Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

2012

坂田明: The Tale Of The Heike (2011,12) 管の音色が昔より深まり、味わい深い

坂田明の語りは「際物」だと思っている。山下洋輔の「寿限無」の田中角栄のモノマネには参った。面白くない、のである。仲間内の宴会芸を見せられた、後味の悪さが残った。 しかし、ジム・オルークとのセッションの格好よさ、は只事でなく30年以上ぶりに聴く…

Peter Evans: Zebulon (2012) 断絶と連続の接続点

実はバンコクで仕事をしている。ときおり温い大気を泳ぐように楽しみ、あとは何処にも行かずに音楽を聴きながら仕事をしている。こんなときapple musicは重宝している。 ピーター・エヴァンスははじめて聴く。名前は聴いていたのだが、機会はなかった。tweet…

Nico Gori, Fred Hersch: Da Vinci (2012) ハーシュのピアノが与える印象

ハーシュの新譜が出た。それを聴いているうちに、とても好きな旧譜について書けていないことに気がついた。それが数年前のこのアルバム。あれから随分とたったものだ。 ハーシュのピアノが与える印象をくくると、包み込むような人肌くらいの温度のピアノの美…

(ECM2374) Meredith Monk: Piano Songs (2012) ピアノの音の淡い色彩感

ピアノによるメルディス・モンクの曲集。彼女の1970年代からの曲が2台あるいは1台のピアノで奏でられる。どの曲を聴いていても、全く時間の変遷は感じない。ミニマルを基調とした、反調性的ではない、Fook的な素朴な旋律が織り込まれている。彼女のアルバ…

高瀬アキ: My Ellington (2012) 静謐なエリントン

高瀬アキのピアノの魅力は、現代音楽を弾くピアノ奏者と似た空気、音の粒立ちがよく美音であること、だと思っている。そのような彼女が弾くエリントン集。ソロ・ピアノなので、美音を愉しむことができる。 全般的にエリントンの曲をエリントンらしく弾くので…

(ECM2459) 菊地雅章:Black Orpheus (2012) ある奏者のLast Date

誰もが知っている場所で、だけど誰も見たことがない場所へ行ってしまった、ある奏者のLast Dateを捉えた、ドキュメンタリーである。それだけで、価値はあり、またその内包するcontextは強すぎて、言葉でイイとかワルイとか、そんな戯言を跳ね返してしまう、…

Nana Vasconcelos : Sinfonia & Batuques (2012) そもそも、この世のヒトではなかった、ナナ

ナナ・ヴァスコンセロスがこの世を去った、という知らせ、がとても非現実的なような気がして、仕方がない。 そもそも、この世と、違う世(あの世、でも、another world、でもよい)との間を繋ぐ糸電話のような、音を出していたから、ではなかろうか。 そもそ…

Bill Frisell: Solos - The Jazz Sessions (2012) 過剰と浮遊のあいだに

ここ数日は忙しくて、聴いたアルバムをアップできていない。渓流釣り、で忙しいのではなく、本業で、である。残念だけど。 今日は人と会う合間に、apple musicでビル・フリーゼルのソロ・アルバムをみつけて聴いていた。ビル・フリーゼルは、過剰と浮遊のあ…

Chuck Hammer: Blind on Blind (2016) 今日のちょっといいアルバム

仕事場では、次々知らないアルバムを聴いている。深い森のなかで遊んでいる感覚で楽しい。apple musicのこと。 なかなか手が出ないアヴァンギャルドな感じのアルバムが多い。懐かしのタクマの名前から引っ張り出されたアルバム。タクマ以外はBilly Martin く…

菊地雅章: 2012年10月26日 東京文化会館小ホール

これが最後の公演なのだろうか。ネットでアルバムを調べているときに、黒いオルフェ、というタイトルでのECMからのアルバム発売予告を多数みかけた。結局、発売中止となったようだけど、これが2012年10月26日 東京文化会館小ホールの演奏らしい。 youtu.be …

Aut To Lunch (2012) ドルフィーの音が造り出す「奇妙な感覚」

年末は自宅から離れていたので、幾つかのブログを参考にしながら、ネット上の音源を聴いていた。そのなかで、とても気になったのが、コレ。2012年録音で、2015年にネット上でリリース。 欧州のMonkモノはいつも気になる。ドルフィーのアルバムであった「キリ…

Donny McCaslin: Casting For Gravity (2012) 確かに21世紀に居るんだよね

これも昨日届いたCD。ちょい聴き、の積もりで1枚聴ききってしまった。早く寝たかったのに。しまった! 菊地雅晃さんのCDも同じく、だったから寝不足。ワインを空けながら聴いた、のがイケなかったのだ。 ここ暫く、旧ソ連の麻薬のようなピアノ盤の美音に浸…

菊地雅晃: on forgotten potency (2012) easyな意味でのfusion music、ではない

最近なんとなく(ボクのなかで、行ったことないけど)有名なジャズ喫茶「ロンパーチッチ」 のブログ(レコードが沢山アップされるから愛読)を読んでいたら、 (引用)鍵盤奏者が時代がかった音色のシンセを弾いていてなんとも聴くのがツラい。やっぱりジャ…

Vinicius Cantuaria: Indio de Apartamento (2012) 低い音量であっても、揺るぎない音の存在感

繰り返し低い音量でかけながら、本を読んでいる。聴き飽きない。トニーニョ・オルタを最初に聴いたときと同じ。気持ち悪くなるまで、聴きそうな予感。 ヴィニシウス・カントゥアリアと読むそうだ。アパート暮らしのインヂオ、の邦題のとおり、ブラジルの先住…

Pat Martino: We Are Together Again(2012) 40年近い歳月

このアルバムの存在を知ったのは最近。こんなマイナで、かつ重要な試みがなされる、って捨てたもんじゃないな、と思った。あのアルバムが好きな人、が居たんだ。嬉しいなあ。 米Museから出た前作We will be together again(前の記事)が1976年。ボクがジャズ…

Antonio Loureiro: So (2012) 微かな土の薫り、仄かな風の匂い

先日、はじめて手にしたアントニオ・ロウレイロのアルバムが東京のライヴ。その素晴らしさに暫く打たれていて、仕事場での再生は一番じゃないかなあ、かねてより聴きたかった音楽を突然聴かされたような驚き、を味わっている。 そんな訳で、彼の他のアルバム…

Quique Sinesi: Live in sense of quiet (2012) 秋だからか、そして、今の音楽を聴く理由

2年ばかり、意識は古レコードで聴くジャズに持って行かれていた、ので、特にアルゼンチン音楽(なんか音響派、っていうんだっけ?)を追いかけること、は全くやっていない。 秋だからか、久しぶりに、アルゼンチン音楽の新譜を手にする気になった。これも大…

(ECM2343) 児玉桃: La vallée des cloches (2012) モノトーンという色彩

北陸に移り住んでまもなく4年半になる。とても長い時間のように感じるし、また短い。最初の1年の時間の長さ、は素晴らしいもので、気持の中のギアを2段くらい落としたような感覚を覚えた。遅く、そして力強い。秒針が流れていくのではなく、明確に刻んで…

Robert Glasper: Black Radio(2012) 気持ち良い期待はずれ

グラスパーは気がついたら入手するようにしていたのだけど、まあCanvasの印象が強くて、あとはまあまあ。今回、久々に新譜のBlack Radioを手にした。人気があるようだ。