Kanazawa Jazz Days

Kanazawa Jazz Days

ジャズを中心としたレコード/CD、登山/渓流釣り/ランニング、金沢の日々の暮らし

1969

高柳昌行: NOT BLUES(1969) ラベル貼りを寄せ付けない強靱さ

音楽を聴くとき、スタイルやジャンルを聴くのではない。その音が創り出す色彩や匂い、音から喚起される場を感じているのだ。だから、フリー以前の高柳昌行を聴いていても、彼の音楽が持つ生硬な迫力、のようなものに魅了される。1960年代後半の新主流派的ジ…

Andrew Hill: Lift Every Voice (1969) 何となくライオン、ピアソン以降のブルーノートは興味を引かないが

DU新宿で買ったレコード。 2000円もしない安レコードであるが、RVG刻印。セカンドプレスで、レーベルは音符マークになる前。ライオンが去って数年後。まだ、この頃は聴かせる何か、がRVGにはある。実にゴツっと聴かせる。 こんな買い物が好きだ。 コーラスが…

Art Ensemble Of Chicago: Live (1969) 今更ながらのAEOC初心者の疑問

出張から帰って、とりあえずレコード聴き。これは仙台で買ったもの。 1969年のパリでのライヴ。1980年に発売されている発掘盤、のようなものらしい。 録音のバランスが悪く、打楽器が全面でホーンがまともに聞こえるのは4面だけ。あとは遠くで鳴っている。…

John McLaughlin: Where Fortune Smiles (1969) 音の熱さが奏者間の摩擦のように感じられ

この頃の英国のジャズは面白い。ジョン・サーマンやimprovised musicへ出発するディレク・ベイリー、デイヴ・ホランド、ケニー・ホイラー、ジョン・テイラーなどなど。 このアルバムはドイツのベルガー以外は、UKオールスターズのアルバム。20年くらい前にCD…

佐藤允彦: Deformation(1969) 背景音と併走しながら、それを抱合するような演奏

このあたりのレコードは高価なので、CDで入手。それで良かった。十分満足できる音質だった。 「事故」前の富樫雅彦を聴きたいと思って、幾つかの音源を聴いてみたが、佐藤允彦、荒川康男、富樫雅彦のトリオに圧倒されてしまった。フリージャズ、という内容で…

鈴木弘, 富樫雅彦: Variation (1969)パラジウムと同年とは

先日、1969年から70年の日本のジャズのアルバムを購入して、確かに1960年代と1970年代の間の破断線があって、そして、それが1968年なのか1969年なのか、気になっている。1968年からの思潮の不連続的変化、のようなものが日本のジャズに及んだのはいつだろう…

Gato Barbieri: The Third World (1969) 暑気払い2

暑気払いに熱いサックス吹き、と思ったら、もう一人思い出した。 聴き直すと確かに暑い、いや熱い。この人の演奏を聴くと、いつも演歌のコブシを思い出したが、やはりそうだと思う。そこが熱を放っている。カークもそうだけど、彼らの熱がフリージャズだとか…

Chick Corea: The Complete "Is" Sessions (1969) カスクーナによる編集盤を聴け、か?

初期のチック・コリアは、マイケル・カスクーナによる編集盤を聴け、ということだろうか。気がつくと、そんな感じ。Song of singingを再聴したときから、気になって初期のアルバムを聴いている。 マイケル・カスクーナによる編集盤は、本アルバムを含め以下…

Tony Williams: Emergency! (1969) 皆、アレが好きなんじゃないか

ブルーノートの4000番台って、結構好きなのだけど、あの漆黒のなかで輝くような音を聴いた後でゲッツのsweet rainなんかを聴くと、コリアが運んできた清新な風のようなものが眩しい。このアルバムは真逆のほうに行った音。より闇は深くなり、世に云われるジ…

Stanley Cowell: Blues For The Viet Cong (1969) 器用さ爆発状態、ではあるのだけど

最近は1970年代のジャズに割と回帰する時間が長い。聴きはじめが1979年なので、その当時の感覚がいまだに中心にあるように思っている。その頃、Strata-eastは終焉していて、ロフトジャズで活躍した奏者がIndia Navigationから出し始めた頃。 カウエルはアー…

