Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

ECM: Sascha Kleis

(ECM2526) David Virelles: Gnosis (2016) 21世紀のジャズのなかに感じること

近所のyuccaさんのtweetで少し気になった。 David Virelles "Gnosis"めちゃめちゃいい。最近語彙はめちゃめちゃいい、しか使えてないけど、これは良い。Afro CubanとECMの見事な融合。融合というか抱擁?かっこよすぎ。こんなルンバやられたら惚れるしかない…

(ECM2385) Glauco Venier: Miniatures (2013) 打楽器が醸し出す空気感

このような強くmanageされたような「沈黙の次に...」には随分飽きがきていて、ECMはもういいかな、の感覚が強くなっていた筈だ。だから1970年代を思い出させるような最近の意欲作に驚いているのだ。 しかし、このアルバムはあざとい程のECMイメージの中に…

(ECM2579) Tim Berne's Snakeoil: Incidentals (2014) ティム・バーンはワン・パターンか

先日、ディスクユニオン新宿で買ってきたもの。価格が落ち着くのが待ちきれなかったので、普段の1.5倍くらいの価格で購入。このティム・バーンの新譜はECMから。バーンの音源は、何を聴いても同じように聴こえることは否めない。ティム・バーンはワン・パタ…

(ECM 2494/95) Roscoe Mitchell: Bells For The South Side (2015) 精緻な音の空間

ボクはAEOC関連のアルバムについては、ブリジット・フォンテーヌでしか聴いていなくて、極めて縁が薄い。だから、このアルバムが彼らの過去の業績に照らしそうか、なんてことは書けない。むしろ、ソーリーとかテイボーンとかの参加が気になっていた。 AEOCに…

(ECM2518) Dominic Miller: Silent Light (2016) こんなECMも好きだなあ

ECMに直接注文して入手したレコード。数ヶ月分の何枚かをまとめて頼むと、送料を考えても国内の店で買うより安価。 かなり機械的に注文した訳で、中身は入手してから確認。ギターのドミニク・ミラーのアルバムだけど、知らない。スティングと共演していたそ…

(ECM2512) Theo Bleckmann: Elegy (2016) 久しぶりの金沢で、初期のPMGを彷彿とさせる

久しぶりの金沢で音楽を聴いている。いつの間にか梅雨に入ったのか、雨。こんな朝はECMを聴く気分、になる。ハワイから帰ってきたら、届いていたCDを聴く。 妙に、琴線に引っかかるのだ Theo Bleckmann - Elegy - あうとわ~ど・ばうんど これを読んで、ハワ…

(ECM1877) David Torn: Prezens (2005)  大音量で目眩を感じながら

クレイグ・ティボーン聴きの一環で入手したアルバム。一連のアルバムのなかで、幾つか気に入ったアルバムのプロデュースを、ティム・バーンが行っていることに気がついた。ティム・バーンの素晴らしく格好がいいアルバム、がそれらだ。アヴァンギャルドな素…

(ECM2258) Chris Potter : The Sirens (2011) 現代音楽と通底するテイボーンの美しい音

ここのところのティボーン聴きシリーズで気に入った一枚。どうもクリス・ポッターは「丸くなったブレッカー」という感じで、あまり聴かない。巧いし、なかなか聴かせるのだけど、ちょっと印象を残さないところがある。 このアルバムは、James A. Farberによ…

( ECM2527) Craig Taborn: Daylight Ghosts (2016) その断面に顔を覗かせる埋蔵物

幾つかのアルバムを聴くなかで、クレイグ・ティボーンの音響的な面白さ、美しさ、味わい深さを感じ、徐々に深みに入っているような感覚がある。決定的だったのは、ECMからのAvenging Angelで、現代音楽が抱える「ある種の空気感」のようなものを、ジャズにre…

(ECM2528) John Abercrombie: Up And Coming (2016) 1970年代のアルバムと云われれば

時間が止まった、ようなアルバム。これが1970年代のアルバムと云われれば、そうだと思うだろう。そこに時間の流れがない。中庸なインタープレイを交えたジャズの小品、なのだ。それがECMに相応の数がありそうで、あまりないようにも思えるがどうだろう。 ボ…

