Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

avantgarde

山下洋輔:Chiasma (1975) 西独盤を入手してみた

山下洋輔の1975年のライヴ。ベルリンだったかな。最初から最後まで熱狂するドイツ人のなかで、汗飛び散らし脈動する音楽。

John Butcher, Thomas Lehn, Matthew Shipp: Tangle (2014) 空間の断層を貫く音

空間の断層を貫く音、を聴いたような気分だ。マシュー・シップの音源をbandcampで探していて見つけ、試聴すると即座に引っ張られた。 John Butcherという即興音楽系の奏者と、 Matthew Shippというジャズの巨人に連なる奏者の組み合わせに興味を持った。そし…

富樫雅彦, 高柳昌行: Pulsation (1983) レコードを入手した

昨日届いたCD。これの他、数枚、レコード入手の長期戦を決め、CDを入手した。最近の再発CDは音が良く、高価なレコードに固執することもなかろう、という判断。キング・レコードのPaddle Wheel盤のディスク・ユニオン(DIW)からの再発、TBMの再発はそのような…

Peter Evans: Live In Lisbon (2010 ) ボクのなかの21世紀

昨日届いたCD。早速、仕事場で聴いているが、掴まれてしまって、何回も何回も聴いている。 ボクのなかの21世紀、のジャズはピーター・エヴァンスの音だと思っている。アヴァンギャルドな響きを放ちながら、ボク達と分かち合える「ジャズ」的な律への回帰、が…

James Blood Ulmer, The Thing: Baby Talk (2015)  1980年頃の若者にとってのウルマー

Bandcampからの新譜のメイルが届いた後の反応: (8月にメイルが来たのだけど予約のみ。発売時点では忘れているので、やはり発売時メイルが正しいと思う!) ほぼ同じタイミングでのツイート。「The Thingとウルマーの共演」と思った自分と、「ウルマーの新…

Air: Air Raid (1976) 3人が攻守を切り替えながらジャズの過去・現在・未来を

これも富山で入手したレコード。 Airのレコードは35年くらい前に2枚入手したのだけど、何となく合わない感じで、そんなに聴かなかった。近年になって、悠雅彦プロデュースのWhy Notレーベルでのデビュー作を聴いて、その素晴らしさに開眼。 このアルバムは1…

Evan Parker, Mark Nauseef , Toma Gouband: As The Wind (2012) 本当にこのアルバムは素晴らしい

1980年頃のフリージャズへの入り口は「いんたーぷれい8」の山下洋輔。さらにimprovised musicへの入り口は同志社大学での近藤等則とトリスタン・ホンジンガーのデュオ。ICPオーケストラを聴いたあたりが、気持ちのなかのピークだった。その頃、エヴァン・パ…

原田依幸, Tristan Honsinger: Margin (2006) 粒状に音が立ち

間違いなく、ボクの好みの中心、の音だ。原田のピアノは粒状に音が立ち、スピードをあげても濁らない。そしてホンジンガーのチェロと作用・反作用を繰り返しながら、様々な速さの音を溢れさせる。そして音の速さの変曲点のようなところで、音が弾けて、美し…

Chris Pitsiokos: Valentine's Day (2017) インタビューが面白かったけど、演奏も面白かった

私事を少々。1980年前後の数年間、ジャズを沢山聴いた、レコードも沢山買った。就職とともに、タコ部屋のような寮で聴くこともママならず、寮を出る頃は仕事が佳境。毎日が桶狭間状態。1980年頃に親しんだ奏者のCDを中心にソコソコだった。で、早期定年で金…

Ikue Mori: Obelisk (2017) 少し背景に「軽く」引いたとき

昨日、Tzadikのダウンロード販売サイトを見つけて、購入したもの。 最近、幾つかのCDで名前を見るようになって(というか、名前を見るジャンルへボクが移動しただけ)、気になっていた。テイボーンとの作品は印象的で、気になる名前になった。 勝手に日系人…

