Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

bandcamp

 Mabuta: Welcome to this world (2018) 不思議な「ワールド・ミュージック」

久々の新譜。以前アップしたSiya Makuzeniと同じく南アフリカのバンド。Bandcampで販売している。 Siya Makuzeniのアルバムは冒頭、アフリカっぽい感じを出しているが、このアルバムには「作られたアフリカ」のような部分はない。1980年頃のフュージョンを素…

Siya Makuzeni: Out of this world (2016) アフリカで釣られたが

Bandcampのdailyのニュースで、南アフリカのジャズ奏者の紹介があった: 南アフリカというと反射神経的にダラー・ブランドなのだけど、それは40年以上前の話で今は知らないので、興味津々。そのなかで、シヤ・マクゼニ(これでいいのか?)のアルバムが面白…

Kris Davis: Octopus(2016) 一音一音の粒だった強さ

クリス・デイヴィスの前作は様々な奏者。その中の一人がクレイグ・ティボーン。 このアルバムのあと、全米ツアーのようなものをやったときの記録がこのアルバム。youtubeにも記録が残っている。 今年1月末に出たアルバム。 ボク自身はピアノ・デュオは苦手…

William Parker: Essence Of Ellington (2012) 時間とともに変態を続けるジャズの「芯」

BandcampのAUM Fidelityのサイトで入手。元来、別レーベルの2枚組だったみたいだ。 試聴したら、もう参った。即、ダウンロード。パーカーとドレイクの組み合わせは鉄壁。外れなし。フリーとかに分類されて、広く聴かれていないのは本当に勿体ない。ジャズそ…

Angelika Niescier, Florian Weber: NYC Five (2014) 硬質なジャズ、まさに今の

硬質なジャズ、まさに今の、じゃないか。 所謂フリージャズと「現代ジャズ」(定義がようわからん)とのグレーゾーンにあるように思われている、と思うが、古臭いコトバで云えば主流派的なド真ん中、と感じる。 モンクやドルフィーと同じような「アヴァンギ…

William Parker: Meditation / Resurrection (2016) ウィリアム・パーカーとハミッド・ブレイクの作るビート

昨夏にAUMから直接購入して聴いていなかったCD。そのうち、Bandcampでの販売が開始され、がっかりした(そっちのほうが良かった)。 今回の出張の帰国便のなかでガッチリ聴いたが、実にいい。ウィリアム・パーカーとハミッド・ブレイクの作るビートが実に快感…

Nicole Mitchell: Mandorla Awakening II: Emerging Worlds (2017) 得体の知れない様々な素材の溶け込み、に驚いた

大晦日にDLして聴いていたアルバム。Best Jazz的な記事によく出ていたので、気になって聴いてみた。 ボクは解説も読まないし(policyでなく、横着なのだ)、あまり音以外のhidden contextについて気にしない。だから、どのような人なのか分からない。シカゴ…

Matt Mitchell: A Pouting Grimace (2017)21世紀のthe second decadeのお終いに

年末になって、誰もいない仕事場で聴いて見た。真っ先に思ったのは、ショーリーのアルバムで、ともに現代音楽とジャズの境界領域、というより現代音楽側に踏み出している。 フリージャズに近い奏者が集っているが、作曲し尽くされたような楽曲を演奏している…

田中鮎美, Johan Lindvall, Christian Wallumrød: 3 pianos (2016) 再びレコードで聴く

この3 pianosをレコードで購入していたが、何かすかっとしていなかった。ディジタル音源で聴いていたときの空間、よりも少し濁ったような、そして薄い膜が張ったような感触。少なくないレコードで、そのような場合がある。新作であっても、そのような場合が…

Omar Sosa, Adam Rudolph: Pictures of Soul (2002-2003) さらにキューバ

キューバ出身のデイヴィッド・ヴィレレスが、そしてキューバが気になりだした。 ボクはキューバの奏者はあまり知らない。イラケレのパキィートとかチューチョ・ヴァルデスくらいか。ヴァルデスは米ケンブリッジでライヴを聴いて、度肝を抜かれたが。2000年前…