(ECM2517) Colin Vallon: Danse (2016) ただの清澄なピアノトリオのようで、案外毒っぽい

先日、ECMから直接届いたLPレコード。最初は酔っていたこともあって、音にピンとこなかったが、音質、内容ともに、面白さを感じてきた。ここ数日、超多忙なこともあって、あまりブログも更新できていないが、こればかり聴いていた。 コリン・ヴァロンはスイ…

(ECM 2207) Craig Taborn: Avenging Angel (2010) それにしても美しい

先般から、幾つかのアルバムを聴いて、過剰ではない音、の空間的な広がりのようなものに魅了された。硬質な音が如何にもECM好み、ではあるのだけど、現代音楽とジャズの境界線にピタッと音を流していく、そして自己陶酔的な美音ではなくて、緻密に作曲されて…

(ECM2473) Meredith Monk: On Behalf Of Nature (2015) 幾たびも幾たびも同じ手で騙されると知っていても

つい手が出てしまうなあ。 聴くと、悪く云うとマンネリ、聴いたことがあるヴォイスや打楽器やピアノが流れる。だけど、その音世界は懐かしくも手が届かず、追いかけても消えてしまうような、儚い蜃気楼のような、ありもしなかった過去を覗いているような感覚…

(ECM2401) Elina Duni: Dallëndyshe (2014) 綺麗に再構築された彼女の故国の音楽

今年の来日でその存在を知った亡命アルバニア人の歌い手と、そのアルバム。 アルバニアはオスマン帝国治下であった影響で元来イスラム教徒が過半の国であったが、第2次大戦後は孤立した社会主義政権に。ソ連にも叛旗を翻した毛沢東主義の国でった記憶がまだ…

(ECM2474) Ches Smith: The Bell (2015) 現代音楽的な音響とジャズ的な躍動が交叉するような驚き

実は秋頃からとても忙しい。金沢では、引き籠もりながら、山に登ったり、走ったり、釣りをしたり、音楽を聴いたり、そんな生活のために来た筈なのだけど、どうも違ってきた。まずい。忙しくして年収が増える訳でもないので、なおのこと困る。どうしたものだ…

(ECM2464) Nik Bärtsch's Mobile: Continuum (2015) ライヒへの強いrespect

音響装置に灯を入れて、1時間ほどで音が拓きはじめる。音響空間のなかで、楽器や奏者の定位が定まる。そこで明瞭に知ったのは、ライヒ の「18人の音楽家のための音楽」からのエコーのようなもの。打楽器が打ち続けるタイミング、バス・クラリネットが演じる…

(ECM 2488) Jack DeJohnette: In Movement (2015)  レコードでも聴く・米国録音のほうが

実はこの数週間で何枚かECMの新譜を入手し、気に入って聴いているのだけど、文章にしようという気になれない。何故だろうか。 1970年代初頭の日本のジャズ、特にアヴァンギャルドの系統を聴いていると、熱気、毒気に溢れていて、どこか人の調性を狂わせるも…

(ECM 2482) Avishai Cohen: Into The Silence (2015) レコードで聴くとビミューな

[2016-11-21追記] レコードで聴いてみる。当然の如く重厚になるのだけど、音がもっさりした印象。MP3のスカスカした音でクルマで聴いたときのような「スムース感」を失っている。残響がしっかり再生され、それがしっかり作用している、ように思える。レコー…

(ECM2465) Tord Gustavsen: What Was Said (2015) 雨降りの朝はレコード

雨降りの朝はレコードを聴いている。まとめ買い(送料節約のため)で入手した1枚。半分くらいは未聴。これも、未聴の1枚。冷え切った音響装置がゆっくり暖まるにつれ、音が広がりだす様子が手に取るように分かる。エレクトロニクスや打楽器で彩られた声や…

(ECM2515) Wolfgang Muthspiel: Rising Grace (2016) 予定調和のなかだから

珍しく新譜をチェック。というのは、24bit/88.2kHzの高分解能音源の販売サイトがあって、試したくなったのだ。$17は、現時点のCD通販より安価。しかも高分解能音源で入手できる。ボクは「ディジタル音源」に関しては、物理媒体に全くこだわりがないので、有…