Charles Tolliver: The Ringer (1969) カット盤を聴きながらの雑感

Arista Freedomのcut盤にはお世話になった。1979年頃、レコード屋に800円くらいで未開封の輸入盤が並べられていた。マイケル・カスクーナ渾身(かどうか知らないが)のフリージャズの名盤再発シリーズ。あんまり売れなかったようで、ジャケットの隅をカット…

Barre Phillips: Journal Violone (1969) 楽器の音の良さ

最近までバーレ・フィリップスが欧州の人だと思っていたのだけど、米国の人なんだね。最初に聴いたのがECMのアルバムなので、なんとなく勝手にそう思っただけ。そうなのだけど、胴を鳴動させて大きな音を鳴らす、あの感じがそう思わせているようにも思う。 …

Birth of ICP: Treasures Box 1966~1969: 謎の宝箱

”Birth of ICP: Treasures Box 1966~1969”という謎のCD4枚組を購入。 ドルフィーのLast Dateはボクのなかで究極の1枚(勿論ジャズ部門で)、なのだけど、ある時期から、ドルフィーの背後のベニンク、メンゲルベルクの(秘めたる)変態性が強烈なスパイスに…

Louis Hayes, Junior Cook Quartet: Ichi-Ban (1976) ルイス・ヘイズ/ジュニア・クックの双頭バンドだった

これは蘭Timeless(好きなレーベルだ)からの、ウッディ・ショウを含むルイス・ヘイズ・グループのレコード。CDでは2000年以降、1976年と1977年のライヴが発売されているが、長らく、このグループのアルバムとしては、コレしかなかった訳だ。勿論、ショウ目当…

宮沢昭: Bull trout/いわな (1969) レコード盤を入手

CDが届いた後、出物があって「いわな」のレコード盤を入手。ディスクユニオンによる再発シリーズの音にかなり満足したので、迷いはあったが。 1980年の再発レコードのプロモ盤。だからオリジナルではない。まあ、このあたりのレコードは再発であっても、まあ…

宮沢昭: Four Units (1969) 四股が自由な頃の富樫雅彦をもっと聴きたい

四股が自由な頃の、ドラマー富樫雅彦をもっと聴きたい、と思っている。打音を空間的に組み立てる、その規模の大きさ、ビートを刻んだ瞬間の鋭さ、素晴らしいジャズ・ドラマーなのだ。 そんな気持ちで入手したレコード。本当は「いわな」のレコードが欲しいの…

Thelonious Monk: Les Liaisons Dangereuses 1960 (1959) 今年のRecord Store Day

今年のRecord Store Dayでの買い物。バンコク滞在中に、売り出し日であることを思い出し、慌てて(絶対レコード屋に出かける)S君・Nちゃんに購入を頼んだ。高価で重たいモノを有難う。 これは1960年のフランス映画「危険な関係」用にスタディオで吹き込まれ…

Oliver Nelson, 原信夫&Sharps & Flats: – 3-2-1-0 (1969) 1960年代の思い出(菊地雅章関連アルバムだけど)

ボクの子供時代、1960年代は高度経済成長の時期と云われるが、同時に戦後の外貨統制が次第に緩くなっていく時期でもある。1960年代後半には、ほぼ貿易の自由化は行われ、海外旅行の自由化も行われた。都市近郊の農地が宅地化するとともに、富裕農家が出現し…

山下洋輔: Dancing 古事記(1969) そんな時代臭なんかと関係なく

山下洋輔の初リーダ作で、大駱駝艦の麿赤兒による自主制作。1969年7月、バリケード封鎖された早稲田大学構内での演奏。同日の演奏は、田原総一郎がドキュメンタリーの形で放送している。懐かしいアジ演説も入った、時代の臭い(匂いでなくて)溢れる盤。ボク…

富樫雅彦、高木元輝:アイソレーション(1969) 「残念」だったのは

何とかレコードを入手した。富樫雅彦の四股が自在なときのアルバムを、しかるべき音圧で聴きたかった、のだ。 実は後年の演奏との違いはあまり感じなかった。勿論、バスドラムが鳴ったり、自由な四股から発せられる音は後年と同じじゃない。しかし、これを聴…

