Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

jazz (bass)

Emanuele Maniscalco,Thomas Morgan: Copenhagen Season(2014) すっと空間に溶け込んだような

トーマス・モーガンとイタリアのエマヌエーレ・マニスカルコのデュオ。想像の通りの静謐な対話。まさにECM的な音場なのだけど、残響処理があっさり、なので、むしろ心穏やかな淡々とした対話の様子、が伝わる。 強い求心力を感じさせることもなく、二人でポ…

須川崇志トリオ@飛騨・古川: 解体されたような音の集合体が

昨年のアルバムで強い印象を残した本田珠也のIctus。そのIctusトリオのライヴが飛騨・高山であった。逡巡して行かなかったことが澱のように気持ちの底に残っている。 そのIctusから1年後、Ictusのメンバーである須川崇志のOutgrowingが出た。これもまた強烈…

ジョニーズ・ディスクの再発(中山英二:アヤのサンバ)

陸前高田にあるジャズ喫茶ジョニーには、照井ダンナ時代に一回行ったことがある。東日本大震災の随分前。 蒲田(だったか)に本社がある精密成形品の製造工場に出張で行った時のこと。担当していた製品の立ち上げが猛烈で、その細かな日程調整に出かけた。大…

須川崇志: Outgrowing (2017) ガツンとくる日本のジャズの新譜

昨年のはじめ、本田珠也のIctusを聴いて以来、一年ぶりにガツンとくる日本のジャズの新譜。 Ictusと印象は近く、やはり初期ECMの空気感、そうコリアのA.R.C.から更に進化したような、鋭角状の音が次々刺さってくる。最初の5曲が即興曲。 Ictusではドラムが…

齋藤徹: 朱い場所/Space for Vermillion(2008) タグ付けの紐のようなものから解き放たれた

往来トリオでの演奏に惹かれ、入手: ECMの諸作のようなジャンルや地域が融解した音楽であって、そのような「何ものかであること」というタグ付けの紐(restriction)のようなものから解き放たれた音。何かであって、何でもないような、その感覚が与える開放…

(ECM 2575) Barre Phillips: End To End (2017) 音の宇宙を込めた静謐にして饒舌な音楽

LPレコードをまとめ買いするために随分と待ったレコード。 まずレコードで聴きたかったから、ストリーミングでも聴かなかった。そして、それが良かった。針を落とした後の、音が音としての強度を主張し、それに圧倒された。ジャンルとか、即興だとか、そんな…

林栄一、斎藤徹、小山彰太: 往来トリオLive 雲は行く(2000) 強く惹かれている

黙々とボンバ・レコードから届いた21枚のCDを聴いている。 #はてなブログ日本のジャズのセール(ボンバ・レコード) - Kanazawa Jazz Dayshttps://t.co/qhFTAM38Wj— kanazawa jazz days (@kanazawa_jazz) 2018年12月5日 #はてなブログ日本のジャズのセール(…

Charles Mingus: Jazz In Detroit / Strata Concert Gallery / 46 Selden (1973) ドン・ピューレン、ロイ・ブルックス

ここ数週間、入手するか迷っていたアルバム。JOE氏のBLOGを読んで、即、入手を決めた: Charles Mingus - Jazz in Detroit / Strata Concert Gallery / 46 Selden - あうとわ~ど・ばうんど https://t.co/JQT99nVZsO #はてなブログ— JOE (@JOE_as) 2018年11…

Stanley Clarke: Children Of Forever (1972) 知らなかったクラークの初リーダ作

先週、高円寺で求めたレコード: スランリー・クラークも「当時の」チック・コリアも好きなので、気になっていたアルバムで、最近、何店かで見かけて、ついに購入したもの。 実は長い間、このアルバムの存在は知らなかった。ジャズを聴きはじめた1979年時点…

Cecil McBee: Alternate Spaces (1979) レコードで聴くべし

昨日、ディスクユニオンで見つけたレコード。発売当時は普通に見かけて、日本盤もあって。この数年気にしていたが、なかなか見つからなかった。だから横浜で捕まえたときは嬉しかったなあ。そんなに希少盤とも思わないが。 何が良いって、ジャケットがまず格…

