホウズも、フェンダーローズの音色を生かしてグルーヴする演奏で、なかなか美味しい。 間違いなくジ…