Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

ECM: Manfred Eicher

(ECM2385) Glauco Venier: Miniatures (2013) 打楽器が醸し出す空気感

このような強くmanageされたような「沈黙の次に...」には随分飽きがきていて、ECMはもういいかな、の感覚が強くなっていた筈だ。だから1970年代を思い出させるような最近の意欲作に驚いているのだ。 しかし、このアルバムはあざとい程のECMイメージの中に…

(ECM2518) Dominic Miller: Silent Light (2016) こんなECMも好きだなあ

ECMに直接注文して入手したレコード。数ヶ月分の何枚かをまとめて頼むと、送料を考えても国内の店で買うより安価。 かなり機械的に注文した訳で、中身は入手してから確認。ギターのドミニク・ミラーのアルバムだけど、知らない。スティングと共演していたそ…

(ECM2512) Theo Bleckmann: Elegy (2016) 久しぶりの金沢で、初期のPMGを彷彿とさせる

久しぶりの金沢で音楽を聴いている。いつの間にか梅雨に入ったのか、雨。こんな朝はECMを聴く気分、になる。ハワイから帰ってきたら、届いていたCDを聴く。 妙に、琴線に引っかかるのだ Theo Bleckmann - Elegy - あうとわ~ど・ばうんど これを読んで、ハワ…

(ECM2258) Chris Potter : The Sirens (2011) 現代音楽と通底するテイボーンの美しい音

ここのところのティボーン聴きシリーズで気に入った一枚。どうもクリス・ポッターは「丸くなったブレッカー」という感じで、あまり聴かない。巧いし、なかなか聴かせるのだけど、ちょっと印象を残さないところがある。 このアルバムは、James A. Farberによ…

( ECM2527) Craig Taborn: Daylight Ghosts (2016) その断面に顔を覗かせる埋蔵物

幾つかのアルバムを聴くなかで、クレイグ・ティボーンの音響的な面白さ、美しさ、味わい深さを感じ、徐々に深みに入っているような感覚がある。決定的だったのは、ECMからのAvenging Angelで、現代音楽が抱える「ある種の空気感」のようなものを、ジャズにre…

(ECM2528) John Abercrombie: Up And Coming (2016) 1970年代のアルバムと云われれば

時間が止まった、ようなアルバム。これが1970年代のアルバムと云われれば、そうだと思うだろう。そこに時間の流れがない。中庸なインタープレイを交えたジャズの小品、なのだ。それがECMに相応の数がありそうで、あまりないようにも思えるがどうだろう。 ボ…

(ECM2517) Colin Vallon: Danse (2016) ただの清澄なピアノトリオのようで、案外毒っぽい

先日、ECMから直接届いたLPレコード。最初は酔っていたこともあって、音にピンとこなかったが、音質、内容ともに、面白さを感じてきた。ここ数日、超多忙なこともあって、あまりブログも更新できていないが、こればかり聴いていた。 コリン・ヴァロンはスイ…

(ECM1085) Keith Jarrett: The Survivors' Suite (1976) 存在したことがない音への強烈な喪失感

抑制的な演奏が実に美しい。いや、それはキースだけでなく、ヘイデンもモチアンもレッドマンも。譜面に書かれている(に違いない)旋律を辿るだけで、咆吼しない。その強い抑制が、溜息が出るような美しさを誘っている。キワモノすれすれになりがちな、キー…

(ECM 2207) Craig Taborn: Avenging Angel (2010) それにしても美しい

先般から、幾つかのアルバムを聴いて、過剰ではない音、の空間的な広がりのようなものに魅了された。硬質な音が如何にもECM好み、ではあるのだけど、現代音楽とジャズの境界線にピタッと音を流していく、そして自己陶酔的な美音ではなくて、緻密に作曲されて…

(ECM1084) Eberhard Weber: The Following Morning (1976) どう聴いても彼の音楽

時間とともに変容する奏者、そうでない奏者がいる。エバーハルト・ヴェーバーは決定的に後者で、どう聴いても彼の音楽である、という印象は決してエフェクタを通したエレクトリック・アコウスティック・ベースの音色、だけによるものではない。 むしろ作曲行…