(ECM2579) Tim Berne's Snakeoil: Incidentals (2014) ティム・バーンはワン・パターンか

先日、ディスクユニオン新宿で買ってきたもの。価格が落ち着くのが待ちきれなかったので、普段の1.5倍くらいの価格で購入。このティム・バーンの新譜はECMから。バーンの音源は、何を聴いても同じように聴こえることは否めない。ティム・バーンはワン・パタ…

内田修ジャズコレクション 人物VOL.1 高柳昌行(1981-91) ジャズ奏者「高柳昌行」の全貌を集めた素晴らしいCD

今回の岡崎訪問で入手したなかで、やはり白眉は高柳昌行のアンソロジー。さすがにオープンリールでの録音、多分、オンボード(だよね)だけあって、音が良い。正式な録音が少ない彼のアルバムへの、ある種の飢餓感を十分埋めるのだ。 TBMで高柳昌行を何枚か…

高柳昌行, 阿部薫: 解体的交感 (1970) ディスクユニオンの復刻レコード盤

まず結論から。かなり復刻盤としては高価であり、購入に躊躇したが、塙監修、を信じて良かったと思う。CDと聴き比べたが、ギターの音の解像度が上がっていて、音の粒度、のようなものが、かなり細かく聴こえる。そして、確かに過剰な音群なのだけど、そこに…

井上敬三: Boys Be Ambitious! (1984) 美しく・強く管が鳴る

30年以上前に買ったレコードを聴いてみる。当時、老年でのデビューと騒がれた(今のボクと同年代だ!)井上敬三の面白味は、管の音、響きの美しさだと、改めて思った。このアルバムは渡辺香津美のプロデュースで、当時の彼の色が強く出ている。そのようなプ…

富樫雅彦: Rings(1975) 打楽器の響きの美しさ

ゆっくりと富樫雅彦のレコードを集めている。実は、このアルバムの存在は長く知らなかった。打楽器のソロ、としては後年のFaces of percussionsが最初、と思っていた。1970年代末、コロンビアとかビクターの日本盤は店頭で見かけたら購入していたから。だか…

藤掛正隆, 早川岳晴, 山本精一: 弱虫/from Gakeppuchi Session(2008) お盆の朝からこんなの聴くなんて

お盆の朝からこんなの聴くなんて、どうかしているように思えるが、予想通り良い。藤掛正隆の直球のビートをとても気に入って、続けて聴いている。ベースが早川岳晴なんで、期待しないほうが無理。 1980年頃のオーネット一派、ウルマー、タクマ、シャノン・ジ…

Misha Mengelberg, 豊住芳三郎: 逍遥遊 (1994) 距離の伸縮

最近、このアルバムの存在を知って、入手。ミシャがこの世から去って、遅すぎる個人的なブーム。 ピアノとドラムとのデュオというと、真っ先にハンとのデュオを想起する訳なのだけど、その違いが面白いアルバム。 ICPの2人はとてもリラックスした雰囲気のな…

Misha Mengelberg: Four In One (2000) モンクやドルフィーの「奇妙な味」の継承者

ミシャとハンの組み合わせの面白さ、は、伝統的なジャズというよりは、(多分)欧州の路上芸とか大衆芸能に根ざしたような非米的なタイム感覚が起こすジャズとの「摩擦熱」のような感覚だと思う。だから4ビートを叩いても、そこには「奇妙な感覚」が付きま…

Tyshawn Sorey: Verisimilitude (2017) 確かにECMの先に広がる風景を見ているようだ

静寂のなかにある。そしてゆっくりと揺らぐ音の様相は、思いの外複雑で、音全体の骨格のようなものを見せない。といって、遠心力を孕んだ音ではなく、音の粒ひとつひとつがブラウン運動のような不規則と思わせるような動きをみせながら、漂う音の翳のような…

加藤崇之, 藤掛正隆: ten-shi(2014) たのしい

こういった音楽の面白さ、をコトバにすることができないのだけど、いや、コトバにした瞬間に混沌とした音の塊の面白さが変質してしまうような、そんな気もする。 灰野敬二のアルバムが面白かったので、さらに。 ボクのなかで強く惹かれているのは藤掛正隆。…

