Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

classical: contemporary

Kronos Quartet: Folk Songs (2017) 乾いた音が点景のように

Nonesuchの半額セールスで買ったレコード。ライヒのdifferent train以来、クロノスカルテットは軽くフォローしている。 このアルバムは4人のフォーク系の歌い手との共演で、B1を除き、2曲づつ唄っている。背後の弦楽は、時に古いフォーク風であり、時にアヴ…

Herbert Henck : John Cage/ Music Of Changes (1982) アイヒャーの残響という添加料に馴らされた耳には

最近もアップしたのだが、ECMでのヘンクのピアノが好きだ。硬質の音であり、その心持ち冷たい音の静かな快感は、今ぐらいの季節に気持ち良い。 そのヘンクのECMではない、ケージの曲のレコードを入手した。ジャケットには「録音優秀賞?」的なECMでおなじみ…

(ECM1726) Herbert Henck: Conlon Nancarrow, George Antheil/ Piano Music (1999) どんな作曲家かと調べたら、CDから流れる音よりも面白すぎて

ヘンクの硬質なピアノの音は好み。熱心ではないが、少しずつ買い足している。モンポウやジョン・ケージの初期作品集は良かったな。 どんな作曲家かと調べたら、CDから流れる音よりも面白すぎて、惹き込まれた。 コンロン・ナンカロウ - Wikipedia 1912-1997 …

木村まり: Voyage Apollonian (2017) 音への偏執が美音で結実

ヘンリー・カイザーのアルバムに参画している日本人に気がついた。ヴァイオリン奏者。spotifyで試聴すると、とても良い。早速、CDを入手。ライナーノートはジム・オルーク。カイザーとかオルークと繋がっている人のようだ。 electronics(interactive compute…

Linda Catlin Smith/ Mira Benjamin, Simon Limbrick: Dirt Road (2016) 路が潰える怖れのなかにあるように

カナダの作曲家の現代曲。打楽器奏者とヴァイオリン奏者のデュオ、ライヴ録音。短い無題の15曲の連鎖。 作曲家が撮影したジャケット写真が醸し出す静寂な雰囲気をコンサートホールで造りだしている。ECMと親和性の高い曲・演奏であるが、人工的な残響処理で…

Roger Muraro: Olivier Messiaen/The complete piano solo works (2016) ムラロのメシアンを聴きながらジャズのことを

ロジャー・ムラロのメシアン・ピアノ曲全集が出ていることを知ったのは随分前。艶っぽいラヴェルのピアノ全曲集に痺れたことがあったからだ。 早速聴きはじめているが、エマールのメシアン曲(先日の来日公演は聴きたかった)が透明度の高い精緻なガラス細工…

Leszek Możdżer & Aukso: Seven Pieces For Improvising Piano And Strings (2004) ジャズで聴く印象のまま現代曲に

テイラー、カーク、バルビエリの次がコレかよ、という並びだが、いや凄いコレ。 久しぶりのレシェック・モジジェル。 テイラーは現代音楽的なアプローチで、ジャズのなかに新しい音響を作り出したと思うのだけど、このアルバムは快楽的な現代音楽のなかでジ…

Steve Reich: Pulse/Quartet (2018) 偉大なマンネリ

偉大なマンネリ、だと新譜を聴くたびに思う。繰り返されるフレーズを構成する音の部品に過去が投影されている。そのマンネリ感が、聴く音の多幸感を高めている。そして新しい旋律がそっと上書きされ、幸せなマンネリ感との差分に美しさ、が投影される。 ジャ…

Víkingur Ólafsson: Philip Glass/Piano Works (2017) 快楽発生装置

アイスランドのピアニストによるグラス集。 ECMなんかでもそうだけど、北欧系のピアニストの温度感と曲が整合した時は、快楽発生装置以外の何者でもない。 このアルバムも、「ほぼ」期待通りで、すこぶる気持ち良い。ライヒのミニマルは曲への強い磁場、のよ…

最近気になった音

きっかけは Matt Mitchellの新作を聴いたことだ。よく分からないが、面白い。よく分からない、というのは、過去の様々な音との関係性から、自分のなかでのアドレスを割り付ける作業を、きっと頭の中で行っているのだけど、その作業が難航している、というこ…

