Kanazawa Jazz Days

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

Toots Thielemans: Live In The Netherlands (1980) 重量級メンバーのなかの軽量級

ジャズを聴いていると、日々、あの世へ旅立つ人がいる。だから、いちいち追悼しない、ということにしている。それよりも、彼らのことを忘れないように、レコードをかけている。何回かけたって、音は虚空に吸い込まれていって、帰ってこないのだけど。 シール…

渡辺香津美: KYLYN Live (1979) 坂本龍一のこと

発売は1979年だっただろうか。ジャズを聴きはじめた頃に、「流行りのクロスオーヴァー」を聴こうと、手にした。案外、面白かった、と思った記憶がある。清水靖晃の豪快なブロウ、矢野顕子のエキセントリックなヴォーカル、が印象的だった。 先週、職場の若い…

Elina Duni: Muza E Zezë (2014) 民族音楽的なノリはなくて、軽い感じで、楽しめるアルバム

ネット上で、吉本秀純さんが以下のインタビュー記事を執筆、紹介された: 名門ECMから作品を発表していますが、日本語の記事自体もほとんどなく貴重な内容となっているかなと思います。アルバニアの音楽のことから、彼女のジャズに対する考え方、盟友である…

Trio Tzane: Gaitani(2010) 欧州から見える東方世界の景色

パリで結成されたフランス人、トルコ人、ギリシャ人のグループなので、民族音楽が持つある種のクセが消え、淡いエキゾティシズムが汎世界的な香りを与えているのだろう。ブリジット・フォンティーヌの音楽と通底する世界のように感じる。

The Montgomery Brothers: Groove Yard (1961) モノラル盤の魅力

いつ何処で買ったかは思い出せない。Riversideのモノラル盤のオリジナル(あるいはオリジナルに準ずる)が、驚くほど安価で置いてあった記憶、と、買っただけで聴いていない記憶、だけがあった。 ときどき拝見するブログで、この「注目されない」盤が実は素…

Joe Zawinul: Faces & Places (2002) 21世紀のWeather Report

2000年を過ぎた頃は、惰性ではジャズを聴いていたが、面白い音欠乏症も甚だしい感じだったような気がする。ディスクガイド「200CD 21世紀へのジャズ」を読みながら、面白そうな音を探したのが懐かしい。 200CD 21世紀へのジャズ 作者: 村井康司,都並清史,寒…

山中千尋: Guilty Pleasure (2016) 今風のリズムが気持ちよい

最近、apple musicでよく聴いている。ドラムが叩きだす今風のリズムが気持ちよい。一番良かったのは、電気ピアノを弾くタイトル曲だと思うが、どうだろうか。 デビューアルバムを店頭で聴き、そのまま買ったのは15年前。ヘッドホンを付けて試聴すると、ジャ…

Ricardo Herz & Antonio Loureiro (2014) なにものでもない、されど、なにものかである音楽

アントニオ・ロウレイロはミナスの多楽器奏者・歌い手。東京でのライヴアルバムですっかり掴まれてしまった。 このアルバムはロウレイロがヴィビラホンを弾く、ヴァイオリンとのデュオ。彼の素晴らしい唄、がないと気がついてがっかりしたのは一瞬。なにもの…

渡辺貞夫:Live in Nemuro 1977 (1977) ネムロ買い、の一枚

とにかく聴いて欲しいと思う。1980年頃、各地で開催されたジャズ・フェスティバルで聴くことができた日本のジャズの空気が詰まっている。apple musicでも聴くことができる。

Robert Glasper: Everything's Beautiful (2016) レコードで聴いてみた

月曜日、新宿でLPレコードを買った。結論からいうと正解。非常に音が良い。「グラスパのアルバムとして」、とても楽しむことができる。 音の分解能が高いので、音の構成要素をじっくり聴くも、もともとのトラックの雰囲気のようなものは分からなかった。それ…

Archie Bell & The Drells: Tighten Up(1968) 仕事場のBGM

今日の仕事場のBGMはこれ。冒頭のtighten upはいいなあ。もう50年近く前の曲とは思えない。ベース・ラインやギターのキレも格好いい。他の曲から頭が出ているように思えるがどうだろうか。 以前からレコードが欲しいのだけど、店頭では安価ではない。米国で…

Muhal Richard Abrams: Afrisong (1975) ただただ美しい

Sightsongもそうなのだけど、このアルバムでの彼のピアノはただただ美しい。所謂「前衛ジャズ」的な難解さはカケラもない。西洋音楽の調性が持つ美しさを、彼の身体表現として、ごく自然に翻訳しているような、感じ。 このアルバムも、アフリカ的なものを強…