富樫雅彦: We Now Create: Music For Strings, Winds And Percussions (1969) 肢体を限界まで動かしているときの音

先日届いたLPレコードを早速聴く。 以前からアップル・ミュージックで聴いていたのだけど、やはりレコードで聴きたい、要求が強かった。ようやく、1980年の再発盤ではあるが、入手することができた。 やはりレコードで聴くと、特に富樫のドラムが明瞭で、嬉…

高柳昌行とニュー・ディレクションズ: Independence (1969) 音と沈黙が造る音響的な美

このアルバムは、高柳昌行, 吉沢元治, 豊住芳三郎のトリオ(佐藤敏夫の時間指揮って何だろう?)。魅力的な奏者達が空間を丁寧に構築してくような音が連なる。一音一音考えられ、打ち込まれたような音の連鎖。だから、音と音の間には思惟のような沈黙を感じ…

Egberto Gismonti (1969) 音の振幅

音の振幅が大きい、というか、ボッサ風からジャズ風、MPB風と広がっているが、ジスモンチの音そのもの。冒頭の曲が、40以上前からジスモンチはジスモンチであって、そんなに変わっていないことを知る。 今春のナナ・ジスモンチのコンサートは、ナナの逝去で…

Victor Modern Jazz Sextet: Matrix (1969) 彼のラストアルバム(発売予定)との不思議な一致

菊地雅章の「幻の初リーダ作」と銘打ち、昨年、LPレコードで再発されたアルバム。だけど、これ初リーダ作かなあ。 ライナーノートをみると沢田駿吾(ギター)がプロデューサ的な役割で、菊地秀行(as),滝谷裕典(b),鈴木孝広(ds)が沢田駿吾のバンドのメンバー。…

渡辺貞夫: Songbook (1969) 70年代の熱気に向けて

随分前に名古屋・大須の中古レコード屋で格安で購入して、放置していたもの。菊地さんが入っているなあ、と聴いてみた。 B面のお仕舞い方のパストラル以外は2分前後未満の短いトラックが多数。テレビ番組で使った音、だそうだ。聴いていて、短さや曲調(多く…

(ECM1002) Just Music: Just Music (1969) さっそく辛いECMの2枚め

先に云っておくと、Free Jazzは嫌いじゃない。楽しむ回路、みたいなものが頭のなかにあるから。米黒人の場合はバップの延長線上の、ジャズとしての求心力はあるし、蘭ICPや独FMPの連中は諧謔的な愉悦に溢れているし、英CompanyのIncusのアルバムなんか聴いて…

(ECM1001) Mal Waldron: Free At Last (1969) ここからはじまった、のか?

このレコードは随分前に買っていたのだけど、単にECMの一枚目にアルバムであること以外に理由のない買い物で、放置していた。で、まずはECM1000番台をアタマから聴こうと、ターンテーブルに乗せた。ECMは、ここからはじまった、のか?咄嗟に思った。 何か聴…

佐藤允彦:Palladium (1969) 30年後に聴くと

随分長い間聴いていなかったこのレコードを久々に聴いてみた。 最近は「モダンジャズの名盤」を聴く日々で、ジャズが最も輝いていた時代(と云って差し支えないと思う)の音の勢いが凄い。さらに当時のプレスで聴くと距離感が縮まる感じがあって、脳天の先ま…

Miroslav Vitous:Infinite Search(1969) ボクが好きな70年代のジャズの玉手箱

ジャズを聴きはじめてから長く愛聽していた「違う種類のグルーヴ」の典型的な一作はコレ。ボクの根っこに染みついたジャズとか、グルーヴって音にするとこ んな感じ。黒い感じでは勿論なくて、そう地に立つグルーヴではなくて、頭頂から天蓋に音が抜けていく…

Miles Davis : 1969 Miles Festiva De Juan Pins (1969) ECMが周縁かどうかは別としてジャズの中心といえば

実は(比較的)熱心なファン。そのなかでも、面白さが満載の録音となると、白眉は、この1969年夏の欧州ツアーの録音ではなかろうか。それ以前(モード)と以後(フュージョン)のつなぎ目であり、双方の要素が渾然一体としているから。