(ECM2473) Meredith Monk: On Behalf Of Nature (2015) 幾たびも幾たびも同じ手で騙されると知っていても

つい手が出てしまうなあ。 聴くと、悪く云うとマンネリ、聴いたことがあるヴォイスや打楽器やピアノが流れる。だけど、その音世界は懐かしくも手が届かず、追いかけても消えてしまうような、儚い蜃気楼のような、ありもしなかった過去を覗いているような感覚…

(ECM2401) Elina Duni: Dallëndyshe (2014) 綺麗に再構築された彼女の故国の音楽

今年の来日でその存在を知った亡命アルバニア人の歌い手と、そのアルバム。 アルバニアはオスマン帝国治下であった影響で元来イスラム教徒が過半の国であったが、第2次大戦後は孤立した社会主義政権に。ソ連にも叛旗を翻した毛沢東主義の国でった記憶がまだ…

(ECM2474) Ches Smith: The Bell (2015) 現代音楽的な音響とジャズ的な躍動が交叉するような驚き

実は秋頃からとても忙しい。金沢では、引き籠もりながら、山に登ったり、走ったり、釣りをしたり、音楽を聴いたり、そんな生活のために来た筈なのだけど、どうも違ってきた。まずい。忙しくして年収が増える訳でもないので、なおのこと困る。どうしたものだ…

(ECM1083) Terje Rypdal: After The Rain (1976) 「あの奇妙な味」の世界を静謐に語り続ける

最近、強く思うことは、ジャズがジャズであるその大切な要因は、「奇妙な・違和感のある味」を感じさせることではないだろうか。決して即興とか、グルーヴでも、スウィングではない。フリー・ジャズも口当たり良く、スムースになったハード・バップへのアン…

(ECM1082) Arild Andersen: Shimri (1976) かつての欧州ジャズの脆弱性

アンデルセンの前作のときもそうなのだけど、聴いたときの印象を書くことができなくて、このシリーズ(ECMのレコードを聴く)が滞っている。今回も同じ。一月以上、なんか書く気が起こらなかった。 なぜだろう。確かに美しい音楽なのだけど、それ以上のもので…

(ECM2464) Nik Bärtsch's Mobile: Continuum (2015) ライヒへの強いrespect

音響装置に灯を入れて、1時間ほどで音が拓きはじめる。音響空間のなかで、楽器や奏者の定位が定まる。そこで明瞭に知ったのは、ライヒ の「18人の音楽家のための音楽」からのエコーのようなもの。打楽器が打ち続けるタイミング、バス・クラリネットが演じる…

(ECM 2488) Jack DeJohnette: In Movement (2015)  レコードでも聴く・米国録音のほうが

実はこの数週間で何枚かECMの新譜を入手し、気に入って聴いているのだけど、文章にしようという気になれない。何故だろうか。 1970年代初頭の日本のジャズ、特にアヴァンギャルドの系統を聴いていると、熱気、毒気に溢れていて、どこか人の調性を狂わせるも…

(ECM 2482) Avishai Cohen: Into The Silence (2015) レコードで聴くとビミューな

[2016-11-21追記] レコードで聴いてみる。当然の如く重厚になるのだけど、音がもっさりした印象。MP3のスカスカした音でクルマで聴いたときのような「スムース感」を失っている。残響がしっかり再生され、それがしっかり作用している、ように思える。レコー…

(ECM2465) Tord Gustavsen: What Was Said (2015) 雨降りの朝はレコード

雨降りの朝はレコードを聴いている。まとめ買い(送料節約のため)で入手した1枚。半分くらいは未聴。これも、未聴の1枚。冷え切った音響装置がゆっくり暖まるにつれ、音が広がりだす様子が手に取るように分かる。エレクトロニクスや打楽器で彩られた声や…

(ECM2515) Wolfgang Muthspiel: Rising Grace (2016) 予定調和のなかだから

珍しく新譜をチェック。というのは、24bit/88.2kHzの高分解能音源の販売サイトがあって、試したくなったのだ。$17は、現時点のCD通販より安価。しかも高分解能音源で入手できる。ボクは「ディジタル音源」に関しては、物理媒体に全くこだわりがないので、有…