Don Cherry: Home Boy Sister out (1985) ジャンルを軽々超えた軽やかなトランペッター

Home Boy Sister outはCherryが亡くなる10年前、晩年に残したアルバム。

Jim Hall & Basses (2001) 現代の音

最近、デレク・ベイリーとか高柳昌行を面白がって聴いている。何が面白いのか、よく分からなかったが、最近になって、単純な話で、弦が紡ぎ出す音響の面白さ、ではないか、と感じている。指、あるいはピック、あるいは弓(!、高柳の作品)などで、打撃が与…

菊地雅章: 再確認と発展(1970) 何ものかのようで何ものでもない

何ものかのようで何ものでもない音楽、だと思う。いつだったか、youtubeの音源へのコメントを見ていると、菊地は電化マイルスのコピーだよ、と海外の聴者からの書き込みがあった。確かに、そのように感じる部分もある、しかし、具体的に何処がマイルスのコピ…

Pierre-Laurent Aimard: African Rythm(2003) ミニマル・美音・音の快楽

アフリカの民族音楽とエマールによるリゲッティとライヒの曲を交互に組み合わせたアルバム。 アフリカの音はミニマルそのもの。冷ややかな音感で収録されていて、それがアルバム全体として素晴らしい統一感を生み出している。エマールはピアノを美しく響かせ…

Tavinho Moura: beira da linha - instrumental de viola (2016) 大洋レコードからの便り

このアルバムは、全くケレン味のないギターのソロ。カイピーラ・ギター、というブラジルの楽器らしい。詳しくは大洋レコードのサイトで。とても詳しく紹介されている。

Egberto Gismonti (1969) 音の振幅

音の振幅が大きい、というか、ボッサ風からジャズ風、MPB風と広がっているが、ジスモンチの音そのもの。冒頭の曲が、40以上前からジスモンチはジスモンチであって、そんなに変わっていないことを知る。 今春のナナ・ジスモンチのコンサートは、ナナの逝去で…

Diego Schissi: Tongos (2010) 過剰で奇妙な味

これはアルゼンチンのタンゴあるいはジャズ奏者のシネシのアルバム。アギューレのような。自然を感じさせる、たおやかな音と対極のように感じる。タンゴの過剰さ、を持ちながら、奇妙な味、ジスモンチやパアスコアールが隠し味のように仕込まれている。

Andy Stott: Too Many Voices (2016) ECMからガラスの向こうへ

ECMというガラス細工の部屋があって、そのガラスの向こう側で鳴っている、ような音だな、と思った。ジャズの外の音はいつも気になっている、のだけど、良いpilotのような情報がないと、うまく出会えない。 幾つかのサイトを眺めていたら、こんな記事が。「ジ…

Antonio Loureiro: Antonio Loureiro (2006) 淡い夏の夜風に吹かれて

今夜はロウレイロを聴いている。これはデビュー盤か。2006年の吹き込み。だけど後年のアルバムと全く空気は変わらない。この軸の安定さ、は音楽的に完成された奏者、固有のものだ。 今夜のような爽やかな月夜、に相応しい。ほのかに暖かく、熱くはない、アル…

Weather Report: Weather Report (1971) Vitousの新譜と関連して

Vitousの新譜と関連して、久々に聴いている。何となくJaco以降のWeather Reportのアルバムは、今となっては聴くのがしんどいアルバムが多いように思える。Black Marketまでじゃないかなあ、と思う。今でも素晴らしいなあ、と思えるのは第一作である、このア…

Erykah Badu: Live (1997) 疲れたときは

最近は忙しく、そんなときはこんなのを聴いている。ネオ・ソウルと呼ばれるのかなあ、よくわからないけど。70年代のソウルの延長線上であり、またライヴなんかはジャズっぽくもあり、よくグルーヴしていて気持ち良い。 アヴァンギャルド・モノは面白いのだけ…

Wildflowers: Loft Jazz New York 1976 ロフトジャズの記録も

昨日、India Navigationをみつけて喜んでいた訳だけど、今朝はDouglasのWildflowersシリーズの完全盤をみつけて、驚いた。ロフトジャズの記録も、あった。 ロフト・ジャズって、1970年代後半、ジャズのライヴスポットが減少する中、苦しい局面を迎えたFree J…

India Navigationをapple musicで発見!