Charles Mingus: Cumbia & Jazz Fusion(1976, 78) ようやくこの盤の味を

云わずとも知れたミンガスの遺作。 当時、ミンガスは幾つかの盤を聴いて、あの奇妙な味、がダメで遠ざかった。怒りの表現、とジャズ入門本に書かれていたような盤。 今は60年代の盤を中心に聴くのだけど、子供が酒肴がダメ、という類いと同じなのかもしれな…

Evan Parker, William Parker, 土取 利行: The flow of spirit - Live concert Tokyo (2015) それ以上のコトバを必要としない

素晴らしい。それ以上のコトバを必要としない。タイトルのとおりThe flow of spirit が眼前に広がる。 ホモサピエンスの出アフリカの頃、5万年くらい前だろうか。ウィリアム・パーカーの祖先と分かれた残り2人の祖先はシナイ半島の北部へ向かった。そして…

立花秀輝, 不破大輔: ◯ (2011) 技量を超えた何か

こういうアルバムは、いきなり感情の裏側まで音が入ってくるので、どーだこーだという小賢しいコトバを撥ね付ける力がある。それが彼らの技量なのか、それとも同じようなテレビの音楽番組を子供の頃みたからなのか、わからない。もちろん、技量ではあるのだ…

Scott Colley Trio @Village Vanguard (New York) ロレイン・ゴードンがあの世へ旅だった晩のセッション

ニューヨークにはじめて出かけたのは1998年の6月頃だから、思い起こすと20年も前だ。ボルチモアからの帰途に寄っているので、今と同じパターン。そのときは嵐で飛行機が欠航し、アムトラックでニューヨークへ。今回のパターンの原型。それから数年に1回来…

Ernst Glerum: Omnibus One (2004) ハン・ベニンク狙い、なのだけど

BBGなどでハン・ベニンクと共演しているベース奏者エルンスト・グレラムの「オムニバス」シリーズ一枚目。ハン・ベニンク狙い、なのだけど、そこを離れてもイケるアルバム。ベニンクやメンゲルベルクらと共有する「あの空間」での現代ジャズ、なのだ。 グレ…

(ECM2594) Arild Andersen: In-House Science (2016) ジャコ似?

アリルド・アンデルセンって、あまり真剣に聴いたことない、というか、初期の何枚かが好みでない、ということだ。なんかアプローチが徹底してない印象がある。 このアルバムを聴いて、ちょっとびっくりした。好み、なのだ。ECM的宇宙と重畳しながらも少し外…

Buell Neidlingerの追悼記事を見かけて

twitterのtime lineで懐かしくも希にしか見かけない名前が流れた: ビュエル・ネイドリンガー、だ。追悼記事だな、と思った。 ボクはセシル・テイラーとの共演盤で知るのみ。上記記事でも同じトピックス。半世紀以上前の活動がピークだったのか。 Buell Neid…

Charlie Haden & John Taylo: Nightfall (2003) 録音について(水拭きLPレコード vs. Audirvana plus 3.0単体動作)

[追記]これは典型的な残念なレコードだったのだけど、今度は「レコード水拭き」を行い、再びトライ。 固いピアノの音が開いたような気がした。悪いCDのような音だったのだけど、レコードらしいスッキリした音になった。 一方、CD(ディジタル音源)について…

Peter Ind: Looking Out (1961) ピーター・インドって良く知らなかったが

先週、新潟のジャズフラッシュで聴いて(見て)、ジャケットが格好良かったから入手。所謂ジャケ買い、やね。勿論、内容もよい。 コニッツやトリスターノとのアルバムであるような熱くない、音楽ではあるのだけど、彼らの音が孕んでいるような緊張感はない。…

Barre Phillips: For All It Is (1971) 無心で聴きたい音

随分前に購入したレコード。バーレ・フィリップス祭り的に連続で聴いた。 ベース4人の重厚な低音に加え、打楽器を加えたことで、実に色彩豊かな音になっている。とは云え、全てがフィリップスの「作曲」であり、同じFieldの音であることを強く主張している…