高田みどり:Through The Looking Glass (1983) ゆっくりと旋回する音場に身を任せながら

少し前に入手した佐藤允彦とのアルバムに続き。これも再発のレコード。海外盤である。音はまずまず。 これを聴きながら、発売された当時(プラザ合意の前で円高不況直前)のことを思い出していた。石油ショックから世の中も癒え、高度成長は終わったが安定成…

高田みどり, 佐藤允彦: Lunar Cruise (1990) バブル絶頂の頃

思い起こすと、バブル絶頂の頃のアルバムじゃないか。その少し前に、近藤等則IMAのライヴを六本木ピットインで見た記憶があって、その数年前におもちゃのトランペットを持って、学祭会場のホールで寝っ転がっていた頃からの様変わり、に驚いたものだ。ジャズ…

Monk Mix: Remixes & Interpretations Of Music By Meredith Monk (2012) ビヨーク、アート・リンゼイ、ヘンリー・グライムスがメルディス・モンクを

Bandcampでみつけたアルバム。様々な人によるメルディス・モンク集で、REMIXも含まれる。冒頭は弦楽をバックにしたビヨークによるカヴァー。ECMのDolmen Music収録曲。声量は限られ、音域はモンクよりも狭いが、不思議な情念のようなものが注がれ、奇妙な音…

Kronos Quartet, 高橋アキ: Morton Feldman/ Piano & String Quartet (1991) 日本的な翳り

フェルドマンのFor John Cage は案外高価で、結局、最安値のamazon UKから購入した。そんな購入のための探索のなかで、このアルバムを発見。高橋アキとクロノスカルテットの組み合わせなので、迷わずクリック。やれやれ。 期待と違わず、かなりツボ。フェル…

Josje Ter Haar, John Snijders: Morton Feldman/ For John Cage (1997) フェルドマンやケイジの名前で思わず入手した一枚

ミニマルのように音が繰り返えされる。しかし、そこに律動のようなものは薄く、音の切片のようなものが、弱い光りを乱反射させながら、ひらひらと漂う。ひらひら、と形容した音の動きは軽く、ふわっとしているのだけど、そのような音が重ねられ構築された総…

Linda Catlin Smith/ Apartment House & Quatuor Bozzini: Drifter (2017) ごく自然に、そして最高の「The Most Beautiful Sound Next To Silence」を感じたい

音響的に面白し世界を紹介して頂いているよろすず氏のサイトの今年上半期のベストがこれ。カナダの作曲家試聴して、迷わずUKの会社に注文。 現代音楽。カナダの女性作曲家の作品集。ミニマリズムの影響というか、それ以降の音楽であることはどことなく感じら…

Ives Ensemble: Crane: 6 Trios/2 Solos/1 Quint (2017) ストライク

戦時中にメシアンが作曲した 世の終わりのための四重奏曲は好みで、幾つかの録音を持っている。 あのような、ボクたちが生きている空間の少し先、届きそうで届かない、清澄で何もない、そして空間の微妙な屈折率の違いが光の散乱や蔭をもたらすような、そん…

加藤訓子: Kuniko Plays Reich (2009-10) 淡色のアルバム

打楽器の独奏(多重録音含む)でのライヒ集。メセニーが弾いたElectric Counterpointを打楽器に編曲している。ライヒの監修のもと、加藤訓子が編曲。 ライヒの曲は、退屈な繰り返しスレスレのところでの微妙な音色の変化、に気がつくと、定常的な繰り返しが…

(ECM2473) Meredith Monk: On Behalf Of Nature (2015) 幾たびも幾たびも同じ手で騙されると知っていても

つい手が出てしまうなあ。 聴くと、悪く云うとマンネリ、聴いたことがあるヴォイスや打楽器やピアノが流れる。だけど、その音世界は懐かしくも手が届かず、追いかけても消えてしまうような、儚い蜃気楼のような、ありもしなかった過去を覗いているような感覚…

高橋アキ:季節はずれのヴァレンタイン (1976)木製構造物としてのピアノ

なぜかディスクユニオンのJazzTokyoにあったレコード。高瀬アキと並んでいたので笑ってしまった。笑ったけど、ラッキーだった。最近はクラシック売り場へ行かないので、この手の現代曲のレコードは入手し難い。高橋アキの現代曲は美しい、という点において、…