Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

avantgarde

Mary Halvorson: Paimon The Book Of Angels Volume 32 (2017) ゾーンの曲に惹かれたのか、ハルヴォーソンに惹かれたのか

メアリー・ハルヴォーソンには関心がありつつも、すっと入ってくることが少なく、関心の割には聴いていない。しかしこのアルバムは違った。多分、ゾーンの曲が聴き手(ボク)のなかの壁を突破する力、を与えているのだと思う。 このアルバムについては、以下…

今年よく聴いたアルバム、さらに吉田野乃子のアルバムを

通勤路で、トリオ深海ノ窓を聴いていると、止めどもなく多幸感がある。音楽を聴く愉しみ。今年聴いたアルバムでは、クレイグ・テイボーン/イクエ・モリのデュオと並ぶ回数。ともに今年気に入ったアルバム。 ともにフリー的な語法が美しくパッケージ化されて…

The Gigi Gryce-Donald Byrd Jazz Laboratory & The Cecil Taylor Quartet: At Newport (1957) ある日、あるバーで

ある日、あるバーでかかったレコード。日本盤の安レコード。 ジャズ喫茶でもなかなか鳴らないようなレコードが、ほとんどロックかソウルばっかりの自称「ロックバー」でかかった。「**君(ボクの名字)、聴いたことある」とか云って、店主はちょっと得意そ…

田中鮎美, Johan Lindvall, Christian Wallumrød: 3 pianos (2016) 再びレコードで聴く

この3 pianosをレコードで購入していたが、何かすかっとしていなかった。ディジタル音源で聴いていたときの空間、よりも少し濁ったような、そして薄い膜が張ったような感触。少なくないレコードで、そのような場合がある。新作であっても、そのような場合が…

Pharoah Sanders: Jewels Of Thought (1970) 半世紀の間

昨日、届いたレコード。結局のところ、ジャズを聴きはじめた頃に隆盛?だったロフトジャズと周辺の奏者に好みが戻ってきた。太い管の音と、背後で躍動するビートを聴いているだけで、多幸感満点だ。辛気くさい(と思っていた)最終期のコルトレーンでのファ…

吉田野乃子: Lotus (2015) サックスソロの苦手感

トリオ深海ノ窓とともに、奏者からの直販。 実は、元来サックス・ソロは苦手。学生の頃にブラックストンのフォー・アルトに全く馴染めなかったからだ。息苦しさ、のようなものを押しつけられた感覚、だった。 ようやく管の音響の面白さ、に気づかされたのは…

トリオ深海ノ窓: 目ヲ閉ジテ見ル映画(2017) 今の時代でなければ聴くこともなかろうが

吉田野乃子、田中啓文氏の本で知ったサックス奏者であるが、今の時代でなければ聴くこともなかったかもしれない。 というのは、JOE氏のサイトで新作の存在を知り、 youtubeでその音を知り、 そして奏者直販(野乃屋レコーズ: nonoko_yoshida@yahoo.co.jp)のCD…

Pharaoh Sanders: Pharaoh (1964) ESPは

週末に届いていたレコード。ESPは、昔、日本のレコード会社から出た廉価盤でアイラーとコールマンを揃えた時に、ゴリゴリのフリーだなあ、と思った。40年近く前だ。だからフリージャズを聴かなくなると、気にすることもなくなった。 しかし、今になってブレ…

Evan Parker, Matthew Shipp: Abbey Road Duos (2006) 二つの異なる味

マシュー・シップはジョン・ブッチャーとの演奏がとても素晴らしく、気になっている。最近まで聴かなかった奏者だけど。 ジャズ的な音であり、また響きの美しさ、で群を抜く。ボクの頭のなかで、先日逝去されたムハール・リチャード・エイブラムスと同じアド…

Marion Brown: Porto Novo(1967) Aristaの再発シリーズのカット盤(懐かしい)

1967年のFreedom盤。これを1970年代後半にAristaが再発。ボクがFree Jazzを聴きはじめた頃、このAristaのシリーズは売れなかったためかカット盤が安価に流通していた。当時、お世話になった。今、creditを見るとマイケル・カスクーナが再発のプロデュース。…

Franklin Kiermyer, Pharoah Sanders: Solomon's Daughter (1994) 直球で勝負する様子、真っ向から挑む様子

10年前にシカゴで入手したCD。何故かファラオが充実していた記憶がある。ファラオがリーダではなく客演盤を2枚、フランクリン・キアマイヤ盤(コレ)とアレックス・ブレイク盤を入手。 アレックス・ブレイク盤はテレサでの吹き込みの雰囲気に近く、豪放なフ…

ショローCLUB: from 1959 (2016) 初老、なのか?