(ECM2430) Andrew Cyrille: The Declaration Of Musical Independence (2014) 今、を生きるシリル

寒かった東北の出張から、暖かい金沢に帰って、ほっとしている。長旅で疲れているのだけど、帰途、ふっと聴いたアンドリュウ・シリルの新譜の素晴らしさ、に気持ちが一気に開いた。帰宅後、ワインを呑みながら、しっかり聴いている。 何が素晴らしいか、とい…

(ECM2486) Vijay Iyer, Wadada Leo Smith: A Cosmic Rhythm With Each Stroke (2015) 単なる静謐さを超える何か

先月末の給料日に、気になっていたCDをまとめ注文。続々、て云っても4枚だけど届いた。レコード蒐集も一息(ウソ付け)と思ったので。まとまって来たアルバムの音の「均質化」と「角が取れる」残響・イコライズ処理にイラッときたので、昨日の記事。 このア…

(ECM2499) Jakob Bro: Streams (2015) 素晴らしい、と同時に気になったこと

前作を聴いてから約1年、発売早々に入手した。前作と同じく、淡いブロのギターの上を、モーガンのベースが力強く刻んでいく。その刻まれた音が描く弧、のようなものが単純な曲線に見えて、実は細部がフラクタル的な細かな揺動を孕んでいて、実に気持ちが良…

(ECM1463) John Surman: Adventure Playground (1991) 墨絵のなかの点景

1991年の吹き込み。この頃はLP/CDの併売時期からCDのみの販売への切り換えが終わった頃。CDのみである。ブレイのアルバムが少し気になった時期、逝去直後、に入手したもの。 似たようなアルバムにEvan Parker, Barre Phillipsとの吹き込みがある: これらの…

(ECM2487) Carla Bley: Andando El Tiempo (2015) 2年半の時を経たが

前作から2年半を経たが、そこには何か差分はあるのだろうか。カラーの曲集を同じ3人が、同じ場所で、同じスタッフで吹き込んでいる。前作のジャケット写真と今回を比較すると、カメラ位置や画角は同じで、カーラが姿勢を持ち上げただけ、のように感じる。…

(ECM2374) Meredith Monk: Piano Songs (2012) ピアノの音の淡い色彩感

ピアノによるメルディス・モンクの曲集。彼女の1970年代からの曲が2台あるいは1台のピアノで奏でられる。どの曲を聴いていても、全く時間の変遷は感じない。ミニマルを基調とした、反調性的ではない、Fook的な素朴な旋律が織り込まれている。彼女のアルバ…

(ECM2364) Miroslav Vitous: Music Of Weather Report (2010,11) そして今度のWRは

ヴィトウスのWRシリーズ第二弾(か?)。CDがリリースされてから、安価な海外業者からの出荷を待ったので、入手はいつものように遅い。前回、WRカヴァー集を想定し、あまりの見込み違いに驚いたが、今度はどうだろうか。 前作はWRの当初のアイデア(奏者間の…

(ECM 2073) Miroslav Vitous: Remembering Weather Report(2006-2007) 改めて聴き直す

実は発売されて直ぐ入手したのだけど、存外にweather reportらしくないなあ、と思って、その後、あまり聴いていなかったアルバム。ボクが大好きな初期(vitousu時代)のWRのカヴァー集だと勝手に期待していたからだ。 ヴィトウスのWRモノの2枚目が届いて、聴…

(ECM1844) Herbert Henck:John Cage/ Early Piano Music (2000) 美しい現代音楽

美しい現代音楽が好きだ。美しい音を現出させるために、既存の規約を壊すような破壊、は好ましい。 メシアンの鳥の音楽を聴いていると、我々と直交するような、あたかもパラレルワールドの音楽のような趣で楽しい。 ハル吉「現代音楽ディスク」を読んでいる…

(ECM2421) Ben Monder: Amorphae (2010, 2013) 浮遊なんてもんじゃなくて

ビル・フリーゼルに通じる浮遊、まで書いて、そうではなくて、と思った。 厚い雲が覆うような憂鬱な光景、そして、遠くに見える弱い光、そんなモノートーンの心象を、ギター一本で描き出す描写力に驚いた。 そして、ディストーションを効かせたギターの音が…