Horace Tapscott Conducting The Pan-Afrikan Peoples Arkestra: The Call (1978) もっと早く聴けば良かった

ホレス・タプスコットは何となく気になり続けて30年以上経ているが、やっと初めて聴いた。このThe callのアルバムも何回か店頭で見かけたが、結局、手を出せていない。何とbandcampに関連のアルバムが一挙にアップされていて、目眩がしてしまった。試聴する…

John Butcher, Thomas Lehn, Matthew Shipp: Tangle (2014) 空間の断層を貫く音

空間の断層を貫く音、を聴いたような気分だ。マシュー・シップの音源をbandcampで探していて見つけ、試聴すると即座に引っ張られた。 John Butcherという即興音楽系の奏者と、 Matthew Shippというジャズの巨人に連なる奏者の組み合わせに興味を持った。そし…

Mark Guiliana: Jersey (2017) 熱狂の後始末は難しい

2013年の年末だったか、メルドーとジュリアナのデュオ・ユニット「Mehliana」のプロモーション・ヴィデオを見たことが、彼を強く認識したときだ。Now.vs.Nowでも聴いていたが、メカニカルなシンバルの音にヤラれた。大阪クアトロでライヴも聴いたし、ジュリ…

Monk Mix: Remixes & Interpretations Of Music By Meredith Monk (2012) ビヨーク、アート・リンゼイ、ヘンリー・グライムスがメルディス・モンクを

Bandcampでみつけたアルバム。様々な人によるメルディス・モンク集で、REMIXも含まれる。冒頭は弦楽をバックにしたビヨークによるカヴァー。ECMのDolmen Music収録曲。声量は限られ、音域はモンクよりも狭いが、不思議な情念のようなものが注がれ、奇妙な音…

Moonchild: Voyager (2017) お約束通り

Bandcampのサイトでレコードを注文していた。ほぼ1週間でUKから届いた。ヨーロッパからの便は比較的安価。 お約束通り、レコードの柔らかい、親密な音を愉しんでいる。 Voyager [輸入アナログ盤 / DLコード付] (TRULP341)_457 [Analog] アーティスト: MOONC…

Chris Pitsiokos: Valentine's Day (2017) インタビューが面白かったけど、演奏も面白かった

私事を少々。1980年前後の数年間、ジャズを沢山聴いた、レコードも沢山買った。就職とともに、タコ部屋のような寮で聴くこともママならず、寮を出る頃は仕事が佳境。毎日が桶狭間状態。1980年頃に親しんだ奏者のCDを中心にソコソコだった。で、早期定年で金…

Tyshawn Sorey: Verisimilitude (2017) 確かにECMの先に広がる風景を見ているようだ

静寂のなかにある。そしてゆっくりと揺らぐ音の様相は、思いの外複雑で、音全体の骨格のようなものを見せない。といって、遠心力を孕んだ音ではなく、音の粒ひとつひとつがブラウン運動のような不規則と思わせるような動きをみせながら、漂う音の翳のような…

Snakeoil: Anguis Oleum (2016) ある種のワン・パターンなのだけど

ある種のワン・パターンなのだけど、ティム・バーンの音楽の快楽は、そのような定型性のなかにあるように思えている。マット・ミッチェルのピアノが実によくて、ついBandcampでダウンロードしてしまった。 聴いているとメシアンの室内楽のように感じたりする…

Nakama: Most Intimate (2016) 音の流れがとても美しい

もう随分と前のことだと思っていたのだけど、彼らをもっきりやで聴いたのは、ほんの数ヶ月前だったのだ。ミニマル的なアプローチをとりながら、楽器の音響的な広がりを聴かせる、ジャズと現代音楽が渾然としたような音楽の面白さに惹かれた。 それは彼らのル…

高瀬アキ, Silke Eberhard: Ornette Coleman Anthology (2006) 実に楽しいオーネット・コールマン・アンソロジー

昨日は高橋アキで、今日は高瀬アキ。ややこしい。どちらも好きなピアニスト。時々、ディスクユニオンのジャズ・コーナーで高橋アキを救出することがあるので、ボクだけややこしい、訳ではなさそうだけど。 それはともかく、このオーネット・コールマン・アン…