1959年生まれの3人、によるセッション。同世代なんだなあ。 前から気になっていたアルバム。昨日、友人達と寿司屋で呑んでいたのだけど、還暦前のボクが「初老」を使ったら遮られ、「老人」と云われてしまった。コトバの本来的な定義からすると正しいのだけ…

山下洋輔:Chiasma (1975) 西独盤を入手してみた

山下洋輔の1975年のライヴ。ベルリンだったかな。最初から最後まで熱狂するドイツ人のなかで、汗飛び散らし脈動する音楽。

John Butcher, Thomas Lehn, Matthew Shipp: Tangle (2014) 空間の断層を貫く音

空間の断層を貫く音、を聴いたような気分だ。マシュー・シップの音源をbandcampで探していて見つけ、試聴すると即座に引っ張られた。 John Butcherという即興音楽系の奏者と、 Matthew Shippというジャズの巨人に連なる奏者の組み合わせに興味を持った。そし…

富樫雅彦, 高柳昌行: Pulsation (1983) レコードを入手した

昨日届いたCD。これの他、数枚、レコード入手の長期戦を決め、CDを入手した。最近の再発CDは音が良く、高価なレコードに固執することもなかろう、という判断。キング・レコードのPaddle Wheel盤のディスク・ユニオン(DIW)からの再発、TBMの再発はそのような…

Peter Evans: Live In Lisbon (2010 ) ボクのなかの21世紀

昨日届いたCD。早速、仕事場で聴いているが、掴まれてしまって、何回も何回も聴いている。 ボクのなかの21世紀、のジャズはピーター・エヴァンスの音だと思っている。アヴァンギャルドな響きを放ちながら、ボク達と分かち合える「ジャズ」的な律への回帰、が…

James Blood Ulmer, The Thing: Baby Talk (2015)  1980年頃の若者にとってのウルマー

Bandcampからの新譜のメイルが届いた後の反応: (8月にメイルが来たのだけど予約のみ。発売時点では忘れているので、やはり発売時メイルが正しいと思う!) ほぼ同じタイミングでのツイート。「The Thingとウルマーの共演」と思った自分と、「ウルマーの新…

Air: Air Raid (1976) 3人が攻守を切り替えながらジャズの過去・現在・未来を

これも富山で入手したレコード。 Airのレコードは35年くらい前に2枚入手したのだけど、何となく合わない感じで、そんなに聴かなかった。近年になって、悠雅彦プロデュースのWhy Notレーベルでのデビュー作を聴いて、その素晴らしさに開眼。 このアルバムは1…

Evan Parker, Mark Nauseef , Toma Gouband: As The Wind (2012) 本当にこのアルバムは素晴らしい

1980年頃のフリージャズへの入り口は「いんたーぷれい8」の山下洋輔。さらにimprovised musicへの入り口は同志社大学での近藤等則とトリスタン・ホンジンガーのデュオ。ICPオーケストラを聴いたあたりが、気持ちのなかのピークだった。その頃、エヴァン・パ…

原田依幸, Tristan Honsinger: Margin (2006) 粒状に音が立ち

間違いなく、ボクの好みの中心、の音だ。原田のピアノは粒状に音が立ち、スピードをあげても濁らない。そしてホンジンガーのチェロと作用・反作用を繰り返しながら、様々な速さの音を溢れさせる。そして音の速さの変曲点のようなところで、音が弾けて、美し…