富樫雅彦: Passing In The Silence (1993) 何もない世界の縁が直ぐそこに迫るような

富樫雅彦のソロ。この作品のおよそ10年前のThe face of percussionに続く作品。 富樫雅彦のアルバムは無理せずゆっくり集めていて、先日、安値で入手した。 ソロでの富樫は、ビートやドライヴ、グルーヴといったジャズに対する遠心力を最大限働かせているよ…

Snakeoil: Anguis Oleum (2016) ある種のワン・パターンなのだけど

ある種のワン・パターンなのだけど、ティム・バーンの音楽の快楽は、そのような定型性のなかにあるように思えている。マット・ミッチェルのピアノが実によくて、ついBandcampでダウンロードしてしまった。 聴いているとメシアンの室内楽のように感じたりする…

Nakama: Most Intimate (2016) 音の流れがとても美しい

もう随分と前のことだと思っていたのだけど、彼らをもっきりやで聴いたのは、ほんの数ヶ月前だったのだ。ミニマル的なアプローチをとりながら、楽器の音響的な広がりを聴かせる、ジャズと現代音楽が渾然としたような音楽の面白さに惹かれた。 それは彼らのル…

Akmee: Neptun (2016) ピアノとドラムが現代的な匂い、を流し込むような瞬間

田中鮎美のレコードと一緒に届いた。クリスチャンからのギフト。 メタ・フリーミュージック的な、現代音楽との融解した境界線を狙うが如きNakama recordsの作品のなかで、異色なほどジャズ的。これが実に美味しい。先日、ジェイソン・モランのアルバムで書い…

田中鮎美, Johan Lindvall, Christian Wallumrød: 3 pianos (2016) レコードで聴く

Nakama recordsに注文していたレコードが届いた。注文は半年以上前だったのだけど、本作の仕上がりが満足しなかった、とクリスチャンから連絡があり、それから随分かかった。クリスチャンはお詫び、に新しい1枚を足してくれた。 届いたレコードを聴いて、レ…

高瀬アキ, Silke Eberhard: Ornette Coleman Anthology (2006) 実に楽しいオーネット・コールマン・アンソロジー

昨日は高橋アキで、今日は高瀬アキ。ややこしい。どちらも好きなピアニスト。時々、ディスクユニオンのジャズ・コーナーで高橋アキを救出することがあるので、ボクだけややこしい、訳ではなさそうだけど。 それはともかく、このオーネット・コールマン・アン…

Jason Moran: Bangs (2016) アヴァンギャルド系の奏者が担っている音響的な深みを

JOE氏の記事で気がついたが、彼とは逆にDLで$20に引っかかって、手が出なかったアルバム。ジェイソン・モラン、メアリー・ハルヴァーソン、ロン・マイルズという、不思議な組み合わせ。 2ヶ月近くたって、はっと思い出して、試聴したらイケるではないか。イ…

井野信義, Lester Bowie: Duet (1985) 音の深さや起伏の大きさ、のようなものを聴かせる

昨日、ボクはAEOCと縁が薄いようなことを書いた。ロスコー・ミッチェルは特にそうだ。 レスター・ボウイは、ジャック・デジョネットのバンドで聴いていたので、AEOCのなかでは一番聴いている。あの噴き出すような乾いたような音色、は好きだ。 このアルバム…

(ECM 2494/95) Roscoe Mitchell: Bells For The South Side (2015) 精緻な音の空間

ボクはAEOC関連のアルバムについては、ブリジット・フォンテーヌでしか聴いていなくて、極めて縁が薄い。だから、このアルバムが彼らの過去の業績に照らしそうか、なんてことは書けない。むしろ、ソーリーとかテイボーンとかの参加が気になっていた。 AEOCに…

Tim Berne: Fulton street maul (1987) 新作の訳がないかあ

最近気になるティム・バーンのBandcamp上のサイトを見ていると、アルバムが増えている。 2016年リリースと表記されている本作を試聴すると、ビル・フリーゼルが吠えている、ではないか。かつては破壊活動をしていた新左翼の活動家だったが、最近は中道左派で…