Jason Moran: Bangs (2016) アヴァンギャルド系の奏者が担っている音響的な深みを

JOE氏の記事で気がついたが、彼とは逆にDLで$20に引っかかって、手が出なかったアルバム。ジェイソン・モラン、メアリー・ハルヴァーソン、ロン・マイルズという、不思議な組み合わせ。 2ヶ月近くたって、はっと思い出して、試聴したらイケるではないか。イ…

Diego Barber: One Minute Later (2017) ハーランドはいいなあ、と改めて思わせる一枚

クレイグ・ティボーン聴きの一環で聴いた前作はよかった。ティボーンとギターが重なり合うミニマル的な旋律が美しく、一時は繰り返し聴いていた。そんなことで、新作にも手を出した。Bandcampの場合、単価はCDより安いので、購入の敷居は低い。$9だからね。…

Tim Berne: Fulton street maul (1987) 新作の訳がないかあ

最近気になるティム・バーンのBandcamp上のサイトを見ていると、アルバムが増えている。 2016年リリースと表記されている本作を試聴すると、ビル・フリーゼルが吠えている、ではないか。かつては破壊活動をしていた新左翼の活動家だったが、最近は中道左派で…

Elliott Sharp, Mary Halvorson, Marc Ribot: Err Guitar (2016) 脳内回廊の皮膜

ボクはギターに好ましくない先入観のような偏見が(かつて)あった。そんな話を大学の同級生、といっても試験のときにしか見なかった軽音所属のM君、にすると、最初に聴かせてくれたのはジム・ホールのベルリン。それで偏見はするっと無くなったが、あまり聴…

Alexandra Grimal: Andromeda (2011) 菊地雅章の「音」の断片

Bandcampでタマタマ見つけてダウンロードしたアルバム。昨年から聴いている様々なアルバムのなかで、かなりストライクのアルバム、といってもエジプト出身のアレクサンドラ・グリマル女史のサックスではなく、トッド・ニューフィールドのギター、トーマス・…

Peter Evans: Ghosts (2011) 惰性のもとにある意識を振り落とす

このアルバムがbandcampにアップされた。非圧縮の美しい音で楽しむことができる。改めて聴いているが、実に素晴らしいアルバム。伝統的なジャズのビートで聴き手を油断させるが、はっと気がつくと、そのような惰性のもとにある意識を振り落とすような逸脱、…

Matt Mitchell: Førage (2017) 柔らかな感じで、音の総体が揺らいでいるような

いわゆるフリーミュージックって、音響が楽しい、と気づかせてくれたのはEvan Pakerのソロを生で聴いた体験。そうすると、モンクなんかもその流れの中で、頭の中で再コンパイルされた感覚がある。そんなフリーミュージックの脳内認知にあたって、クラシック…

Jinchūriki: Kyūbi (2016) 美しいということ

この一ヶ月、体調を崩していて、音を意識に当て、その反応を探り、楽しむような遊び、はできなかった。音を意識に当てる、感覚になる前に、感情に刺さって激痛が走るような感じ、だったような気がする。 つい数日前に復旧したと同時に、ある種の「余裕」(メ…

Peter Evans: Destination : Void (2013) SF的な廃墟、のような空間に響く

今年は春先にEvan Parkerを聴いてから、Free Musicへの脳内回廊が開き、思わぬ年になった。今年になって、はじめて聴いた奏者も実に多いのだけど、そのなかでピーター・エヴァンスは「スタイル」的にはFree JazzとかImprovised musicよりも、伝統的なジャズ…

John Escreet: The Unknown (2016) ジャズとimprovised musicの間に在るもの

今朝、Bandcampからダウンロードしたアルバム。$9也。円安傾向なので、1000円超えるが。メンバーを見て、ほとんど衝動的にクリックしてしまった。John Escreet(p), Evan Parker(sax), John Hébert(b), Tyshawn Sorey(ds)だからねえ。今年の欧州でのライヴ。 …