(ECM2486) Vijay Iyer, Wadada Leo Smith: A Cosmic Rhythm With Each Stroke (2015) 単なる静謐さを超える何か

先月末の給料日に、気になっていたCDをまとめ注文。続々、て云っても4枚だけど届いた。レコード蒐集も一息(ウソ付け)と思ったので。まとまって来たアルバムの音の「均質化」と「角が取れる」残響・イコライズ処理にイラッときたので、昨日の記事。 このア…

(ECM2499) Jakob Bro: Streams (2015) 素晴らしい、と同時に気になったこと

前作を聴いてから約1年、発売早々に入手した。前作と同じく、淡いブロのギターの上を、モーガンのベースが力強く刻んでいく。その刻まれた音が描く弧、のようなものが単純な曲線に見えて、実は細部がフラクタル的な細かな揺動を孕んでいて、実に気持ちが良…

(ECM1081) Art Lande: Rubisa Patrol (1976) ありもしない国の民族音楽のような

アート・ランデのECM2作目。今回、聴き直すと、案外、ランデのピアノが奥に引き気味で、マーク・イスハムのトランペット、・ダグラスのベース/フルートが前面に出ていることに気がついた。作曲もマーク・イスハムとシェア。かつてのPMGに近い雰囲気を感じる…

(ECM1080) John Abercrombie, Ralph Towner: Sargasso Sea (1976) 40年前には

ジョン・アバークロンビーとラルフ・タウナーのデュオSargasso Sea。印画紙のようなつるっとしたジャケットの感触が懐かしい70年代のECMのアルバム。北欧のスタジオで繰り広げられた透明度の高い、そしてひんやりとした大気のなかでの対話が濃密に広がる。

(ECM1079) Jack DeJohnette: Pictures (1976) ドラムと打楽器の間を漂いながらも

ジャック・デジョネットのソロ、の性格を持ったアルバム。自身のピアノやオルガンとの多重録音もあるし 、クロンビーが加わったトラックもあるが、デジョネットのドラムを中心に据えて、その魅力、ビートの鋭さ、打音の美しさ、を伝えている。 欧州の奏者は…

(ECM1078) Enrico Rava: The Plot (1976) 管の響きが与える陰翳

前作「The pilgrim and the stars」の1年後の吹き込み。またメンバーも同じ。続編、と云って良い。 だから、アルバムの印象も実に似通っている。続編。ラヴァの魅力は、管の響きが与える陰翳、だと思う。前作は、その暗い響きがクロンビー達が奏でる1970年…

(ECM1077) Edward Vesala: Nan Madol (1974) エキゾチックで不思議な音空間

ECMを聴く安心感、はアイヒャーの音世界がある種の予定調和のなかにあって、様々なジャズ周縁の音の断面を見せてくれて、新鮮な驚きを与えてくれる確信、から来ることは間違いない。1970年代から80年代、リアルタイムに感じたECMはそんな感じで、今、それを…

(ECM1076) Barre Phillips: Mountainscapes (1976) 折り重なる音の色彩

折り重なる音の色彩は、北欧から英国にかけての冬の空、のよう。重く広がる雲、希に切れ目から見える暗い蒼。 そんな土地で生まれた音楽なんだろうな、と思う。バーレ・フィリップスは長い間、欧州の奏者だと思っていたのだけど、カルフォルニア生まれ。キャ…

(ECM1401) Keith Jarrett: Paris Concert (1988) 宗教曲かと思えるような美しい旋律

最近思うことは、キース・ジャレットは加齢とともにピアノを美しく鳴らすようになっていく、と思う。Facing youやKoeln concertは生硬な印象を受ける。だから、このレコード、ケルンから10年以上後、ではピアノの響きがとても美しい。レコードへの拘り、偏愛…

(ECM1075) Jan Garbarek, Bobo Stenson Quartet: Dansere (1975) ブロウは影を潜め

久しぶりのECMのレコード聴き。今は、ブログ移転に伴う過去記事の修正に時間をとられている。 このアルバムジャケットをよく見ると、Jan Garbarek Bobo Stenson Quartetの双頭カルテット。作曲・編曲はガルバレクなので、実質的にはガルバレクのアルバムなの…