ふっと、apple musicにIndia Navigation盤があることに気がついた。1970年代の後半から1980年代の前半、ボクが熱くレコードを買っていた時期に熱かったレーベル。マレイ、フリーマン、ブライスはこのレーベルで知った。 India Navigation - Wikipedia, the f…

大西順子: Tea times (2016) 日本語の歌詞(考)じゃないけど

大西順子の復活作でもあるTea times (2016)について。日本語の歌詞について、思うところ。

高瀬アキ: My Ellington (2012) 静謐なエリントン

高瀬アキのピアノの魅力は、現代音楽を弾くピアノ奏者と似た空気、音の粒立ちがよく美音であること、だと思っている。そのような彼女が弾くエリントン集。ソロ・ピアノなので、美音を愉しむことができる。 全般的にエリントンの曲をエリントンらしく弾くので…

Gil Evans, Jaco Pastorious: Live Under the Sky Tokyo '84 (1984): 20年前なら驚喜しただろうが

20年前なら驚喜しただろうが 、案外、そんなもんかいな、って受け止めている。かなり賞味期限が過ぎているように思えるのだ。 それでも、今朝、ディスクユニオンのtwitterで発売を知り、驚いたのは事実。 渋谷ジャズ/レアグルーヴ館 on Twitter: "ブログ更…

橋本一子, 中村善郎: duo (2016) 日本の軽音楽

少し古い言葉だけど、日本の軽音楽そのもので、洗練された到達点なんだろうな、と思う。橋本一子さんのピアノ、ヴォイスともに魅惑的であることは30年昔と何ら変わらず、いや、ますますsmoothになっていくことに驚きを隠せない。それにしても、共演の中村善…

高柳昌行: flower girl - a collection of cion tomita’s musical works (1968) CDを購入したが

昨日、CDが届いたが、音質はさほどapple musicと変わらない。演奏がとても気に入っているので、より良い音で楽しみたいと思ったのだけど。 また、そのような音質なので、自宅の音響装置よりも、仕事場の装置(昔のBose)のほうがむしろ楽しめる。無駄骨、の…

エチオピアの修道尼ピアニストTsegue-Maryam Guebrouが弾くピアノ曲

吉本さんのtweetで紹介されたエチオピアの修道尼ピアニストTsegué-Maryam Guèbrou(エチオピアの社会主義政権時代に、エルサレムのエチオピア正教会に移ったみたいだけど)。appleの宣伝のBGMに使われているようで、素朴な旋律がちょっと気になった。 エチオ…

Murray Allen & Carrington Power Trio : Perfection (2016) とても楽しめるアルバム

とても楽しめるアルバム。 デヴィッド・マレイはジャック・デジョネットのSpecial Editionで惹き込まれて、随分とレコードを買った時期がある。1980年代の真ん中あたりまで。だんだんと代わり映えしないアルバムに関心が引いた、ように思う。最近もモツポツ…

Joao Gilberto, Stan Getz: Getz/Gilberto '76 (1976) レコードで聴く愉しみ

エヴァンスのMPSセッションと同じくResonance Recordsの発掘盤。エヴァンスと違って、ジルベルトとゲッツの音源は極く限られているから、音質云々以前に、まず再発そのものが嬉しい。また、録音自体は籠もり気味なのだけど(カセットテープか?)、そんなこ…

James 'Blood' Ulmer: Are You Glad To Be In America? (1980) ベイリーばかりだから、タマには

最近、ベイリーばかりだから、タマには、趣向を変えようと思って、久々に聴いてみた。 ベイリーのMirakle(タクマとウェストン)を聴いたときの印象がシャキッとしたウルマー(H松さんも似たようなコメントで笑った)。それで思い出した次第。 これはジャズ…

Derek Bailey, Han Bennink: Post Improvisation 2 - Air Mail Special (1999) 永遠に

永遠に分からない、分からなくてもいい、音であったベイリー。全く関心がなかったのだけど、(くどいが)生エヴァン・パーカーで(ボクの)何かが変容し、惹き込まれてしまった。面白いものだ。前回、Improvised musicに惹き込んだのは、トリスタン・ホイジ…

吉沢元春: Outfit- Bass Solo 2 1/2 (1975) 音の存在感

音の存在感、がリアルだ。昨日、レコードが届いてから、何回も何回も聴いた。 Free improvisationと小難しい名前がついているが、そんな感じじゃない。楽器そのもの、その楽器を弾く人間そのもの、が赤裸々に記録されている。 古いJBLのスピーカーが苦しむよ…

GoGo Penguin: Man Made Object (2016) 雨の朝

昨日のポルトとうって変わって、雨の朝。ポルトガル全土で天候不調の様子。 全くの仕事日和で、トランクのなかのランニングシューズが恨めしい。 部屋では、apple musicで音を鳴らしていて快適。Blue Note Recordsはカヴァーしているので、気楽に聴くことが…

Derek Bailey: Guitar, Drums N Bass (1995) radicalな音の淵の深さ

エヴァン・パーカーをナマで聴いてから、意識の底にあるフタのようなものが外れた。improvised musicのように、「音楽」と「音」の境界線よりは、「音」側に寄った音が平気になってしまった。楽しめる。 そんな訳で様々な音が聴きたくなっている。 youtube: …