Barre Phillips: Journal Violone (1969) 楽器の音の良さ

最近までバーレ・フィリップスが欧州の人だと思っていたのだけど、米国の人なんだね。最初に聴いたのがECMのアルバムなので、なんとなく勝手にそう思っただけ。そうなのだけど、胴を鳴動させて大きな音を鳴らす、あの感じがそう思わせているようにも思う。 …

William Parker: Essence Of Ellington (2012) 時間とともに変態を続けるジャズの「芯」

BandcampのAUM Fidelityのサイトで入手。元来、別レーベルの2枚組だったみたいだ。 試聴したら、もう参った。即、ダウンロード。パーカーとドレイクの組み合わせは鉄壁。外れなし。フリーとかに分類されて、広く聴かれていないのは本当に勿体ない。ジャズそ…

William Parker: Meditation / Resurrection (2016) ウィリアム・パーカーとハミッド・ブレイクの作るビート

昨夏にAUMから直接購入して聴いていなかったCD。そのうち、Bandcampでの販売が開始され、がっかりした(そっちのほうが良かった)。 今回の出張の帰国便のなかでガッチリ聴いたが、実にいい。ウィリアム・パーカーとハミッド・ブレイクの作るビートが実に快感…

ショローCLUB: from 1959 (2016) 初老、なのか?

1959年生まれの3人、によるセッション。同世代なんだなあ。 前から気になっていたアルバム。昨日、友人達と寿司屋で呑んでいたのだけど、還暦前のボクが「初老」を使ったら遮られ、「老人」と云われてしまった。コトバの本来的な定義からすると正しいのだけ…

Milcho Leviev, Charlie Haden: First Meeting (1986) 演奏よし、録音よし

富山で入手したアルバム。 ミルチョ・レヴィエフとチャーリー・ヘイデンのデュオ。1986年の録音なので、レコード最晩期。多分、そんなに沢山プレスされていないのでは、と思う。日本のアルファ・レコードの制作で、プロデュース・録音はカルフォルニアの知ら…

Richard Davis: Song For Wounded Knee (1974) リチャード・デイヴィスの電気ベース

昨日、富山で入手したレコード。初めて見た。このFlying Dutchman、ロニー・リストン・スミス、ガトー・バルビエリとか、フリー的な味を振りかけた(後で云う)フュージョンに特長があるのかな、と思う。かつてインパルスのプロデューサーだったボブ・シール…

藤掛正隆, 早川岳晴, 山本精一: 弱虫/from Gakeppuchi Session(2008) お盆の朝からこんなの聴くなんて

お盆の朝からこんなの聴くなんて、どうかしているように思えるが、予想通り良い。藤掛正隆の直球のビートをとても気に入って、続けて聴いている。ベースが早川岳晴なんで、期待しないほうが無理。 1980年頃のオーネット一派、ウルマー、タクマ、シャノン・ジ…

井野信義, Lester Bowie: Duet (1985) 音の深さや起伏の大きさ、のようなものを聴かせる

昨日、ボクはAEOCと縁が薄いようなことを書いた。ロスコー・ミッチェルは特にそうだ。 レスター・ボウイは、ジャック・デジョネットのバンドで聴いていたので、AEOCのなかでは一番聴いている。あの噴き出すような乾いたような音色、は好きだ。 このアルバム…

Paul Bley, Gary Peacock: Mindset (1992)  不在、という存在

面白いアルバム。ピーコックとブレイのアルバムだけど、全てがデュオって訳じゃない。ソロも結構混じっている。 ともに音の多さで音の密度を高めようとする奏者じゃなくて、音空間を点描のように描いたり、そこを美しい音響で満たしたり。そして、ある種の現…

Jimmy Giuffre, Paul Bley, Steve Swallow: Conversations With A Goose (1993) ブレイの音響的な美質が

ジミー・ジェフリー(1921年生)、ポール・ブレイ(1932年生まれ)、スティーブ・スワロウ(1940年生)によるインプロヴィゼーション集、と云ったアルバム。生年を書いてみると、世代がdecadeづつ異なることが分かる。1960年代のトリオの時点では、40代、30代、20…