Chris Pitsiokos: Valentine's Day (2017) インタビューが面白かったけど、演奏も面白かった

私事を少々。1980年前後の数年間、ジャズを沢山聴いた、レコードも沢山買った。就職とともに、タコ部屋のような寮で聴くこともママならず、寮を出る頃は仕事が佳境。毎日が桶狭間状態。1980年頃に親しんだ奏者のCDを中心にソコソコだった。で、早期定年で金…

Ikue Mori: Obelisk (2017) 少し背景に「軽く」引いたとき

昨日、Tzadikのダウンロード販売サイトを見つけて、購入したもの。 最近、幾つかのCDで名前を見るようになって(というか、名前を見るジャンルへボクが移動しただけ)、気になっていた。テイボーンとの作品は印象的で、気になる名前になった。 勝手に日系人…

(ECM2579) Tim Berne's Snakeoil: Incidentals (2014) ティム・バーンはワン・パターンか

先日、ディスクユニオン新宿で買ってきたもの。価格が落ち着くのが待ちきれなかったので、普段の1.5倍くらいの価格で購入。このティム・バーンの新譜はECMから。バーンの音源は、何を聴いても同じように聴こえることは否めない。ティム・バーンはワン・パタ…

内田修ジャズコレクション 人物VOL.1 高柳昌行(1981-91) ジャズ奏者「高柳昌行」の全貌を集めた素晴らしいCD

今回の岡崎訪問で入手したなかで、やはり白眉は高柳昌行のアンソロジー。さすがにオープンリールでの録音、多分、オンボード(だよね)だけあって、音が良い。正式な録音が少ない彼のアルバムへの、ある種の飢餓感を十分埋めるのだ。 TBMで高柳昌行を何枚か…

高柳昌行, 阿部薫: 解体的交感 (1970) ディスクユニオンの復刻レコード盤

まず結論から。かなり復刻盤としては高価であり、購入に躊躇したが、塙監修、を信じて良かったと思う。CDと聴き比べたが、ギターの音の解像度が上がっていて、音の粒度、のようなものが、かなり細かく聴こえる。そして、確かに過剰な音群なのだけど、そこに…

井上敬三: Boys Be Ambitious! (1984) 美しく・強く管が鳴る

30年以上前に買ったレコードを聴いてみる。当時、老年でのデビューと騒がれた(今のボクと同年代だ!)井上敬三の面白味は、管の音、響きの美しさだと、改めて思った。このアルバムは渡辺香津美のプロデュースで、当時の彼の色が強く出ている。そのようなプ…

富樫雅彦: Rings(1975) 打楽器の響きの美しさ

ゆっくりと富樫雅彦のレコードを集めている。実は、このアルバムの存在は長く知らなかった。打楽器のソロ、としては後年のFaces of percussionsが最初、と思っていた。1970年代末、コロンビアとかビクターの日本盤は店頭で見かけたら購入していたから。だか…

藤掛正隆, 早川岳晴, 山本精一: 弱虫/from Gakeppuchi Session(2008) お盆の朝からこんなの聴くなんて

お盆の朝からこんなの聴くなんて、どうかしているように思えるが、予想通り良い。藤掛正隆の直球のビートをとても気に入って、続けて聴いている。ベースが早川岳晴なんで、期待しないほうが無理。 1980年頃のオーネット一派、ウルマー、タクマ、シャノン・ジ…

Misha Mengelberg, 豊住芳三郎: 逍遥遊 (1994) 距離の伸縮

最近、このアルバムの存在を知って、入手。ミシャがこの世から去って、遅すぎる個人的なブーム。 ピアノとドラムとのデュオというと、真っ先にハンとのデュオを想起する訳なのだけど、その違いが面白いアルバム。 ICPの2人はとてもリラックスした雰囲気のな…

Misha Mengelberg: Four In One (2000) モンクやドルフィーの「奇妙な味」の継承者

ミシャとハンの組み合わせの面白さ、は、伝統的なジャズというよりは、(多分)欧州の路上芸とか大衆芸能に根ざしたような非米的なタイム感覚が起こすジャズとの「摩擦熱」のような感覚だと思う。だから4ビートを叩いても、そこには「奇妙な感覚」が付きま…