高木元輝、加古隆: Jazz A Maison De Japon, Paris (1974) パリの日本人

パリの日本人、は藤田ばかりでなく、ジャズ奏者も。今も沖至はパリじゃないかなあ。 これはメシアンのもとで学んでいた加古隆と高木元輝のコンサート。30年前に加古のレコードの積もりで買って、放置していたもの。 高木元輝が気になって聴いてみたが、これ…

Bill Frisell: When You Wish Upon a Star (2016) 交叉しないネジレのような感覚

21世紀に入ってからのフリーゼルの浮遊路線、にはピンときていない。単に、スタイルとして浮遊しているだけで、あまり感覚が反応する要素は無い。Cambridgeでナマを聴いて、確信した。幾つかはいいアルバムはあるのだけど。 このアルバムでは、スタイルとし…

Derek Bailey: Music and Dance (1980) improvised musicのこと

インターネットで知り得ること、は多く、様々な音の情報が飛び交っている。そのなかには、時折、気持の芯を突くものもある。 これは月光茶房の原田さんの投稿で知ったアルバム。 田中泯との共演。improvised musicは概ね苦手なのだけど、そう感じた20歳そこ…

Per Oddvar Johansen: Ferme Solus - This Is My Music! (2008) 打楽器が作る音の空間

ノルウェイから金沢に何回来たのだろうか。随分、ナマで聴いたドラム奏者。打音を出し始めた瞬間、音が空間を定義したように感じる、そんな感覚をいつも与えてくれる。様々な音を要所要所に与え、弛緩しかかった空気を常に締め上げる。音の多彩さ、は富樫雅…

Andre Mehmari: As Estacoes Na Cantareira (2015) 光のような音の空間

多作家、だなあと思う。気がつくと、もう新しいアルバムが出ている。少し甘さ、が強めなことが気になるのだけど、やはり聴いてしまう。 MPB、ジャズ、現代音楽のような「細かなジャンル」を包摂してしまうよう力、が魅力。 光のような音の空間、が音響装置の…

Steve Kuhn: Three Waves (1966) ドタバタとしているので

ドタバタとしているので、ちゃんとブログが書けない。 昨日届いたLPレコードはこれ。オリジナル(米contact)ではなくて日本盤(flying dutchman)。安いからね。 でも音は日本盤としては良好。パキっとした強い音。フィルタをかけたような鮮度が損なわれた…

Ornette Coleman, The London Symphony Orchestra: Skies Of America (1972) 突然

締め切り仕事の塊から、あと少しで抜け出る。疲れた。昨夜、作成した資料を指定のサイトにアップロードしたら、肩の力が抜けた。それでも、まだ神経が張っている。あと、もう2つ。 そんな仕事場で、ふっとかけたのがコレ。そもそも、キース入り口のジャズで…

Fabiano Araujo, Arild Andersen, Nana Vasconcelos: Rheomusi (2011) そのことを知った日に

そのことを知って、ナナのアルバムを聴いていた一日。密林のようなネット音源のなかで見つけた、そのことを知った日に、ふさわしい音。 ブラジルの鍵盤奏者Fabiano Araújoと打楽器ナナに加え、北欧のアリルド・アンデルセン。とても昔のECMみたいな編成。ナ…

Nana Vasconcelos: Novelli (1974)とAfricadeus (1973) ナナの音

フランスSaravahのアルバム。このアルバムとAfricadeusがカップリングして、CDになっているようで、apple musicにアップされている。 はじめてAfricadeusを聴くが、凄い。アフリカ色の強い、打楽器とvoiceのソロ。 加飾がない、生のナナを聴くような気分だ。…

Dave Douglas: High Risk (2014) 昼休みにゆったり聴くには最適

何となくトランペットって、(聴き手として)付き合うのがシンドイ場合が多い。力が入るとウルさいし、力はヌケるとスカスカだし。 いつだったか、金沢に来たアンヴィシャイ・コーエンはしんどかったし、ニューヨークで聴いたロイ・ハーグローヴはなんか一本…

Marc Ribot, The Young Philadelphians: Live In Tokyo (2015) ああ懐かしい

先日、Free系が沢山紹介されるブログで懐かしい名前が。ジャマラディ−ン・タクマとカルヴィン・ウェストン。1980年頃にジェイムス・ブラッド・ウルマーを聴いていたら、おなじみの粘るベースとドラム。変態ファンクを支えていた。 さて、このアルバムが気に…

Ben Monder: Hydra (2013) 音の大海のなかで見つけた音

最近、仕事場で聴く音楽はapple musicから拾っていることが多い。気がつくと、音の大海のなかで浮遊している事実に驚いてしまう。 ダウンロードという、メディアが不要であるが、仮想的なメディアの伝送の電子化、ではなくて、音の海で泳ぐようなパラダイム…